2018年4月22日日曜日

棒屋根鞄の完成 2

骨董品といわれる鞄の多くは鍵もない状態が普通です。
再利用する錠前の部分をバラすことで鍵の形を突き止められました。
写真は真鍮をロー付けして作ったキーです。
今回はシンプルなもので助かりました。

古い鞄の解体から新しい棒屋根鞄が出来るまで、数回にわたってご覧いただき
ありがとうございます。
完成度の高い鞄を作りたいというのがFugeeの思いです。
自分達が思い描く美しい鞄ができました。
当然ですが、そんな私どもに賛同いただける、期待してくださる方々がいらしてこそ
実現できることと思っております。









2018年4月21日土曜日

棒屋根鞄の完成

古い鞄の解体からはじまって、時間をかけて完成した鞄です。
同じフレームと真鍮金具を使ってはいるものの、つくった我々自身が想像した以上に
元の鞄の片鱗を残さない新しいものになりました。
革屋さんの色の表記はNoir(黒)とありましたが、グレーのような、鈍い鉄のような、光によって見え方が変わる素敵な色の山羊革の艶が、鞄のカーブを引き立てます。
2012年の冬に、フランスから買って来たばかりの古いカバンをO様にお見せしながら、
「これで新しい鞄をつくりたいのだ!」と夢を語ったフジイでした。
その夢に賛同していただき、多くのことをおまかせいただき、長い時間を待っていただいたO様には本当に感謝しております。

解体前の鞄の全体写真が一枚も残っていないのが(あるのは記録のための部分写真ばかり)ほんとうに心残りです。





2018年4月11日水曜日

解体からはじまる鞄づくり5

持ち手の座はFugeeの定番金具、それ以外の金属部分はすべてフランスのアンティーク、
革はフランスで鞣された現代のもの。
元の鞄とはまったくサイズも質感も違うカバンに生まれ変わります。
ある種の柔らかさ、繊細さ、しっかり感、上品さ、耐久性、
それらに対して魔法のような解決方法はありません。
ひたすら自分たちの理想を目指して牛の歩みのような作業を進めます。
あともう少し。







2018年4月7日土曜日

解体からはじまる鞄づくり4

試作が終わり本作です。
美しいゴート(山羊革)を裁って、厚みを整えて、縫い合わせて、、。
でも本作の作業中も迷いとジャッジがついて回ります。
美しい革で、アンティークの質感のいい金具を使って、素敵なデザインの鞄を
仕立て良くつくり上げる。
なかなか難しいですね。









2018年3月31日土曜日

解体からはじまる鞄づくり3

鞄を自分が思っているように作り上げるのは難しくて時間がかかってつらくて、
おもしろい作業です。
計算ずくではいかないところも革の魅力。
意識的なデフォルメは革にはそぐわないもので、革が自然に出してくれる膨らみ、張り、
柔らかさ、力強さをどう引き出し表現するかが大切です。
試作はまさにそれらを試行錯誤する私たちにとっては勝負の作業になります。





2018年3月24日土曜日

解体からはじまる鞄づくり2

製作上の失敗は嫌でも日常的にありますが、ほかの失敗に、
とても印象的でのちのち大事な資料になる作業なのに写真が一枚も残っていない
なんて言うのもしょっちゅうです。
作業に夢中になり解体中を写し忘れるのです。
残念ながら今回は元の古い鞄の写真もありません。
ここに写っている金具は解体の時に外した、復活させなければならない大事な金具です。
それにしても昔のものは、もちろん物にもよりますが
味というか雰囲気があるものですね。
プレスで絞ったものあり、ロー付けあり、鋳物あり。
何年も使われて角が取れてトロッとした感じが出てきている、ということでしょうか。
これらの部品を使って大好きな素敵なカバンができてきます。

