2020年9月22日火曜日

黒い真鍮フレームの鞄

S様ご依頼の真鍮フレームの鞄が出来上がりました。
こちらは象革の黒で仕立てたものです。
擦れに強い象革が剛性の高い真鍮のアングルフレームにいい角度でぶら下がった、
力の方向性的に理にかなった構造の鞄です。
5年、10年、更にその後の経年変化が楽しみです。










 

2020年9月14日月曜日

真鍮フレームの書類鞄(5)

 試作での検討が終わり、どこにどういう状態で本作の革を使っていくかも決められたら
本作の部品作り、組み立てです。
ここでもやっぱり「見落とし」「新しい問題発覚」「素敵な方法発見」等々あり
進み方は遅いです。
例えば持ち手の芯の検討では芯の素材はもちろんですが
理想的な形になるまで何度か削り直すこともあります。
何はともあれ納得のいく鞄に仕立てるのは難しい。








2020年9月6日日曜日

真鍮フレームの書類鞄 (4)

何ども金具制作場面で恐縮ですがアナログな鞄屋にとっては革で鞄を形作っていくのと同列の大事な作業なので是非ご覧いただきたく思います。いかにも手作り感満載で拙い作業だと思います。でもこれこそが私達にとっては未知の作品への挑戦です。革も全く同じ感覚で接し、制作しています。奇をてらう事がない鞄でなお私たち以外には表現してこなかった鞄作りをしたいものです。















 

2020年8月26日水曜日

真鍮フレームの書類鞄 (3)

 金具づくりと並行しながら鞄本体の試作や本作も進めます。

上の写真は試作です。実際にどのくらいの張りや硬さの鞄を目指すか、真鍮枠も仮に取り付けて検討していきます。枠と持ち手とのバランス、これから作る小さい金属パーツの大きさなども検証します。三次元の立体になると当然ですが革のボリューム感など、図面の段階では感じられなかったものが出てくるので、気持ちも盛り上がります。

本作は、赤茶色のカーフのシボ革(写真2枚目)と黒い象革(写真3枚目)です。





2020年8月18日火曜日

真鍮フレームの書類鞄 (2)

 人それぞれ胸躍る瞬間は違うとは思いますが私はこういう物をいじっている時本当に楽しいんです。部品のある物はおおざっぱに機械加工してあります。ある物は板だの塊だのから切り出します。それを図面にあわせて切ったり曲げたり削ったりネジ切ったりしながら組み立てていきます。 








2020年8月8日土曜日

真鍮フレームの書類鞄

現代も口枠鞄の魅力に取り憑かれる人は大勢います。革という質感豊かな素材と少し時代かかった口枠がうまく融合した時のプロポーションの美しさ。口枠の開閉時の動きにも魅了されるようです。私共作り手にとっても色々な表現を試してみたい素晴らしい組み合わせです。

長年の夢であった真鍮無垢の口枠は20年近く前に図面を描いてありましたが、2017年に制作を引き受けてくださるところが見つかり大きめのボストンバッグを作ることができました。

http://fugeebags.blogspot.com/2018/01/blog-post_20.html

その後小さめの2サイズの枠を追加制作を依頼、今年は中間サイズ枠を使った鞄2点を作らせていただきました。このシリーズの定番化ができたらと考えています。

これから何回かに渡って、この2点の鞄の制作過程をご紹介しようと思います。











2020年8月1日土曜日

紺色のPNBX型 ショルダーバッグ

お客様の中に時々Fugeeの鞄が手縫いであることをご存知ない、あるいは気がつかれない
ままお買い上げいただきご使用いただいている場合があります。
でもそれはそれで素敵なことだと思います。
Fugeeの手縫いはそれだけを声高に言うべきものではありません。
クオリティを維持する為ベストを探った結果の方法です。
実はミシンの方が良いと言う箇所も存在して、そこは当然ミシンなのです。
あえて言うなら手縫いは「品質を高く維持する為Fugeeではこうしよう」
と言う作業の中の一つです。
ですからある時は紺のブライドルレザーの落ち着いた美しさをそのまま見せたいなら
ステッチが派手な色の手縫いである必要はない場合もあり、
目立たない表現でひっそりと縫う場合もあります。
でもよく見て頂けると、長くご使用いただけると、Fugeeが何をしようとしているのかが
お分かり頂けるかもしれません。









