2018年6月15日金曜日

新作の定番を開発中

ただ今、口枠カバンの折り込み部を削っています。
より良い質感をさぐって削るパターンと方法を変えてみました。
彫刻刀、カンナ、革包丁、色々使います。
このタイプの鞄は平らな革を寸法的には矛盾を含んだ立体に折り曲げて作ります。
そこが面白いところで全く伸び縮みをしない紙のような素材で作ると
折り曲げの力に耐えられず、切れるか裂けるか変なところが折れるかします。
でも革のようなしなやかさのあるものではキレイに湾曲します。
特に厚みのある硬い革で作った時は各部分の緊張感はかなりのものです。
何と言っても図形的には矛盾しているのですから。
そしてその緊張感自体が美しいのです。
これは革が持っている色々な美しさの中の一つの大きな要素でしょう。

今回は全体の寸法以外でも使い勝手がいいかもしれない変化形を考えていて
楽しいトライをさせていただいております。




2018年6月6日水曜日

チャリ革のダレスバッグ

チャリ革、スターリングシルバーの金具、磨き仕上げの持ち手の
ダレスバッグのできあがりです。

ショウルームに展示してあったベージュのピッグスキンのダレスバッグがお嫁に行ったので、それに負けないダレスを、ということでつくりました。

制作中は、凄みのある革が生きる緻密な仕立てをせねばと肩に力が入りますが、
できあがってみると、革の持つパワーに助けられてることを実感します。

というわけで定番ダレスDA43型のショウルーム展示は現在この鞄となっております。
興味をお持ちいただけましたらどうぞお気軽に見にいらして下さい。






2018年6月2日土曜日

お休みのお知らせ

都合により6月2日(土)、 3日(日)はお休みさせて頂きます。
ご迷惑をおかけいたしますがよろしくお願い申し上げます。



2018年5月28日月曜日

美しいデッドストック

革はチャリ八方、錠前は材料から工房で製作した
スターリングシルバーのダレスバッグです。
凄みのあるシボが特徴の山羊革ですが丁寧に仕立てると非常に上品なカバンになります。
鞄を始めた40年前には高嶺の花の革でボックスカーフと同様に、
こんな革を使える日が来るだろうかと思っていたくらいの憧れのものでした。
デッドストックの古い革なので少し脂が抜けた感じがありますが
まだまだ存在感のある美しい革です。
最後の仕上げの口元を一周縫う作業です。





2018年5月22日火曜日

ヌメ革のショルダーバッグ

水に浸して柔らかくなった革を型に入れて引き絞って立体を成型する方法があります。
ステッチも無くスッキリと見えるのが利点ですが反面薄くなる部分ができるのと
絞りの深さに限界があるということがあります。
絞りの成型の他に同じようにも見えるが全く別の方法というのもあります。
このショルダーバッグは18年ほど前に作らせて頂いたブライドルレザーの
ヌメ(タンニン鞣しで染めていない革)を使ったものです。
今回はメンテナンスのためにに戻って来ました。
コーナーのパッチの裏では胴体を野球のボールのように縫って丸みを出してあります。
作り手としては非常に興味深い製作方法です。
革の持っている張り、力強さ、緊張感がうまく出せた美しい鞄になりました。
この鞄を初めのモデルとして形は変えてありますが今も
同じ作りのショルダーバッグを各色で定番として作っております。
革の原点のようなヌメもいいものですね。





2018年5月16日水曜日

息抜き半分の旅 2018

4月後半から出かけた旅行から帰って来てはや1週間が過ぎました。

ゴールデンウイークにお休みをすることなど、お客様商売をしている者にとっては考えられないことですが、前回のブログで書いた5月1日の古道具市に行くためにそんなスケジュールとなりました。
言葉の壁はありますが同業者で長い付き合いの友人とは気心が知れた仲。
鞄づくりで繋がる共通の言語が、お互いの信頼関係のもととなっているのを実感できる
幸せな時間を過ごすことができました。
写真は、何故か突然参加することとなった金曜夜の宴会。
友人の住むパリ郊外の小さい村の、ものづくりの仲間たち。
鉄や木工の機械がたくさんある大きな倉庫のような工房前のスペースで、
季節がら遅くまで暮れない夕日をたのしみながら、賑やかなお酒はすすんだのでした。