ハッと気付いてあわてて撮った写真は少し角度を変えた同じものばかりたくさん。






2018年3月17日土曜日

解体からはじまる鞄づくり

鞄の解体の主な目的は作った職人さんの意図を知ることです。
どこに逃げを作ってどこを締めるか、酷使される鞄の型崩れをどう防ごうとしているか、
中にはその品物に想いとか意地とかを感じる嬉しいものもあります。
ワクワクと緊張の作業で今のFugeeの鞄作りに大きな影響を与えています。
鞄のコレクターはたくさんおいでだと思いますが
私達の場合、見たいのはその品物を通して見える職人さんです。

「職人さんの意図を知る」他にもう一つの目的、品質の良い金属部品を使っている
古いものを再利用するための解体というのもあります。
「必ず解体したものよりクオリティーの高いものを作る」というのが私たちの信条です。作られた職人さんに対する敬意だとおもっています。
フランス人が作ったであろうこの鞄は解体され、金属部分を磨き直して全く新しいものに生まれ変わります。






2018年3月10日土曜日

再会

棚の片づけをしていたら、見覚えがあるけれどなんだったか思い出せない包みを発見。
持ってみると小さいのにすごく重い。
開けると、ああこれだったのか。久しぶりに懐かしい友人に会ったような感覚です。
あれはまだ90年代のこと、フランスの骨董市で買いました。
チェスのことはよくわからないけれど、木や石など、同じ素材同士種類の色の違いで
敵味方の駒の区別を表現してあるものを見ることがあります。
これはその金属バージョンなのでしょう。
鞄屋にとっては身近な素材なこともあって親しみも感じつつ、素朴だけれどモダンな
佇まいに惹かれました。この駒が映える革のボードが組み込まれた箱物の鞄が
つくりたいと高揚した当時のことが昨日のことのように思い出されてきました。
もし当時つくっていたとしたらそれはどんなものだっただろう。
でも、20年以上の時を経て再会したこのチェスの駒に今の我々だったらどんな命を
吹き込むことができるだろうか。ドキドキしてきました。
ぜひ、実現させたいものです。


2018年3月3日土曜日

3月3日

3月です。
雛人形とブライドルレザーの赤いFM42型。
綺麗です。
ショウルームに鞄が少ないので、すぐに売れてしまわない綺麗で華やかな、、。
と言う事で時々赤い鞄をつくるようにしています。
おかげでメリハリがつき少し華やいだ雰囲気にもなっているんですが。
やっぱりお客様の手に渡って初めて鞄です。
早めにお雛様かたずけようと思っています。 




2018年2月25日日曜日

清々しい白ステッチ

先週に引き続き、こちらも最近納品させていただいたBK41型。
紺色のブライドルレザーに真っ白な麻糸をお選びいただきました。
この鞄ならではの太いステッチがより白を際立たせ、ネイビーの革の色を強調します。
印象があまりシャープになりすぎない様にコバは黒でなくこげ茶色で仕上げました。
白い麻糸は経年変化で時間をかけてベージュ色に落ち着き、繊維が柔らかくほぐれ色も濃くなっていく革に馴染んでいきます。
真っ白の麻糸で縫われていたであろうと思われるアンティークの美しい鞄に出会いドキッとさせられることがあります。この鞄もそうなって欲しいという思いを込めて、白い糸の時の刻みかたを想像しながら仕立てました。






2018年2月18日日曜日

ときふせてねじふせる

定番のBK41型です。
基本形はイギリスに昔からよくある形で日本の学生鞄や
サザエさんのお父さんが持っている鞄の原型と言える鞄です。
Fugeeでは厚手のブライドルレザーをかなりの迫力で使用しています。
ある時から型紙を少し変える事に気がつき通しまちの作業がだいぶ楽になりました。
それでも4mm厚の革を押さえ込むのは大変で、かなりの緊張感です。
マチの張りこみが終わると毎回ドッと疲れます。
手縫いは本当に素晴らしい方法で、重量感のある鞄のこんな厚さの革でも
コントロールしながらそこそこ繊細にまとめられるのです。





2018年2月10日土曜日

品評会

鞄教室でのひとこまです。
長いこと時間をかけてきた口枠の鞄が出来あがり、みんなで並べて品評、検証を
たのしく行いました。
私たちにとっても、生徒さん以上に驚き発見があり勉強になった授業内容でした。
今回の鞄は私たちがつくった見本を元に各自がデザインを起こし、
製作のための原寸図面を描き、試作によって問題点を出し、
作り上げるというFugeeの製作工程を簡略的に実行した鞄作りでした。
こちらからの条件は全員同じ口枠金具を使うこと、
マチの下部を固くすること等、その他持ち手のかたちもテーマの一つでした。
長い工程の間、私たちからのしつこい質問にも耐え自分たちの
オリジナルの鞄を皆さん作り上げました。
ブラボー!