2020年7月25日土曜日

2020 Fugee 夏

7月も後半というのに太陽のないジメジメした日々が続いています。
夏といえばFugeeでは毎年恒例の小物制作の季節です。
暑いアトリエで小さいパーツを汗を垂らしながらいじっているはずなのですが、
同じ暑さでもこの続く湿気にはそろそろ閉口しています。
同じ作品を数個作る時、革の種類によってハリやチョウシを変えることをします。
これからしばらくはノギスを片手に革の厚みの管理と細かいスキの作業が続きます。
この小さな革達が形を表してきてひと目でどういう部品かわかる頃には
梅雨が明けていればいいなと思います。
久しぶりに庭になったわずかな梅の土用干しも楽しみな梅雨の1日です。





2020年7月16日木曜日

4年目のFM42

予期せぬアクシデントに見舞われてできてしまった口枠の右肩部分の深めの傷を
たいへん気にされてH様がFugeeにいらしたのは、
この鞄を納品して1年経ってなかった頃だと記憶しております。
私どもに出来ることにはもちろん限界があり、もとどうりにする事は不可能なのですが、いろいろ手を尽くして傷が目立たなくなるように手当てをします。
持ち主も作り手も当然のように目はその部分に行きますが、
月日の経年変化や使用感が少しずつその傷にさえ
ある種の存在感を加える様になってきました。
革のエイジングは、言い換えれば朽ち果てていく過程の美しさとも言えます。
自分達の作品とそういう向き合い方が出来る幸せを感じています。
2年ほど前にお買い上げいただいたコードバンの黒いクラッチバッグとともにメンテナンスでお預かりしました。









2020年7月11日土曜日

棒屋根金具のハンドバッグ(4)

革の張りの美しさや金具の質感の美しさ。
開閉の時の巧みな動きの面白さ等が一つの鞄を作り出しています。
私たちが望むのはそれらをそのまま見せられるように。
削られたり不協和だったりするような邪魔をした仕立てをしていないか
いつも考え感じて慎重に作業を進めます。
それにしてもチャレンジに対する素材の許容範囲の大きさに助けられます。
棒屋根ボックスカーフハンドバッグができました。





2020年6月30日火曜日

棒屋根金具のハンドバッグ(3)

持ち手の作成工程です。
握るあたりの断面が円になるようにしてみました。
初めて見る方は手はこうやって作るんだと思うかもしれません。
こういう持ち手を幾つも作られている方はなんだこりゃと思うかもしれません。
私どもは持ち手に限らず鞄の作り方というのを決めてはいません。
例えばハンドバッグではなくずっと大きな鞄の持ち手でしたら
外見は同じでも中身の作り方は全く違ったと思います。
どんな場面でも毎回その時のベストをFugeeなりに探りたいからです。
そういう鞄作りは何十年続けても面白いのです。
初めて革をいじって何かを作った時と同じドキドキをずっと感じながら作る事が
私たちにとって大切な事なのです。
決まった物を決まったようにたくさん作り出すプロより新しい方法を綱渡りしながら
試すアマチュア?を目指します。





2020年6月25日木曜日

棒屋根金具のハンドバッグ(2)

革はボックスカーフの黒。
実は靴屋さんが使うボックスカーフと鞄屋が使うそれとは少し違う所があります。
厚さや表面処理の仕方が異なる場合が多いようです。
この革の持っている本質的な質感、癖、を常に的確につかむのは難しいものです。
大きな特徴の一つは腰の強さでしょうか。
今回も革の厚みをテストを繰り返し慎重に調整し決めていきます。
それらがピタッと決まれば本当に美しい鞄ができる素材で、
しかも耐久性にも優れているんです。
長いこと使っておりますが、初めて使った時から惚れっぱなしの革です。