いい刺激をタップリと頂いて、さて仕事、仕事。



2018年5月10日木曜日

Bievreの蚤の市

本日より営業しております。

もう20年以上誘われていながらなかなか行けなかったパリ郊外のヴィエーブルの蚤の市
にやっと行って来ました。
毎年5月1日に開かれるこの市は道具に特化した蚤の市。
話では以前はもっと盛り上がっていたようで、鞄はもちろん、鞍、靴、家具、絨毯などの職人たちが自分達の使う道具を探しに来るところでもあったようです。
でも、そんな現役の職人たちの姿も減り、市の様子も随分変わったそうです。

職人で、無類の道具マニアの友人と朝4時半に出発。
おびただしい刃物や道具を、前の晩に手渡された懐中電灯で照らしながら物色します。
と言っても何のための道具か、どれがいいのか悪いのか皆目わからず、
友人の後を金魚の糞のように付いて回ります。
そのうち明るくはなってくるのですがその日の気温は4度、ハーと吐く息は白い寒さ。
それでもグルグル見て歩く中でお買い得な金ヤスリや古い小さなハサミ等、
幾つか買い求め満足しました。
目利きの友人は鞄からはみだすくらい買い物をしています。
彼の鞄屋仲間で、かなり遠い場所から毎年来るという同じく道具コレクターに
現場で会って、戦利品の見せ合いっこを近くのカフェでするのが習わしみたいです。

その日買ったものの中にゴミのように汚れた塊があり、友人宅に戻って
昼寝ならぬ朝寝の間に、彼はすっかり汚れを落とした塊を綺麗に磨いて
プレゼントしてくれました。
昔の優秀な会社のもので 、トレ ボン カリテ(良い素材)だと説明され、
ありがたくおみやげに頂いて参りました。
万力です。

何だか初めて釣りに連れて行ってもらったときみたいでした。


2018年4月25日水曜日

お休みのお知らせ

まことに勝手ながら4月26日(木)より5月9日(水)までお休みいたします。
10日(木)より平常どうりの営業とさせていただきます。
お客様には大変ご迷惑をお掛けいたしますがよろしくお願い申しあげます。


2018年4月22日日曜日

棒屋根鞄の完成 2

骨董品といわれる鞄の多くは鍵もない状態が普通です。
再利用する錠前の部分をバラすことで鍵の形を突き止められました。
写真は真鍮をロー付けして作ったキーです。
今回はシンプルなもので助かりました。

古い鞄の解体から新しい棒屋根鞄が出来るまで、数回にわたってご覧いただき
ありがとうございます。
完成度の高い鞄を作りたいというのがFugeeの思いです。
自分達が思い描く美しい鞄ができました。
当然ですが、そんな私どもに賛同いただける、期待してくださる方々がいらしてこそ
実現できることと思っております。









2018年4月21日土曜日

棒屋根鞄の完成

古い鞄の解体からはじまって、時間をかけて完成した鞄です。
同じフレームと真鍮金具を使ってはいるものの、つくった我々自身が想像した以上に
元の鞄の片鱗を残さない新しいものになりました。
革屋さんの色の表記はNoir(黒)とありましたが、グレーのような、鈍い鉄のような、光によって見え方が変わる素敵な色の山羊革の艶が、鞄のカーブを引き立てます。
2012年の冬に、フランスから買って来たばかりの古いカバンをO様にお見せしながら、
「これで新しい鞄をつくりたいのだ!」と夢を語ったフジイでした。
その夢に賛同していただき、多くのことをおまかせいただき、長い時間を待っていただいたO様には本当に感謝しております。

解体前の鞄の全体写真が一枚も残っていないのが(あるのは記録のための部分写真ばかり)ほんとうに心残りです。





2018年4月11日水曜日

解体からはじまる鞄づくり5

持ち手の座はFugeeの定番金具、それ以外の金属部分はすべてフランスのアンティーク、
革はフランスで鞣された現代のもの。
元の鞄とはまったくサイズも質感も違うカバンに生まれ変わります。
ある種の柔らかさ、繊細さ、しっかり感、上品さ、耐久性、
それらに対して魔法のような解決方法はありません。
ひたすら自分たちの理想を目指して牛の歩みのような作業を進めます。
あともう少し。







