2025年9月10日水曜日

美しいもの

美しいものを作りたい。
つくり手は常にそう思うのかもしれません。
一つの品物それぞれを必ず手塩にかけて作る。
それを何十年も緊張の糸を緩める事なく続けている。
さらに、今の自分の技術や方法に常に疑いを持ち続けている事も大切なこと。
そういう工房は少ないかもしれません。
Fugeeの品物にトッピなところはありません。
普通に当たり前のようにそこにあります。
しかしつくっている自分達がいうのも変ですが美しいです。
私たちは自分達の中の完成度を目指します。
昨日と今日とではやり方も、考え方も変わります。
どうってことのない美しいものをどうぞ見にいらしてください。




2025年8月30日土曜日

8月のおわり

気づけば8月もあと1日を残すばかり。
今年は早めに仕込みをはじめたこともあり、いつもは9月にずれ込むことの多い小物づくりがほぼ完成しほっとしているFugeeです。
でも作業に邁進しすぎたため(?)か、梅の土用干しのタイミングを逃してしまったのが心残り。昨日も今日も暑いので、干してもいいような気がしますが、気持ちはすっかり秋なので梅しごとのテンションではありません。来年干そうと心に誓っているところです。
暑くてもわっさわっさ元気に咲く庭の百日紅
部屋に入れるとあまり綺麗に見えないけれどエネルギーをもらえます。



2025年8月23日土曜日

にび色のダレスバッグ

 単純に「グレー」や「灰色」と言ってしまいたくないような、なんとも言えない色と質感のこの革はボックスカーフで、去年フランスで買いつけてきた中のお気に入りの一枚でした。出会った時から、ああダレスになった姿を見てみたいなと思っていました。

いち動物としての個体と鞣しや染色の塩梅など、いろんな条件が複雑に絡みあうため、革というものは本当に一期一会の素材だと切実に感じます。

ショウルームの新しい展示用としてつくっている途中に、あるお客様に見染められてありがたい事に早々と嫁ぎ先が決まってしまいました。展示用サンプルとしての役目が終わるまでの数年間はFugeeにございますので、興味のある方はどうぞお気軽に見においで下さい。








2025年8月12日火曜日

夏のしごと

チラッと写真を見ると雑然とカットされた革の部品が少し形になりかかったものになっていく様子がお分かりいただけると思います。
8月、9月は小物作りの時期にしております。
これからいよいよ組み立て、ステッチ、仕上げの工程をへて完成に向かうところです。
小物が全て完成した時には全員集合の写真を撮ろうと思います。





 

2025年7月30日水曜日

男性のための小さなアタッシェケース

身の回りの品物を忍ばせて、ちょっとお出かけ。
作らせて頂いたお客様の遊び心を感じます。
作っていて楽しい小ぶりのアタッシェケース。
作りは、凝りに凝った大真面目で美しい普通の作り。
持ち手もストッパーも山羊革の扱い方もFugeeならではの
頭に何かが着きそうな正直直球一直線。
そんな作り方の鞄、僭越ですがほとんど見ません。









2025年7月22日火曜日

Fugee の箱物

箱物の場合、パーツを多くすれば仕立てもどんどん簡単になります。
どんな鞄もそうなのですが、効率の良い作業を念頭に置いた考えかたで作ったものは、いい顔の鞄にはぜったいになりません。箱にどうやって革を貼って仕立てていくかを考える時は、やはり素材である革の質感をどこまで贅沢に表現できるだろうかということをいちばん大切にします。天板から側面、そして内側に入り込むところまですべて同じ革でもっていく.....
今回の素材はフランス製の厚みのある山羊革です。版が小さく、部分によって質感の起伏が大きいのが特徴であり、箱物としては難しいところでもあります。その山羊革に見合った美しい細部の仕立てをするには多くの慎重な時間の積み重ねが必要になります。








 

2025年7月10日木曜日

スターリングシルバーの金具

好き勝手に思う通りの鞄を好きなだけ時間を掛けて好きなようにつくる。
なんと贅沢なもづくりかと思う。
一筋縄でいかない事が毎回のようにあり、時には全く出口が見つからずもがく事もあるのですが、それも楽しめるようにならないとこの仕事はやっていけません。
毎回真剣勝負と心得て立ち向かえばなんとかなるものです!?

写真は今回の鞄に使うFugeeオリジナルのスターリングシルバーの錠前、持ち手の座、底鋲、キー、そして構想から考え自作した美錠、さらに錠前をとめる鋲です。