2020年6月15日月曜日

棒屋根金具のハンドバッグ(1)

ファスナーが開発される以前、金属の口枠を使い開閉させるタイプの鞄がポピュラーだった時代がありました。
繰り返しの開閉に対して正確で耐久性がありかつ美しいものが作られました。
これは「棒屋根」と呼ばれる口枠です。アンティーク品ではありませんが、
ドイツの金具メーカーのもので30年くらい前に手に入れたものです。
残念ながら今は作っていないようです。
これを手に入れた時の嬉しさはよく覚えています。
今回は枠の構造については述べませんが、鞄屋的に言うと、
この枠の下にぶら下がる鞄の本体部分はかなりの自由度があります。
これは小さめの長さ30cmのものなのでハンドバッグによく使いました。
鞄作りの面白さは可能性追求の面白さでもあります。
夢を広げてくれた金具もこのサイズは最後の一つになりました。






         





2020年6月5日金曜日

タタミ

何ともう30年近く経ちました。
まだFugeeが国立にあった、カラーの麻糸なぞどこでどう調達するのだろうという時代。

今も友達としてお付き合いさせてもらっている立川の同業者から「こんなのが手に入ったから一つあげる」と言われて使い始めたのが木綿の風合いの畳屋さんが使っているこの糸です。無限に使える量があると思われた太い巻き。
質感が気に入りFugee定番BK41型などの太めのステッチが映える鞄に今でも愛用し続けています。
どんなものも使えば減るもので、ハタと気がつけば後わずか、急に不安になりあちこち
探し近くの畳屋さんから分けていただける事となりホッとしております。
いただいた時と全く変わっていない新しい巻の糸、きっと30年は持ちます。
30年、、、、。







2020年5月26日火曜日

自粛でも嬉しいことも、、

まだまだ続きそうとはいえ自粛解除になりました。
物を作る仕事の私どものこの間の日々の生活にはそれ程大きな変化は
ないと思っていたのですが、やはりたまには友人に会いたい、話したいものです。
そんな我慢の生活が続いております。
そんな中で嬉しかったこと三つ。
一つは
鞄の生徒さんにご自分の刃物の砥ぎを再チェックしてゆっくりと振り返って頂く
提案をしたところ皆さん刃物との向き合い方が素晴らしくて嬉しくなりました。
ありがとうございます。

二つ目は
某有名なコーヒー店のご主人から教えを受けているという方から豆を頂きました。
Fugeeでは国立時代から30年以上お客様にコーヒーをお出ししています。
うちで飲まれた皆様にはすみませんが正直にいうと未だによくわからないのですが。
でもコーヒーを入れるのも飲むのも大好きです。
一応気合を入れてドリップ中です。
ありがとうございます。

三つ目に
庭に梅の老木があります。
7年前にたくさんなって収穫して以来全くできなかった実が
たくさんというほどではない様ですが今年収穫できました。
梅干しにします。
ありがとうございます。




2020年5月17日日曜日

六芒星の口枠鞄(7)

鞄がアタッチメントを取り付けたトロリーケースに置かれたました。
移動中の鞄の振れや脱落防止のためのものですが、
取り付け取り外しが簡単な事も大切です。
それとアタッチメントはなるべく目立たなく風体がコンパクトであること。
工房の周りの歩道、砂利、段差いろいろ押したり引いたり試して
全く大丈夫であることを確認して完了です。
鞄もアタッチメントも、アナログにひとつずつ可能性を探るという
Fugeeにふさわしい仕事でした。









2020年5月10日日曜日

六芒星の口枠鞄(6)

この鞄の製作過程の紹介も終わりに近づきました。
その前にトロリーケースにワンタッチで取り付けるアタッチメント
をご覧いただけたらと思い載せてみました。
楽しい試行錯誤でした。
作らせて頂いたK様に感謝いたします。