2012年8月17日金曜日

名人の遺品

この四角い木の破片は私の師匠が使っていたもの。
美しく見事なバランスの小物を平然と作る人でした。
以前にも定規の事を書きましたが、どの道具を見てもそれぞれに細かい神経を行き届かせて使っていた事が分かる、きれいな物ばかりです。
これは穴を明ける時の作業台で、固い木ですが真ん中が少しへこんでいます。
この台の上で彼が穴を打っていたと思うだけで懐かしさのようなものが
込み上げてきます。
穴を明ける木の台はゴムの板に変わり、革を切る為の断ち盤も木製から
ビニール板に変わってずいぶんたちました。
昔は、刃物の破片をたくさん含んだその断ち盤を平面に直す専門の職人さんがそれぞれの
仕事場を回っていたそうです。