2018年10月14日日曜日

今年の小物作り(3)

小銭入れ2種類です。
左側はトラディショナルな形で昔はドル入れと言われました。
手縫い独特の入れ駒という縫い方をしたものです。
非常に美しい形で使いやすいものですが比較的デリケートで外的な力に
弱いという難点があります。
例えばズボンのポケットに入れたり、さらに座ってしまったりしたら形が
崩れてしまうことがあります。
右はポケットに入れても大丈夫な仕立てになっています。
フラップを差し込んで蓋をするタイプで、コンパクトな見た目より
多くの小銭が入ります。
私も試しの使用を4、5年しておりますが毎日快適に使っております。

開け方ももちろんですが作り方も全く異なる定番の小銭入れです。







2018年10月10日水曜日

今年の小物作り (2)

カードを両側に一枚ずつ入れるタイプの二つ折り札入れです。
少しガンコに仕立ててあります。
何年か使っていくと美しくなじんできます。







2018年10月6日土曜日

今年の小物作り (1)

毎年、定番小物の制作に当てる期間となっておりました8月9月が終わりました。
お客様にご注文いただいているものを納品した後に展示用のものは
そう多くは残りませんが現在普段より豊富な種類をご覧いただけます。
当然ながら鞄よりも数を作ることができる小物です、とはいっても
素材が裏も表も同一のものは今回は一つもありません。
そうなるとステッチの色はもちろん全体の張りをどうするか等
ひとつづつそれぞれテストもし、作業もかわります。
2ヶ月間のしごとの成果を並べて見るのが密かな楽しみであります。
上の写真はボックスタイプの名刺入れ、
下は、薄型札入れと薄型名刺入れです。










2018年9月29日土曜日

F様のトートバッグ 完成

完成した鞄です。
紐の絞り口は左右に。黒檀の留め具を滑らせて開閉します。
鞄本体の質感に負けないように狙ってつくった共革の紐は太さや張りもかなりのものなので、引っ張る距離をなるべく短くし、スッキリと見せる方法を探りました。
このまとめを考え、具現化するのがいちばんの山場でしたがなかなかうまくいったと思っています。
一見シンプルな形ながら、巾着部分の細かい造作がアクセントとなり、
素材の質感とテクスチャーにもささえられ、大迫力の男性らしい鞄に仕上がりました。














2018年9月22日土曜日

F様のトートバッグ 4

しっかりした形のトートバッグの上に取り付けるソフトな革の巾着は
単に丸い筒状に作って鞄の口元のだ円に添わせて取り付け上を絞れば、、
とはいきません。
開け閉めの容易さ、大きめのファイルの出し入れのしやすさ、
それとまとまりの美しさも必要です。
絞るひもは滑りが良く、開くときにスムーズで閉じるときスッと止まるように
素材、機構を考えひもを象、とめ具が黒檀になりました。









2018年9月15日土曜日

F様のトートバッグ 3

ハトメは削って研磨してやっと気に入ったスッキリした形状になりました。
鞄の上に着く巾着は中のものが見えないようにというのがメインの用途のもので
試作の結果、美しさと使い勝手を考え二分割にしました。
その他細かいディティールにもかなりこだわった作りで本当に少しずつですが
形になって行くのが楽しみな毎日の作業です。









2018年9月9日日曜日

F様のトートバッグ 2

鞄にはいくつかの大きめのファイルを入れることが多いとのことで
本体はしっかりと、しかし素材の質感を殺さないよう仕立てます。
持ち手を離した時に下にぶら下がらないように又、肩にも掛けられるように
とのたってのご希望でしたので、持ち手を取り付ける根もとはD管を介さず
直接縫いつけることにし、不便にならない範囲で最短の長さにさせていただきました。
これを解決するのは強度、耐久性の面から難問の一つでした。
そして鞄の口元につけるソフトな革を使った巾着の試作は
写真下のように本体との関連を保ちながらいっしょに進められます。






2018年9月2日日曜日

F様のトートバッグ

開口部を巾着のようにしぼれる大きなトートバッグのご注文です。
男性的な質感、安定感を出したものを作り上げます。
「和風にならないもの」というのもF様のご希望です。
難しいのは全体のバランス、巾着部の形状そして本体とどう繋いで行くか。
写真は何度目かの試作です。
ハトメも加工したものを使うことにしました。
どう出来て行くのかご覧ください。


