2018年3月31日土曜日

解体からはじまる鞄づくり3

鞄を自分が思っているように作り上げるのは難しくて時間がかかってつらくて、
おもしろい作業です。
計算ずくではいかないところも革の魅力。
意識的なデフォルメは革にはそぐわないもので、革が自然に出してくれる膨らみ、張り、
柔らかさ、力強さをどう引き出し表現するかが大切です。
試作はまさにそれらを試行錯誤する私たちにとっては勝負の作業になります。





2018年3月24日土曜日

解体からはじまる鞄づくり2

製作上の失敗は嫌でも日常的にありますが、ほかの失敗に、
とても印象的でのちのち大事な資料になる作業なのに写真が一枚も残っていない
なんて言うのもしょっちゅうです。
作業に夢中になり解体中を写し忘れるのです。
残念ながら今回は元の古い鞄の写真もありません。
ここに写っている金具は解体の時に外した、復活させなければならない大事な金具です。
それにしても昔のものは、もちろん物にもよりますが
味というか雰囲気があるものですね。
プレスで絞ったものあり、ロー付けあり、鋳物あり。
何年も使われて角が取れてトロッとした感じが出てきている、ということでしょうか。
これらの部品を使って大好きな素敵なカバンができてきます。

ハッと気付いてあわてて撮った写真は少し角度を変えた同じものばかりたくさん。






2018年3月17日土曜日

解体からはじまる鞄づくり

鞄の解体の主な目的は作った職人さんの意図を知ることです。
どこに逃げを作ってどこを締めるか、酷使される鞄の型崩れをどう防ごうとしているか、
中にはその品物に想いとか意地とかを感じる嬉しいものもあります。
ワクワクと緊張の作業で今のFugeeの鞄作りに大きな影響を与えています。
鞄のコレクターはたくさんおいでだと思いますが
私達の場合、見たいのはその品物を通して見える職人さんです。

「職人さんの意図を知る」他にもう一つの目的、品質の良い金属部品を使っている
古いものを再利用するための解体というのもあります。
「必ず解体したものよりクオリティーの高いものを作る」というのが私たちの信条です。作られた職人さんに対する敬意だとおもっています。
フランス人が作ったであろうこの鞄は解体され、金属部分を磨き直して全く新しいものに生まれ変わります。






2018年3月10日土曜日

再会

棚の片づけをしていたら、見覚えがあるけれどなんだったか思い出せない包みを発見。
持ってみると小さいのにすごく重い。
開けると、ああこれだったのか。久しぶりに懐かしい友人に会ったような感覚です。
あれはまだ90年代のこと、フランスの骨董市で買いました。
チェスのことはよくわからないけれど、木や石など、同じ素材同士種類の色の違いで
敵味方の駒の区別を表現してあるものを見ることがあります。
これはその金属バージョンなのでしょう。
鞄屋にとっては身近な素材なこともあって親しみも感じつつ、素朴だけれどモダンな
佇まいに惹かれました。この駒が映える革のボードが組み込まれた箱物の鞄が
つくりたいと高揚した当時のことが昨日のことのように思い出されてきました。
もし当時つくっていたとしたらそれはどんなものだっただろう。
でも、20年以上の時を経て再会したこのチェスの駒に今の我々だったらどんな命を
吹き込むことができるだろうか。ドキドキしてきました。
ぜひ、実現させたいものです。


2018年3月3日土曜日

3月3日

3月です。
雛人形とブライドルレザーの赤いFM42型。
綺麗です。
ショウルームに鞄が少ないので、すぐに売れてしまわない綺麗で華やかな、、。
と言う事で時々赤い鞄をつくるようにしています。
おかげでメリハリがつき少し華やいだ雰囲気にもなっているんですが。
やっぱりお客様の手に渡って初めて鞄です。
早めにお雛様かたずけようと思っています。