2018年8月18日土曜日

もう夏の終わり?

暑い”と愚痴を言う元気も出ない暑さでしたね。
当アトリエでも夏風邪から長期微熱に悩まされた夏前半でした。
Fugeeでは只今小物を作っております。
空も高くなって日差しも秋の気配です。
さあもう少し頑張りましょうか。
残暑の出現を恐れながら作業する今日この頃です。




2018年8月11日土曜日

紺色のPM40

よくありそうな、どうという事のない鞄です。
もし実物をご覧いただいてなんだか膨らみが感じられる、いい質感を感じられる
と思って頂けたら嬉しいのですが。
私たちの鞄つくりにはなるべく偶然をなくそうとしています。
その為うしろでは色々な作業をしています。
革がどう動いてくれるか、どう力に対応してくれるかテストをします。
力が全くかからない部分の型くずれをどうふせぐか、も大事なことでした。
その他もろもろ、、。
でも最終的には、手を付けてファスナーを付けて革を縫ったらこうなるよね
というふうにつくります。
見た目は「普通だけどどこか違う鞄、、」中身は「全然普通じゃない鞄」、目指します。






2018年8月4日土曜日

青海波?

ひとつの鞄の胴になるパーツです。
それぞれ細かい漉きを終えた表になる革と裏打ちの革をこれから
接着しようというところです。
ちなみに裏打ちの革とは、表の革の強度や質感を出すために張り合わせるもので、
裏地に使う革とは別のものです。

見えている面はすべて革の裏側です。
まさに舞台裏ですが、並べて見たら青海波のようだったので
思わず写真を撮りました。
下の写真はすべて貼り合わせた後の胴のパーツを表から見たところ。




2018年7月28日土曜日

ふたつめの FN44型

前回に引き続き、新型FN44型のご紹介。
FM42型のオーダーをいただいておりましたが、多くのファイルをお入れになるということで新型に変更になったお客様の鞄です。
ゆったりとした力強いカーブが特徴のFM42、FL46 に比べて、折りたたまれて内側に入り込む部分をできるだけ少なくなるよう型紙や仕立て方を工夫することで鞄の内側のスペースを大きく確保することを可能としました。硬いファイルをたくさん入れても鞄の真ん中にすんなり入ってズレないようにするための取り外し可能な器具(3枚目の写真)もつくりました。入れたファイルは底にある左右のパッドのあいだに収まり、鞄を動かしても内側に入り込んだ部分の革に当たって擦れることを防ぎます。

ペーパーレス化が進む現代。それによって生まれる新しい鞄の発想もたのしみではありますが、そもそもモノを入れて持ち運ぶ道具としての鞄。働くビジネスマンたちに心地よく寄り添うアイテムとしてご要望がある限り、つくり続けていきたい鞄らしい鞄です。

錠前はお客様のご希望により、お持ち込みになった鞄に付いていたものを使用しています。錠前本体部分はバラして磨き直し、ベロに付く方の金具はこの鞄の雰囲気に合うようなものを自作しました。
ダークネイビーの艶やかな本体にさり気なく主張するメカニカルな錠前。
オーダーならではの鞄となりました。







2018年7月21日土曜日

新型 FN44

Fugeeの鞄のつくり方は必要な機能を咀嚼して革という美しい素材を崩さずどこまで
形に落としこめるか、だいたいそんなことです。
これまでビジネスシーンでお使いいただくことが多いFugeeの鞄は
お客様の思いにもずいぶん支えられてきたとおもいます。
革という素材の不利な点やたぶん使い勝手の悪い場合もあるのじゃないかと
思います。
最近制作したこの鞄は多めのA4のファイルを運びたいというお客様からの
ご要望が多いため定番に加えようとしている形です。
A4ファイルをストレス無く収納するという機能を大づかみにしてFL46,FM42の中間のサイズになっています。
形は兄弟ですがFL,FMとはまったく違う考え方仕立てで出来た鞄です。
書類入れをより意識したストレートでシャープなラインが特徴です。