2018年8月25日土曜日

G.K様のKM39型

スターリングシルバーの錠前を使ったG.K.様ご注文のKM39型ができました。
是非エイジングを楽しみながら長くご使用いただければと思っています。
私共がこだわるものに鞄の耐久性があります。
それを左右する大きな要因の一つはコバの堅牢さです。
革製品の場合難しいのは素材自体がしなやかで柔らかく、曲げたりすることができる
ところです。
コバをただカタマリのように固めれば大丈夫と言うものではなくある程度の柔軟性も
要求されます。
まだまだ難しいところの多いコバの磨きですが、時間をかけてしっかりみがく事で
シュリンクレザーのようなクロム鞣しのソフトな革も綺麗で堅牢なコバを作るよう心がけています。








2018年8月18日土曜日

もう夏の終わり?

暑い”と愚痴を言う元気も出ない暑さでしたね。
当アトリエでも夏風邪から長期微熱に悩まされた夏前半でした。
Fugeeでは只今小物を作っております。
空も高くなって日差しも秋の気配です。
さあもう少し頑張りましょうか。
残暑の出現を恐れながら作業する今日この頃です。




2018年8月11日土曜日

紺色のPM40

よくありそうな、どうという事のない鞄です。
もし実物をご覧いただいてなんだか膨らみが感じられる、いい質感を感じられる
と思って頂けたら嬉しいのですが。
私たちの鞄つくりにはなるべく偶然をなくそうとしています。
その為うしろでは色々な作業をしています。
革がどう動いてくれるか、どう力に対応してくれるかテストをします。
力が全くかからない部分の型くずれをどうふせぐか、も大事なことでした。
その他もろもろ、、。
でも最終的には、手を付けてファスナーを付けて革を縫ったらこうなるよね
というふうにつくります。
見た目は「普通だけどどこか違う鞄、、」中身は「全然普通じゃない鞄」、目指します。






2018年8月4日土曜日

青海波?

ひとつの鞄の胴になるパーツです。
それぞれ細かい漉きを終えた表になる革と裏打ちの革をこれから
接着しようというところです。
ちなみに裏打ちの革とは、表の革の強度や質感を出すために張り合わせるもので、
裏地に使う革とは別のものです。

見えている面はすべて革の裏側です。
まさに舞台裏ですが、並べて見たら青海波のようだったので
思わず写真を撮りました。
下の写真はすべて貼り合わせた後の胴のパーツを表から見たところ。




2018年7月28日土曜日

ふたつめの FN44型

前回に引き続き、新型FN44型のご紹介。
FM42型のオーダーをいただいておりましたが、多くのファイルをお入れになるということで新型に変更になったお客様の鞄です。
ゆったりとした力強いカーブが特徴のFM42、FL46 に比べて、折りたたまれて内側に入り込む部分をできるだけ少なくなるよう型紙や仕立て方を工夫することで鞄の内側のスペースを大きく確保することを可能としました。硬いファイルをたくさん入れても鞄の真ん中にすんなり入ってズレないようにするための取り外し可能な器具(3枚目の写真)もつくりました。入れたファイルは底にある左右のパッドのあいだに収まり、鞄を動かしても内側に入り込んだ部分の革に当たって擦れることを防ぎます。

ペーパーレス化が進む現代。それによって生まれる新しい鞄の発想もたのしみではありますが、そもそもモノを入れて持ち運ぶ道具としての鞄。働くビジネスマンたちに心地よく寄り添うアイテムとしてご要望がある限り、つくり続けていきたい鞄らしい鞄です。

錠前はお客様のご希望により、お持ち込みになった鞄に付いていたものを使用しています。錠前本体部分はバラして磨き直し、ベロに付く方の金具はこの鞄の雰囲気に合うようなものを自作しました。
ダークネイビーの艶やかな本体にさり気なく主張するメカニカルな錠前。
オーダーならではの鞄となりました。







2018年7月21日土曜日

新型 FN44

Fugeeの鞄のつくり方は必要な機能を咀嚼して革という美しい素材を崩さずどこまで
形に落としこめるか、だいたいそんなことです。
これまでビジネスシーンでお使いいただくことが多いFugeeの鞄は
お客様の思いにもずいぶん支えられてきたとおもいます。
革という素材の不利な点やたぶん使い勝手の悪い場合もあるのじゃないかと
思います。
最近制作したこの鞄は多めのA4のファイルを運びたいというお客様からの
ご要望が多いため定番に加えようとしている形です。
A4ファイルをストレス無く収納するという機能を大づかみにしてFL46,FM42の中間のサイズになっています。
形は兄弟ですがFL,FMとはまったく違う考え方仕立てで出来た鞄です。
書類入れをより意識したストレートでシャープなラインが特徴です。













