2019年12月7日土曜日

コンビネーション2019 (2)

黒と明茶色のコンビネーション。
私どもとしてはこちらも初めての色の組み合わせでした。
金具は真鍮、ステッチは明茶色に合わせた色に。
FM42型には通常はコーナーパッチをつけませんが、お客様のご要望で。
オーダーいただいたお客様らしい個性の光る鞄となりました。





2019年12月3日火曜日

コンビネーション2019 (1)

早いものでもう12月。
今年制作した定番の口枠鞄はたまたまですが全て二色使い。
こちらはバーガンディー(胴部分)とダークグリーン(胴以外パーツ)の
コンビネーション。
ベージュ色のステッチも効いています。
この鞄は長くつくっておりますが初めての組み合わせ。意外な発見。
オーダーいただいたお客様に感謝。
FL46型、金具スターリングシルバー






2019年11月17日日曜日

息抜き半分の旅 2019(4)

ずっと訪ねてみたかったタンナーさん。
イギリスのタンニン鞣しといえばoak bark(樫の木の皮) というのは知ってはいました。
でもそれは昔の話だろうと思っていたのは(少なくともこのタンナーさんでは)大きな間違いでした。この地域の鞣しとしてはRoman(ローマ時代!?)から、この鞣し工場としては150年の歴史があるそうです。

職人であり社長の説明を聞きながら(正確には分からないながら必死)案内される建物や作業場の空気はクリーンで美しく、工場からただようどこか懐かしいような独特な匂いから連想できたのは古い味噌蔵や醤油蔵でした。
「鞣し」と「発酵」は科学的にいえば全く違うものでしょうけれど、「良い生きた菌」がたくさん住んでいるのではないかと体で感じるものがありました。
昔から基本的なことはほとんど変わっていないというシンプルで目に見える工程は、人間が五感を使いながらゆっくりつちかってきたノウハウと歴史とともに、ああ、鞣しとはこういうものなんだと納得させてくれる深いものがありました。
鞣しのエキスパートであった先先代の社長はピットの中のタンニン液の良し悪しをなんと舐めて確かめていたというのもビックリはしましたが、見学を終えればなんとなく頷ける話です。

写真上
一枚づつ棒に吊り下げられ、槽に浸けられる革。
濃度の薄いタンニン槽からだんだん濃い槽に移しながらゆっくり鞣しは進む。
鞄用の革は約3ヶ月、靴底の革は約1年をかけて完成する。

写真中
靴底用に更に硬く仕上げるためのタンニン槽。
靴底用のピットには更にチェスナットの実を包む皮のタンニンが追加される。

写真下
oak bark(樫の木の皮)の山。1年近く寝かしたものを水に浸けてタンニン液は抽出される。







2019年11月10日日曜日

息抜き半分の旅 2019(3)

偶然にも幸運に恵まれて、旅の初日にはロンドン市内のホテルで1日だけ開催される
FRENCH TANNERS EVENT に行くことが出来ました。
フランスの革鞣し屋さん14件ほどが出展するこじんまりした革の展示会で、どのタンナーもそう多くの実物革のサンプルをお持ちになってはいませんでしたが、とても見やすく話も伺いやすく有意義でした。天井高く間接照明だけのヨーロッパならではの重厚な建物の
一室と、隣に続くお部屋では立食で飲み物や、お昼時にはビュッフェ形式の食事も楽しめるような素敵な演出になっていました。
訪ねたことのあるタンナーさんと再会できたり、SNSなどでコンタクトをいただいていた人や、日本でお会いしたことのあるイギリスのシューメイカーのお兄さんにバッタリ会ったり。
そしてそこでお会いできたガンメイカーとガンケースメイカーの紳士のお二人の熱かったこと。特注の狩猟用のガンとそれ専用のケースを誂える職人さんたちでした。お互いの作品の写真を見せ合いながらフジイと意気投合。ここはこうだああだ、これのここのところを見てくれ、お前のコレもなかなかだ などとやりとりも白熱。話の中で、「前と同じものはつくらない。前よりも進歩したものをつくるのがオレの仕事だ」という言葉が聞けたのがなによりの刺激となりました。

本当にたまたまの機会でしたがヨーロッパの微妙なウネリを見た気がしました。
日本でモノつくりをする私たちは自分を取り囲むウネリの中で何を受け入れ、
どう自分のものにしていくのかを感じ考える時代が来ているのでしょう。