2018年7月14日土曜日

あたらしい錠前

新しい錠前を企画しています。
現在オリジナルの厚みのある角錠前と丸錠前とは少し質感を変えた、
繊細な雰囲気のものを考えました。
錠前を留めるためのピンも今までより細いものを使います。
見えている釘の頭が小さいだけで鞄の面もちも変わります。
第一号は新しい定番の口枠鞄に取り付けましたが、KM39型のカカエ鞄のような、
少し柔らかみのある鞄とも相性はいいはずです。
錠前は鞄の顔を決める大きな要素のひとつなので、新しいカタチが加わるのは
表現の幅も広がるということ。楽しみです。


2018年7月7日土曜日

Fugeeの柔らかモノ(2)

あらゆる作業、あらゆる部品一つずつに、自分の理想の鞄に近ずけるための
想い、努力をつぎ込んで作っていこうと思っています。
でも大事なのはディテールに凝ることではありません。
全体をしっかり見なくてはいけません。
ウットリするほど美しい鞄になる事があります。
革はすごいです。
何度か書いていますが、作り手は革の美しさを少しでもあるままに見えるよう
鞄にしなくてはと思います。
MK44型、 MK42型できました。

オーダー以外の、お買い求めいただける鞄を少しずつですが制作、
ショウルームに置くようにつとめております。
どうぞお気軽にお立ち寄りください。





2018年6月27日水曜日

Fugeeの柔らかモノ

定番のボストンバッグMK44型とMK42型の製作です。
この鞄は裏返しで縫ってからそっくりひっくり返すので
縫い目が表には見えない仕立てです。
柔らかい革を使うと仕立て自体はそれほど難しいものではありません。
でも、重いものをたくさん入れて長い期間型崩れを少なくするということを
考えるととても難しい鞄です。
サイズと形状、革の強さ、張り、そして力の伝わり方をしっかり考えないと締まりのない鞄になってしまします。



2018年6月15日金曜日

新作の定番を開発中

ただ今、口枠カバンの折り込み部を削っています。
より良い質感をさぐって削るパターンと方法を変えてみました。
彫刻刀、カンナ、革包丁、色々使います。
このタイプの鞄は平らな革を寸法的には矛盾を含んだ立体に折り曲げて作ります。
そこが面白いところで全く伸び縮みをしない紙のような素材で作ると
折り曲げの力に耐えられず、切れるか裂けるか変なところが折れるかします。
でも革のようなしなやかさのあるものではキレイに湾曲します。
特に厚みのある硬い革で作った時は各部分の緊張感はかなりのものです。
何と言っても図形的には矛盾しているのですから。
そしてその緊張感自体が美しいのです。
これは革が持っている色々な美しさの中の一つの大きな要素でしょう。

今回は全体の寸法以外でも使い勝手がいいかもしれない変化形を考えていて
楽しいトライをさせていただいております。




2018年6月6日水曜日

チャリ革のダレスバッグ

チャリ革、スターリングシルバーの金具、磨き仕上げの持ち手の
ダレスバッグのできあがりです。

ショウルームに展示してあったベージュのピッグスキンのダレスバッグがお嫁に行ったので、それに負けないダレスを、ということでつくりました。

制作中は、凄みのある革が生きる緻密な仕立てをせねばと肩に力が入りますが、
できあがってみると、革の持つパワーに助けられてることを実感します。

というわけで定番ダレスDA43型のショウルーム展示は現在この鞄となっております。
興味をお持ちいただけましたらどうぞお気軽に見にいらして下さい。






2018年6月2日土曜日

お休みのお知らせ

都合により6月2日(土)、 3日(日)はお休みさせて頂きます。
ご迷惑をおかけいたしますがよろしくお願い申し上げます。



2018年5月28日月曜日

美しいデッドストック

革はチャリ八方、錠前は材料から工房で製作した
スターリングシルバーのダレスバッグです。
凄みのあるシボが特徴の山羊革ですが丁寧に仕立てると非常に上品なカバンになります。
鞄を始めた40年前には高嶺の花の革でボックスカーフと同様に、
こんな革を使える日が来るだろうかと思っていたくらいの憧れのものでした。
デッドストックの古い革なので少し脂が抜けた感じがありますが
まだまだ存在感のある美しい革です。
最後の仕上げの口元を一周縫う作業です。