2018年7月14日土曜日

あたらしい錠前

新しい錠前を企画しています。
現在オリジナルの厚みのある角錠前と丸錠前とは少し質感を変えた、
繊細な雰囲気のものを考えました。
錠前を留めるためのピンも今までより細いものを使います。
見えている釘の頭が小さいだけで鞄の面もちも変わります。
第一号は新しい定番の口枠鞄に取り付けましたが、KM39型のカカエ鞄のような、
少し柔らかみのある鞄とも相性はいいはずです。
錠前は鞄の顔を決める大きな要素のひとつなので、新しいカタチが加わるのは
表現の幅も広がるということ。楽しみです。


2018年7月7日土曜日

Fugeeの柔らかモノ(2)

あらゆる作業、あらゆる部品一つずつに、自分の理想の鞄に近ずけるための
想い、努力をつぎ込んで作っていこうと思っています。
でも大事なのはディテールに凝ることではありません。
全体をしっかり見なくてはいけません。
ウットリするほど美しい鞄になる事があります。
革はすごいです。
何度か書いていますが、作り手は革の美しさを少しでもあるままに見えるよう
鞄にしなくてはと思います。
MK44型、 MK42型できました。

オーダー以外の、お買い求めいただける鞄を少しずつですが制作、
ショウルームに置くようにつとめております。
どうぞお気軽にお立ち寄りください。





2018年6月27日水曜日

Fugeeの柔らかモノ

定番のボストンバッグMK44型とMK42型の製作です。
この鞄は裏返しで縫ってからそっくりひっくり返すので
縫い目が表には見えない仕立てです。
柔らかい革を使うと仕立て自体はそれほど難しいものではありません。
でも、重いものをたくさん入れて長い期間型崩れを少なくするということを
考えるととても難しい鞄です。
サイズと形状、革の強さ、張り、そして力の伝わり方をしっかり考えないと締まりのない鞄になってしまします。



2018年6月15日金曜日

新作の定番を開発中

ただ今、口枠カバンの折り込み部を削っています。
より良い質感をさぐって削るパターンと方法を変えてみました。
彫刻刀、カンナ、革包丁、色々使います。
このタイプの鞄は平らな革を寸法的には矛盾を含んだ立体に折り曲げて作ります。
そこが面白いところで全く伸び縮みをしない紙のような素材で作ると
折り曲げの力に耐えられず、切れるか裂けるか変なところが折れるかします。
でも革のようなしなやかさのあるものではキレイに湾曲します。
特に厚みのある硬い革で作った時は各部分の緊張感はかなりのものです。
何と言っても図形的には矛盾しているのですから。
そしてその緊張感自体が美しいのです。
これは革が持っている色々な美しさの中の一つの大きな要素でしょう。

今回は全体の寸法以外でも使い勝手がいいかもしれない変化形を考えていて
楽しいトライをさせていただいております。




2018年6月6日水曜日

チャリ革のダレスバッグ

チャリ革、スターリングシルバーの金具、磨き仕上げの持ち手の
ダレスバッグのできあがりです。

ショウルームに展示してあったベージュのピッグスキンのダレスバッグがお嫁に行ったので、それに負けないダレスを、ということでつくりました。

制作中は、凄みのある革が生きる緻密な仕立てをせねばと肩に力が入りますが、
できあがってみると、革の持つパワーに助けられてることを実感します。

というわけで定番ダレスDA43型のショウルーム展示は現在この鞄となっております。
興味をお持ちいただけましたらどうぞお気軽に見にいらして下さい。






2018年6月2日土曜日

お休みのお知らせ

都合により6月2日(土)、 3日(日)はお休みさせて頂きます。
ご迷惑をおかけいたしますがよろしくお願い申し上げます。



2018年5月28日月曜日

美しいデッドストック

革はチャリ八方、錠前は材料から工房で製作した
スターリングシルバーのダレスバッグです。
凄みのあるシボが特徴の山羊革ですが丁寧に仕立てると非常に上品なカバンになります。
鞄を始めた40年前には高嶺の花の革でボックスカーフと同様に、
こんな革を使える日が来るだろうかと思っていたくらいの憧れのものでした。
デッドストックの古い革なので少し脂が抜けた感じがありますが
まだまだ存在感のある美しい革です。
最後の仕上げの口元を一周縫う作業です。