2018年2月25日日曜日

清々しい白ステッチ

先週に引き続き、こちらも最近納品させていただいたBK41型。
紺色のブライドルレザーに真っ白な麻糸をお選びいただきました。
この鞄ならではの太いステッチがより白を際立たせ、ネイビーの革の色を強調します。
印象があまりシャープになりすぎない様にコバは黒でなくこげ茶色で仕上げました。
白い麻糸は経年変化で時間をかけてベージュ色に落ち着き、繊維が柔らかくほぐれ色も濃くなっていく革に馴染んでいきます。
真っ白の麻糸で縫われていたであろうと思われるアンティークの美しい鞄に出会いドキッとさせられることがあります。この鞄もそうなって欲しいという思いを込めて、白い糸の時の刻みかたを想像しながら仕立てました。






2018年2月18日日曜日

ときふせてねじふせる

定番のBK41型です。
基本形はイギリスに昔からよくある形で日本の学生鞄や
サザエさんのお父さんが持っている鞄の原型と言える鞄です。
Fugeeでは厚手のブライドルレザーをかなりの迫力で使用しています。
ある時から型紙を少し変える事に気がつき通しまちの作業がだいぶ楽になりました。
それでも4mm厚の革を押さえ込むのは大変で、かなりの緊張感です。
マチの張りこみが終わると毎回ドッと疲れます。
手縫いは本当に素晴らしい方法で、重量感のある鞄のこんな厚さの革でも
コントロールしながらそこそこ繊細にまとめられるのです。





2018年2月10日土曜日

品評会

鞄教室でのひとこまです。
長いこと時間をかけてきた口枠の鞄が出来あがり、みんなで並べて品評、検証を
たのしく行いました。
私たちにとっても、生徒さん以上に驚き発見があり勉強になった授業内容でした。
今回の鞄は私たちがつくった見本を元に各自がデザインを起こし、
製作のための原寸図面を描き、試作によって問題点を出し、
作り上げるというFugeeの製作工程を簡略的に実行した鞄作りでした。
こちらからの条件は全員同じ口枠金具を使うこと、
マチの下部を固くすること等、その他持ち手のかたちもテーマの一つでした。
長い工程の間、私たちからのしつこい質問にも耐え自分たちの
オリジナルの鞄を皆さん作り上げました。
ブラボー!








2018年2月5日月曜日

透明感のあるボックスカーフ

この鞄に使用している革は以前パリでたまたま見つけた革屋さんに飛び込んで
見つけた、ぽってりした厚みのある美しいカーフです。
あまりにも繊細な表情の革なので当初は製品にするのをためらったほどです。
Y 様に5年ほどお使いいただいているこのKM39型。
薄い透明感のあるカーキ色はお手入れさせていただく度に少しづつ濃くなり新しい質感に
変化していきます。
面白い革です。