2018年5月22日火曜日

ヌメ革のショルダーバッグ

水に浸して柔らかくなった革を型に入れて引き絞って立体を成型する方法があります。
ステッチも無くスッキリと見えるのが利点ですが反面薄くなる部分ができるのと
絞りの深さに限界があるということがあります。
絞りの成型の他に同じようにも見えるが全く別の方法というのもあります。
このショルダーバッグは18年ほど前に作らせて頂いたブライドルレザーの
ヌメ(タンニン鞣しで染めていない革)を使ったものです。
今回はメンテナンスのためにに戻って来ました。
コーナーのパッチの裏では胴体を野球のボールのように縫って丸みを出してあります。
作り手としては非常に興味深い製作方法です。
革の持っている張り、力強さ、緊張感がうまく出せた美しい鞄になりました。
この鞄を初めのモデルとして形は変えてありますが今も
同じ作りのショルダーバッグを各色で定番として作っております。
革の原点のようなヌメもいいものですね。





2018年5月16日水曜日

息抜き半分の旅 2018

4月後半から出かけた旅行から帰って来てはや1週間が過ぎました。

ゴールデンウイークにお休みをすることなど、お客様商売をしている者にとっては考えられないことですが、前回のブログで書いた5月1日の古道具市に行くためにそんなスケジュールとなりました。
言葉の壁はありますが同業者で長い付き合いの友人とは気心が知れた仲。
鞄づくりで繋がる共通の言語が、お互いの信頼関係のもととなっているのを実感できる
幸せな時間を過ごすことができました。
写真は、何故か突然参加することとなった金曜夜の宴会。
友人の住むパリ郊外の小さい村の、ものづくりの仲間たち。
鉄や木工の機械がたくさんある大きな倉庫のような工房前のスペースで、
季節がら遅くまで暮れない夕日をたのしみながら、賑やかなお酒はすすんだのでした。

いい刺激をタップリと頂いて、さて仕事、仕事。



2018年5月10日木曜日

Bievreの蚤の市

本日より営業しております。

もう20年以上誘われていながらなかなか行けなかったパリ郊外のヴィエーブルの蚤の市
にやっと行って来ました。
毎年5月1日に開かれるこの市は道具に特化した蚤の市。
話では以前はもっと盛り上がっていたようで、鞄はもちろん、鞍、靴、家具、絨毯などの職人たちが自分達の使う道具を探しに来るところでもあったようです。
でも、そんな現役の職人たちの姿も減り、市の様子も随分変わったそうです。

職人で、無類の道具マニアの友人と朝4時半に出発。
おびただしい刃物や道具を、前の晩に手渡された懐中電灯で照らしながら物色します。
と言っても何のための道具か、どれがいいのか悪いのか皆目わからず、
友人の後を金魚の糞のように付いて回ります。
そのうち明るくはなってくるのですがその日の気温は4度、ハーと吐く息は白い寒さ。
それでもグルグル見て歩く中でお買い得な金ヤスリや古い小さなハサミ等、
幾つか買い求め満足しました。
目利きの友人は鞄からはみだすくらい買い物をしています。
彼の鞄屋仲間で、かなり遠い場所から毎年来るという同じく道具コレクターに
現場で会って、戦利品の見せ合いっこを近くのカフェでするのが習わしみたいです。

その日買ったものの中にゴミのように汚れた塊があり、友人宅に戻って
昼寝ならぬ朝寝の間に、彼はすっかり汚れを落とした塊を綺麗に磨いて
プレゼントしてくれました。
昔の優秀な会社のもので 、トレ ボン カリテ(良い素材)だと説明され、
ありがたくおみやげに頂いて参りました。
万力です。

