2020年8月8日土曜日

真鍮フレームの書類鞄

現代も口枠鞄の魅力に取り憑かれる人は大勢います。革という質感豊かな素材と少し時代かかった口枠がうまく融合した時のプロポーションの美しさ。口枠の開閉時の動きにも魅了されるようです。私共作り手にとっても色々な表現を試してみたい素晴らしい組み合わせです。

長年の夢であった真鍮無垢の口枠は20年近く前に図面を描いてありましたが、2017年に制作を引き受けてくださるところが見つかり大きめのボストンバッグを作ることができました。

http://fugeebags.blogspot.com/2018/01/blog-post_20.html

その後小さめの2サイズの枠を追加制作を依頼、今年は中間サイズ枠を使った鞄2点を作らせていただきました。このシリーズの定番化ができたらと考えています。

これから何回かに渡って、この2点の鞄の制作過程をご紹介しようと思います。











2020年8月1日土曜日

紺色のPNBX型 ショルダーバッグ

お客様の中に時々Fugeeの鞄が手縫いであることをご存知ない、あるいは気がつかれない
ままお買い上げいただきご使用いただいている場合があります。
でもそれはそれで素敵なことだと思います。
Fugeeの手縫いはそれだけを声高に言うべきものではありません。
クオリティを維持する為ベストを探った結果の方法です。
実はミシンの方が良いと言う箇所も存在して、そこは当然ミシンなのです。
あえて言うなら手縫いは「品質を高く維持する為Fugeeではこうしよう」
と言う作業の中の一つです。
ですからある時は紺のブライドルレザーの落ち着いた美しさをそのまま見せたいなら
ステッチが派手な色の手縫いである必要はない場合もあり、
目立たない表現でひっそりと縫う場合もあります。
でもよく見て頂けると、長くご使用いただけると、Fugeeが何をしようとしているのかが
お分かり頂けるかもしれません。









2020年7月25日土曜日

2020 Fugee 夏

7月も後半というのに太陽のないジメジメした日々が続いています。
夏といえばFugeeでは毎年恒例の小物制作の季節です。
暑いアトリエで小さいパーツを汗を垂らしながらいじっているはずなのですが、
同じ暑さでもこの続く湿気にはそろそろ閉口しています。
同じ作品を数個作る時、革の種類によってハリやチョウシを変えることをします。
これからしばらくはノギスを片手に革の厚みの管理と細かいスキの作業が続きます。
この小さな革達が形を表してきてひと目でどういう部品かわかる頃には
梅雨が明けていればいいなと思います。
久しぶりに庭になったわずかな梅の土用干しも楽しみな梅雨の1日です。





2020年7月16日木曜日

4年目のFM42

予期せぬアクシデントに見舞われてできてしまった口枠の右肩部分の深めの傷を
たいへん気にされてH様がFugeeにいらしたのは、
この鞄を納品して1年経ってなかった頃だと記憶しております。
私どもに出来ることにはもちろん限界があり、もとどうりにする事は不可能なのですが、いろいろ手を尽くして傷が目立たなくなるように手当てをします。
持ち主も作り手も当然のように目はその部分に行きますが、
月日の経年変化や使用感が少しずつその傷にさえ
ある種の存在感を加える様になってきました。
革のエイジングは、言い換えれば朽ち果てていく過程の美しさとも言えます。
自分達の作品とそういう向き合い方が出来る幸せを感じています。
2年ほど前にお買い上げいただいたコードバンの黒いクラッチバッグとともにメンテナンスでお預かりしました。









2020年7月11日土曜日

棒屋根金具のハンドバッグ(4)

革の張りの美しさや金具の質感の美しさ。
開閉の時の巧みな動きの面白さ等が一つの鞄を作り出しています。
私たちが望むのはそれらをそのまま見せられるように。
削られたり不協和だったりするような邪魔をした仕立てをしていないか
いつも考え感じて慎重に作業を進めます。
それにしてもチャレンジに対する素材の許容範囲の大きさに助けられます。
棒屋根ボックスカーフハンドバッグができました。





2020年6月30日火曜日

棒屋根金具のハンドバッグ(3)

持ち手の作成工程です。
握るあたりの断面が円になるようにしてみました。
初めて見る方は手はこうやって作るんだと思うかもしれません。
こういう持ち手を幾つも作られている方はなんだこりゃと思うかもしれません。
私どもは持ち手に限らず鞄の作り方というのを決めてはいません。
例えばハンドバッグではなくずっと大きな鞄の持ち手でしたら
外見は同じでも中身の作り方は全く違ったと思います。
どんな場面でも毎回その時のベストをFugeeなりに探りたいからです。
そういう鞄作りは何十年続けても面白いのです。
初めて革をいじって何かを作った時と同じドキドキをずっと感じながら作る事が
私たちにとって大切な事なのです。
決まった物を決まったようにたくさん作り出すプロより新しい方法を綱渡りしながら
試すアマチュア?を目指します。





2020年6月25日木曜日

棒屋根金具のハンドバッグ(2)

革はボックスカーフの黒。
実は靴屋さんが使うボックスカーフと鞄屋が使うそれとは少し違う所があります。
厚さや表面処理の仕方が異なる場合が多いようです。
この革の持っている本質的な質感、癖、を常に的確につかむのは難しいものです。
大きな特徴の一つは腰の強さでしょうか。
今回も革の厚みをテストを繰り返し慎重に調整し決めていきます。
それらがピタッと決まれば本当に美しい鞄ができる素材で、
しかも耐久性にも優れているんです。
長いこと使っておりますが、初めて使った時から惚れっぱなしの革です。