2016年8月28日日曜日

赤トンボとホッキョーさん

春が進んでもなかなか目を覚まさず、ああもう死んでしまうのだろうかと毎年おもう。
でも汗だくの季節になると急にものすごい生命力をみせる、
うちではホッキョウさんと呼ばれているマダガスカルジャスミン。
故郷のマダガスカルはどんなところなんでしょうか。
Fugeeが渋谷から要町に引っ越した時にお祝いでいただいたので、
今年の夏で5年目をむかえます。(もうそんなに経ったのか!)
それから、ちょっと判りづらい写真ですが葉っぱの上の方、赤トンボが見えませんか。
友人の「人形の個展」で人形の周りを素敵に飛んでいたやつを頂きました。
真夏の仕事に安らぎを与えてくれていました。
不死身の植物と素敵な赤トンボと頭から湯気が出るほど忙しかった8月のカレンダー。
でも、そろそろもう秋の気配。


2016年8月22日月曜日

オーソドックスなダレス(2)

長らく欠品していたピッグスキンのDB43型ダレスバッグ(定番型)ができ上がりました。
イレギュラーですが持ち手の形状を変え、錠前をスターリングシルバーの新作に変えて
制作してみました。美しい鞄になりました。
オブジェでしたら作った時のままですが、、モノを入れて運ぶ為の実用品である鞄は
ご主人が決まればその方との長いお付き合いがそこから始まります。
そして、曲げ伸ばしの繰り返しや引っぱり、圧縮等の外的な力によって
革の繊維がほぐれ、新しい時には無かった曲線が現れてきます。
表面にキズもつきます。
しかし、多くの場合それらをなだめるように汚れを拭きはらいクリームを塗る、
いわゆるメンテナンスをすることで、使用している方ならではの、
新しいときにはなかった風合いが出てくる、革はそういう素材なのです。
その種類、それを扱う職人の考え方による仕立ての方向によって、
経年変化の様子が全く違って来るのも又、革なのです。
それはそれは、面白い革の鞄の世界です。




2016年8月16日火曜日

オーソドックスなダレス

昨年、友人から譲ってもらったこの美しいピッグスキンを眺めては、
胴がまるく湾曲するタイプのダレスをつくりたいなあとずっと思い描いておりました。
明るいベージュ色ですし、やっぱり糸は白にきまり。
コバもうすめにすこし繊細にキリリとつくりたい。
となると金具も銀がいいなあと。でもFugee定番の金具だと少しゴツい。
じゃあ、と思い立ちゴリゴリ切ったりロー付けしたり。
持ち手も、よりクラシカルな印象になることを狙って磨きの仕立てに。





2016年8月6日土曜日

チビニ生活

おびただしい数の15cm定規、当工房は作業員2名の工房なのに。
この定規はある種の工場の作業員にとっては必需品です。
ご覧の先の丸い穴に長さ40cmほどの紐を止め、
反対側をクリップに結びつけ胸ポケットの縁にそのクリップを挟む。
定規の頭を胸ポケットから少し出して、、。
裏を見ればネジの下穴径とかメートル、インチ等の換算。いざという時本当に便利。
実は当工房でも出番は非常に多く、いちばん多いのはシンメトリーであることが多い鞄の
左右の微妙な差異を測ること。簡単に言うと金具が真ん中に付いているかを測ります。
この定規も少しずつ発達?していて,左右の表示ともミリの半分の線が無いものが増えた。
(老眼はこれでなくては使えない) 
今は表だけでなく裏も同じ様にミリ単位の定規になっている「いい」ものも出てきた。
こんなに持っているのは歴代の定規を数本ずつ買ってきたのと進歩が早いという事です。
何故か当工房ではこれをチビニと言います。
「すみません!チビニ取ってください」「チビニの"いいやつ"頼む、取って」「チビニ、
はやく〜、違う! いいやつ!」と近くにいる者に頼むことが多い道具です。
収集癖があるわけではありませんが小さく薄い為紛失も多いので、
たくさんあればあるほど安心なやつなんです