何だか初めて釣りに連れて行ってもらったときみたいでした。


2018年4月25日水曜日

お休みのお知らせ

まことに勝手ながら4月26日(木)より5月9日(水)までお休みいたします。
10日(木)より平常どうりの営業とさせていただきます。
お客様には大変ご迷惑をお掛けいたしますがよろしくお願い申しあげます。


2018年4月22日日曜日

棒屋根鞄の完成 2

骨董品といわれる鞄の多くは鍵もない状態が普通です。
再利用する錠前の部分をバラすことで鍵の形を突き止められました。
写真は真鍮をロー付けして作ったキーです。
今回はシンプルなもので助かりました。

古い鞄の解体から新しい棒屋根鞄が出来るまで、数回にわたってご覧いただき
ありがとうございます。
完成度の高い鞄を作りたいというのがFugeeの思いです。
自分達が思い描く美しい鞄ができました。
当然ですが、そんな私どもに賛同いただける、期待してくださる方々がいらしてこそ
実現できることと思っております。









2018年4月21日土曜日

棒屋根鞄の完成

古い鞄の解体からはじまって、時間をかけて完成した鞄です。
同じフレームと真鍮金具を使ってはいるものの、つくった我々自身が想像した以上に
元の鞄の片鱗を残さない新しいものになりました。
革屋さんの色の表記はNoir(黒)とありましたが、グレーのような、鈍い鉄のような、光によって見え方が変わる素敵な色の山羊革の艶が、鞄のカーブを引き立てます。
2012年の冬に、フランスから買って来たばかりの古いカバンをO様にお見せしながら、
「これで新しい鞄をつくりたいのだ!」と夢を語ったフジイでした。
その夢に賛同していただき、多くのことをおまかせいただき、長い時間を待っていただいたO様には本当に感謝しております。

解体前の鞄の全体写真が一枚も残っていないのが(あるのは記録のための部分写真ばかり)ほんとうに心残りです。





2018年4月11日水曜日

解体からはじまる鞄づくり5

持ち手の座はFugeeの定番金具、それ以外の金属部分はすべてフランスのアンティーク、
革はフランスで鞣された現代のもの。
元の鞄とはまったくサイズも質感も違うカバンに生まれ変わります。
ある種の柔らかさ、繊細さ、しっかり感、上品さ、耐久性、
それらに対して魔法のような解決方法はありません。
ひたすら自分たちの理想を目指して牛の歩みのような作業を進めます。
あともう少し。







2018年4月7日土曜日

解体からはじまる鞄づくり4

試作が終わり本作です。
美しいゴート(山羊革)を裁って、厚みを整えて、縫い合わせて、、。
でも本作の作業中も迷いとジャッジがついて回ります。
美しい革で、アンティークの質感のいい金具を使って、素敵なデザインの鞄を
仕立て良くつくり上げる。
なかなか難しいですね。









2018年3月31日土曜日

解体からはじまる鞄づくり3

鞄を自分が思っているように作り上げるのは難しくて時間がかかってつらくて、
おもしろい作業です。
計算ずくではいかないところも革の魅力。
意識的なデフォルメは革にはそぐわないもので、革が自然に出してくれる膨らみ、張り、
柔らかさ、力強さをどう引き出し表現するかが大切です。
試作はまさにそれらを試行錯誤する私たちにとっては勝負の作業になります。





2018年3月24日土曜日

解体からはじまる鞄づくり2

製作上の失敗は嫌でも日常的にありますが、ほかの失敗に、
とても印象的でのちのち大事な資料になる作業なのに写真が一枚も残っていない
なんて言うのもしょっちゅうです。
作業に夢中になり解体中を写し忘れるのです。
残念ながら今回は元の古い鞄の写真もありません。
ここに写っている金具は解体の時に外した、復活させなければならない大事な金具です。
それにしても昔のものは、もちろん物にもよりますが
味というか雰囲気があるものですね。
プレスで絞ったものあり、ロー付けあり、鋳物あり。
何年も使われて角が取れてトロッとした感じが出てきている、ということでしょうか。
これらの部品を使って大好きな素敵なカバンができてきます。

ハッと気付いてあわてて撮った写真は少し角度を変えた同じものばかりたくさん。