2017年7月29日土曜日

山羊革のKM39型

前回のブログの「試作」を経てできた鞄です。定番のかたちではありますが、素材が変わるとまたぜんぜん違った雰囲気のものとなります。
山羊革はそう大きくないものが一般的なので、胴体からカブセまでぐるっと一枚のパーツで仕立てるこの鞄がとれるほどのサイズの、しかもシボの雰囲気もいい革にはなかなか出会えません。
青みがかった茶系の灰色のシボ革に、えんじ色のステッチがさりげなく映える、
重厚な面持ちの鞄となりました。


2017年7月22日土曜日

お休みのお知らせ

都合により7月23日(日曜日)、24日(月曜日)お休みいたします。
ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。





2017年7月16日日曜日

「?」を消すための作業

Fugeeの鞄づくりではあらゆる場面で「試作」をします。
それは、本作に入るためのテストで、こういう鞄をつくろうという指針を
いろんな角度からチェックし、はっきりさせていくためのものです
本番の革を使うことはできませんが、目的の鞄を作りあげてみるのは、
あらゆる面からその鞄を検討出来る「試作」の例です。
でもその他にも多くの試作をしてみます。
写真のようなパーツの制作もその大切なひとつです。
KM39型のブリーフケースをタンニン鞣しの山羊革でというご注文。
つくり慣れたかたちではありますが、この鞣しのこの革での制作ははじめてのこと。
厚手でシボの美しいこの革をどの厚みでどんな張りで仕立てるのが
ベストなのかを探ります。
鞄になったときのコバの厚みと強度は?
コバからどのくらいのところをどのピッチで縫い絞ると美しいか?
・・・・などなど
私たちが思う素敵な鞄をつくるためには、これらの「?」を消すための、
地味な作業がとてもたいせつなのです。







2017年7月8日土曜日

アンティークの金具

そういう先入観で見ているからでしょうか、アンティークの
金具をバラしてサンドペーパーで磨いただけなのですが「美しい」のです。
もう少し研磨して新しい鞄に取り付けます。
キャストあり、プレスあり、ロウ付けあり。
ある状況を表現しようと工夫を凝らした名も無い職人達が作った形です。
現在だったら「少し形を変えてロウ付けを減らしてプレスで効率よく、、」
なぞと考えるのかも知れません。
昔はそれ以外やりようが無かったのかもしれませんが、
手間を惜しまず作り表現したものは愛おしく美しいのです。



2017年7月1日土曜日

革の魅力

鞄の角は、ぶつけたり、擦れたりしやすい個所です。
上の写真はメンテナンスの後、真ん中はメンテナンス前の鞄の角です。
使われた鞄に新しい時にはなかった表情と質感がでてくるのが
革のいいところだと考えています。
日々の生活でお使いいただいているあいだには、
鞄の角以外の部分もいろんな状況に出くわすはずです。
思いがけず出来てしまった深い傷やこすり傷にびっくりして
落ち込まれるかたも多いとおもいます。
でも長い目で見ると、革にはそういったマイナスの要因さえも許容してしまう
懐の深さがあります。
いちばん下の写真はメンテナンスがおわったあとの鞄の顔です。