2018年4月7日土曜日

解体からはじまる鞄づくり4

試作が終わり本作です。
美しいゴート(山羊革)を裁って、厚みを整えて、縫い合わせて、、。
でも本作の作業中も迷いとジャッジがついて回ります。
美しい革で、アンティークの質感のいい金具を使って、素敵なデザインの鞄を
仕立て良くつくり上げる。
なかなか難しいですね。









2018年3月31日土曜日

解体からはじまる鞄づくり3

鞄を自分が思っているように作り上げるのは難しくて時間がかかってつらくて、
おもしろい作業です。
計算ずくではいかないところも革の魅力。
意識的なデフォルメは革にはそぐわないもので、革が自然に出してくれる膨らみ、張り、
柔らかさ、力強さをどう引き出し表現するかが大切です。
試作はまさにそれらを試行錯誤する私たちにとっては勝負の作業になります。





2018年3月24日土曜日

解体からはじまる鞄づくり2

製作上の失敗は嫌でも日常的にありますが、ほかの失敗に、
とても印象的でのちのち大事な資料になる作業なのに写真が一枚も残っていない
なんて言うのもしょっちゅうです。
作業に夢中になり解体中を写し忘れるのです。
残念ながら今回は元の古い鞄の写真もありません。
ここに写っている金具は解体の時に外した、復活させなければならない大事な金具です。
それにしても昔のものは、もちろん物にもよりますが
味というか雰囲気があるものですね。
プレスで絞ったものあり、ロー付けあり、鋳物あり。
何年も使われて角が取れてトロッとした感じが出てきている、ということでしょうか。
これらの部品を使って大好きな素敵なカバンができてきます。

ハッと気付いてあわてて撮った写真は少し角度を変えた同じものばかりたくさん。






2018年3月17日土曜日

解体からはじまる鞄づくり

鞄の解体の主な目的は作った職人さんの意図を知ることです。
どこに逃げを作ってどこを締めるか、酷使される鞄の型崩れをどう防ごうとしているか、
中にはその品物に想いとか意地とかを感じる嬉しいものもあります。
ワクワクと緊張の作業で今のFugeeの鞄作りに大きな影響を与えています。
鞄のコレクターはたくさんおいでだと思いますが
私達の場合、見たいのはその品物を通して見える職人さんです。

「職人さんの意図を知る」他にもう一つの目的、品質の良い金属部品を使っている
古いものを再利用するための解体というのもあります。
「必ず解体したものよりクオリティーの高いものを作る」というのが私たちの信条です。作られた職人さんに対する敬意だとおもっています。
フランス人が作ったであろうこの鞄は解体され、金属部分を磨き直して全く新しいものに生まれ変わります。






2018年3月10日土曜日

再会

棚の片づけをしていたら、見覚えがあるけれどなんだったか思い出せない包みを発見。
持ってみると小さいのにすごく重い。
開けると、ああこれだったのか。久しぶりに懐かしい友人に会ったような感覚です。
あれはまだ90年代のこと、フランスの骨董市で買いました。
チェスのことはよくわからないけれど、木や石など、同じ素材同士種類の色の違いで
敵味方の駒の区別を表現してあるものを見ることがあります。
これはその金属バージョンなのでしょう。
鞄屋にとっては身近な素材なこともあって親しみも感じつつ、素朴だけれどモダンな
佇まいに惹かれました。この駒が映える革のボードが組み込まれた箱物の鞄が
つくりたいと高揚した当時のことが昨日のことのように思い出されてきました。
もし当時つくっていたとしたらそれはどんなものだっただろう。
でも、20年以上の時を経て再会したこのチェスの駒に今の我々だったらどんな命を
吹き込むことができるだろうか。ドキドキしてきました。
ぜひ、実現させたいものです。


2018年3月3日土曜日

3月3日

3月です。
雛人形とブライドルレザーの赤いFM42型。
綺麗です。
ショウルームに鞄が少ないので、すぐに売れてしまわない綺麗で華やかな、、。
と言う事で時々赤い鞄をつくるようにしています。
おかげでメリハリがつき少し華やいだ雰囲気にもなっているんですが。
やっぱりお客様の手に渡って初めて鞄です。
早めにお雛様かたずけようと思っています。 