2018年2月5日月曜日

透明感のあるボックスカーフ

この鞄に使用している革は以前パリでたまたま見つけた革屋さんに飛び込んで
見つけた、ぽってりした厚みのある美しいカーフです。
あまりにも繊細な表情の革なので当初は製品にするのをためらったほどです。
Y 様に5年ほどお使いいただいているこのKM39型。
薄い透明感のあるカーキ色はお手入れさせていただく度に少しづつ濃くなり新しい質感に
変化していきます。
面白い革です。



2018年1月27日土曜日

真鍮フレームの鞄 2

高機能で使い勝手を重視するものが求められる時代に逆行するところもある
Fugeeの鞄作りですが。
使用する方にとって鞄が革であることの意味はどこにあるのかと考えると、日々の使用の中から出てくる愛着や自分の生活の一部という感覚が他の素材と比べて強いというのもそのひとつだと思います。それが自然の素材の素晴らしいところでしょう。
なんと言っても経年変化とはそれが朽ち果てていく過程なのですから。
それさえも美しいのです。
その仕立てが未来の美しさも含めて考えられたものであったらなおさらです。
Fugeeはそういう鞄が好きです。
だから自分たちの試行錯誤を続ける意味もあると思っています。
愛着が湧いて長く手元に置いておきたいと感じられるものは、
意志を持った人間の手でしっかりとつくられたものであると信じているからです。




2018年1月20日土曜日

真鍮フレームの鞄

フレームの留め具と錠前の検討、制作に時間がかかりましたが
素敵な鞄に仕上がりました。
幅48cm 高さ31cm 厚み16cmのやや大きめのものです。
できれば多くの方に見ていただきたい珍しい金具の鞄です。
7回にわたって「ながい道のり」をご覧いただきありがとうございます。
これからも鞄のクオリティーのあり方を探ってもがいていこうと思っております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。






2018年1月14日日曜日

お休みのお知らせ

1月14日(日曜日)は都合により午後からお休みいたします。
ご迷惑ををおかけいたします宜しくお願いいたします。


2018年1月13日土曜日

ながい道のり7

真鍮の口枠に合わせた試作で問題点を洗い出して本作に入りました。
写真は完成した本体部分と口枠です。この他に別の革で作った内張があります。
枠を内張の付いた本体に真鍮の鋲で固定するといよいよ出来上がりです。





2018年1月7日日曜日

ながい道のり6

鞄の大きさと初めて使用するフレームの強度、そして何より美しいので作ってみたい
という欲望により、持ち手は久しぶりにこの形の二本手にしました。
鞄に対しての持ち手の大きさとバランスそして
かまぼこ型の盛り上げの裏に取り付ける金属板の厚みなどを試作で決めます。
もちろん鞄の印象を大きく決定する要素の一つである根革
(持ち手の下の本体に付くベース部)の検討も綿密に行います。
写真上が完成した持ち手と根革です。






2018年1月5日金曜日

2018年仕事はじめのお知らせ

明けましておめでとうございます。

明日6日(土)より本年の営業を始めます。
今年もFugeeならではの鞄、革小物をのんびりとつくらせていただこうと
考えております。
当然とはいえFugeeにご注文の鞄達はその主のところに出来上がるとすぐに
お嫁に行きます。
ですからFugeeには常に定番の鞄のみがあり変化にとんだものが見られることは
少ないのですが、今なら面白い口枠を使用したボストンバッグが2つ見られます。
口枠の鞄が大好きな方、どうぞお出でください。