2012年7月29日日曜日

芯こそ素材吟味

ハンドルの種類や鞄の雰囲気、大きさによってもどんな革を芯に使うかは若干変わるが、
繊維が緻密で丈夫な、持ち手芯にジャストといえるタンニン鞣しの牛革は
今となってはなかなか手に入りづらく、芯専用にストックしてある。
出来上がってしまうと見えない部分だが、ハンドルの芯の素材の選択は、鞄の持ちや
使い心地を左右する 重要なポイントのひとつでもある。





2012年7月26日木曜日

感動って

昨夜、高校生の演劇を観た。
その芝居の素晴らしさと個人的な想いが入り混じり涙が止まらず、
しばらく席を立つ事が出来なかった。
18年前渋谷で店を始めたと同時に生まれたその子は、オープンしたての店の
テーブルでおしめを取り替えたこともあった。
何年か前までの彼女は、シャイでマイペースで親父のパソコンをいじってはしかられ、
いつも誰かの後ろにいるような印象の女の子だった。
彼女の歌なんて聞いた事がなかった。あんなに迫力のある声、美しい歌なんか聞いた事も無かったのに。
私が思っていたその子はずっしりとオーラすら感じられる人になっていた。

どんな事に感動するのか。
私は、単に美しいとか完成度が高い物を見ただけでは感動はできない。
それが自分の理解や感性などにどの位うったえかによると思う。
鞄も同じで、今まで2度ほど泣かされた事がある。一つは秩父の木こり
の若者が初めて作ったというもの、もう一つは尊敬する鞄職人のものだが
共通するのは想いの深さが現れていると言う点だろうか。
作り手の想いが大きなエネルギーになって迫って来るようなもの。
こちらは圧倒されてただオロオロして涙を拭う、言葉も出てこない...。

そんなものづくりを目指したいものである。





2012年7月21日土曜日

小物の製作

      たまっていたセミオーダー分の小物をつくった。
      鞄づくりの合間の小さいものの製作は、気分が変わってたのしい。



      右から、チャリ八方のドル入れ、エレファントの名刺入れ、
      シュリンクカーフのラゲージタグ、ロシアンカーフの札入れ
      いずれも Fugee定番の形



2012年7月19日木曜日

余暇のひと手間

新しいアトリエでは、御訪問のお客様に靴を脱いでいただかなくてはならない。
体裁の良い靴べらがないので、市販のものに革を着せて縫おうと思っていながら、
縫う手前の状況のままお客様には使っていただいていた。(2ヶ月間大変失礼しておりました。)やっと一周手縫いをして、チリを切り落とし、磨いた。
でも、やっぱり厚ぼったくて使い勝手がいいとはいえない。
金属製のものをつくろうかしら・・・



2012年7月16日月曜日

深いグリーンのショルダーバッグ製作行程

いつも見て頂きまして有り難う御座います。久々ですが、
ホームページのマンスリーワークショップを更新しました。
http://www.fugee.jp/monthly/index.html
今回は2月にブログに書かせて頂いたグリーンのショルダーバッグを
試作を含めて作る様子です。
素敵な山羊革です。
もうすぐ同革の色違いでアタッシェケースを作ります。
ショルダーの時と同様今からドキドキしています。

2012年7月12日木曜日

口枠鞄の検討

     口枠フルオーダーの場合、紙上での検討に費やす時間は以外に長い。


2012年7月7日土曜日

緊張感のこと

革の美しさについては多くの意見がある。
その一つに革にストレスを与えた時の緊張感があると確信している。
太い持ち手も、厚い革をおもいきり曲げる口枠の鞄も曲げた状態では作らない。
まっすぐに作って力の限り曲げて取り付ける。
もちろんそれに耐える革を使うのが大前提だが、曲げても嫌なシワが寄らないのは
弛みのない仕立てが出来るかどうかにある。
とにかくその緊張感が、張りが美しいと思っている。













2012年7月3日火曜日

小物のエイジング2

2005年に製作させていただいた札入れのメンテナンスをさせていただいた。
コバの厚みは薄いが、胴は結構なボリュームもたせてつくってあった。
中身を抜いても質感が良いのはそのせいが大きい。
小物製作時の厚みの管理は毎回悩むところだ。