2018年2月25日日曜日

清々しい白ステッチ

先週に引き続き、こちらも最近納品させていただいたBK41型。
紺色のブライドルレザーに真っ白な麻糸をお選びいただきました。
この鞄ならではの太いステッチがより白を際立たせ、ネイビーの革の色を強調します。
印象があまりシャープになりすぎない様にコバは黒でなくこげ茶色で仕上げました。
白い麻糸は経年変化で時間をかけてベージュ色に落ち着き、繊維が柔らかくほぐれ色も濃くなっていく革に馴染んでいきます。
真っ白の麻糸で縫われていたであろうと思われるアンティークの美しい鞄に出会いドキッとさせられることがあります。この鞄もそうなって欲しいという思いを込めて、白い糸の時の刻みかたを想像しながら仕立てました。






2018年2月18日日曜日

ときふせてねじふせる

定番のBK41型です。
基本形はイギリスに昔からよくある形で日本の学生鞄や
サザエさんのお父さんが持っている鞄の原型と言える鞄です。
Fugeeでは厚手のブライドルレザーをかなりの迫力で使用しています。
ある時から型紙を少し変える事に気がつき通しまちの作業がだいぶ楽になりました。
それでも4mm厚の革を押さえ込むのは大変で、かなりの緊張感です。
マチの張りこみが終わると毎回ドッと疲れます。
手縫いは本当に素晴らしい方法で、重量感のある鞄のこんな厚さの革でも
コントロールしながらそこそこ繊細にまとめられるのです。





2018年2月10日土曜日

品評会

鞄教室でのひとこまです。
長いこと時間をかけてきた口枠の鞄が出来あがり、みんなで並べて品評、検証を
たのしく行いました。
私たちにとっても、生徒さん以上に驚き発見があり勉強になった授業内容でした。
今回の鞄は私たちがつくった見本を元に各自がデザインを起こし、
製作のための原寸図面を描き、試作によって問題点を出し、
作り上げるというFugeeの製作工程を簡略的に実行した鞄作りでした。
こちらからの条件は全員同じ口枠金具を使うこと、
マチの下部を固くすること等、その他持ち手のかたちもテーマの一つでした。
長い工程の間、私たちからのしつこい質問にも耐え自分たちの
オリジナルの鞄を皆さん作り上げました。
ブラボー!








2018年2月5日月曜日

透明感のあるボックスカーフ

この鞄に使用している革は以前パリでたまたま見つけた革屋さんに飛び込んで
見つけた、ぽってりした厚みのある美しいカーフです。
あまりにも繊細な表情の革なので当初は製品にするのをためらったほどです。
Y 様に5年ほどお使いいただいているこのKM39型。
薄い透明感のあるカーキ色はお手入れさせていただく度に少しづつ濃くなり新しい質感に
変化していきます。
面白い革です。



2018年1月27日土曜日

真鍮フレームの鞄 2

高機能で使い勝手を重視するものが求められる時代に逆行するところもある
Fugeeの鞄作りですが。
使用する方にとって鞄が革であることの意味はどこにあるのかと考えると、日々の使用の中から出てくる愛着や自分の生活の一部という感覚が他の素材と比べて強いというのもそのひとつだと思います。それが自然の素材の素晴らしいところでしょう。
なんと言っても経年変化とはそれが朽ち果てていく過程なのですから。
それさえも美しいのです。
その仕立てが未来の美しさも含めて考えられたものであったらなおさらです。
Fugeeはそういう鞄が好きです。
だから自分たちの試行錯誤を続ける意味もあると思っています。
愛着が湧いて長く手元に置いておきたいと感じられるものは、
意志を持った人間の手でしっかりとつくられたものであると信じているからです。




2018年1月20日土曜日

真鍮フレームの鞄

フレームの留め具と錠前の検討、制作に時間がかかりましたが
素敵な鞄に仕上がりました。
幅48cm 高さ31cm 厚み16cmのやや大きめのものです。
できれば多くの方に見ていただきたい珍しい金具の鞄です。
7回にわたって「ながい道のり」をご覧いただきありがとうございます。
これからも鞄のクオリティーのあり方を探ってもがいていこうと思っております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。