写真は革のイベント後に伺った素敵な骨董屋さん。
例によって、慣れない外国でコミュニケーションに必死になっていると資料以外の写真を撮る余裕がほとんどありません。。。




2019年11月3日日曜日

息抜き半分の旅 2019 (2)

旅の日程はかなりタイトなものになり出発前から”体、もつかしら。”と
少し心配でした。
時差ボケに風邪、頭に何重かの幕がかかった状態での日々でしたが、それぞれの
予定が楽しいこと感動的なことで、その瞬間瞬間は疲れを忘れています。
写真は始めてお会いしたにもかかわらず暖かく迎えてくれ、真剣に私たちを知ろうとし、私たちに伝えようとしてくれたイギリスの鞄の職人であり作家の ニールマクレガー、
ヴァレリーマイケルお二人の居間の素敵なコレクションディスプレイと工房の様子です。
具体的に違いがわかるものはこちらからもお持ちしてお見せし、差し上げたり、又
逆に頂いたりもしましたが、私たちが一番知りたいと言うか感じ取りたかったのは
革に対した際の彼らの感覚で、革をどう思っているのか、
彼らにとって革とはどういう存在なのか、それを感じ取りたかったのです。
それによって何十年か続けてきた革の仕事の
新しい何かしらの方向を見つけられたら嬉しいことです。
過去の見たり聞いたり会ったりした経験でかなり違うであろうことは
察していたのですが、作っている人に作っている現場で会う
というのは刺激的なことです。
ああ、やっぱり彼らも私たちと同じように、世界のどこかで革を使ったものつくりを
している人たちに会って話して新しい何かを感じたいと願っている人たちでした。
幸せな、それぞれの瞬間を逃すまいとする必死の時間が過ぎていきます。

半世紀ほどのキャリアを持つお二人は、今回の旅計画のやり取りの中で、
私たちとは長い友達付き合いのフランス人の同業者とそれこそ長い付き合いをしていることがわかりました。
三つのメールが入り乱れて出かける前から驚きワクワクの状態でありました。





2019年11月1日金曜日

息抜き半分の旅 2019

今年の旅はイギリスの革文化の奥深さや粘り強さを突きつけられた旅でした。
又、常々感じていることですが、私達にはっきりとはわかりづらいところもある
革に対する肌感覚の日本人との違いを改めて感じた旅でもありました。
もちろんお会いした方々のほとんどが私たち以上に革にドップリと浸かったような
生活の方達でしたが、、。
(写真はコッツウォルズの美しい小さな村)
本日よりボチボチと仕事をはじめております。




2019年10月20日日曜日

お休みのお知らせ

ちょっと涼しくなり、もう暑かった夏は忘れかけています。
お休みのお知らせをさせて頂きます。
お客様にはご迷惑をおかけいたしますがよろしくお願い申し上げます。

               10月21日(月)より31日(木)     お休みいたします。




Luggage tag

黒のボックスカーフ にバックルをシルバー(925)でご注文いただいたLuggage tagです。
名刺がそのまま入るサイズで美しく取り扱いがしやすいのが特徴です。
こういうヒラッとしたイメージの製品の場合にもボックスカーフ の存在感は
なかなかのものがあります。
丁寧に仕立てることの大切さを感じます。





2019年10月15日火曜日

Long wallet

Fugeeのlong walletは外側の素材をお選びいただけるのはもちろんですが
内側に関しては素材、色のほか仕様も少しですが選択できます。
カードの枚数を2〜6まで、札入れのマチの有無等をお選びいただけます。
カードでのお支払いが増えてきそうな今日この頃ですが
札を折らずに美しく出し入れできるこの長財布は根強くご注文のある商品です。




2019年10月5日土曜日

Coin purse と Small wallet

少々手荒に扱っても長い間気持ちよくお使いになれるものを上品な仕立てで作りたい。
そんな気持ちでお作りしている小銭入れと二つ折り札入れです。
小銭入れは6年前から、札入れは17年前からの定番品です。





2019年9月21日土曜日

Business card case

Fugeeの名刺入れをどんな量が入るものにするかを決めるのは結構大変でした。
薄い繊細なところからスッと名刺が出てくるものが良いという方、
一方で、毎日何十枚とお渡ししなくてはいけないお仕事の方がいたりして、、。
ですから定番を作る時少し悩みました。
定番は、多めの名刺が入り、銀の板(スターリングシルバー)で
頂いた名刺とお渡しする名刺を分けられるようにした、入れ駒縫いのケースに決め
皆様にご愛用いただいております。
カード入れとしてお使いのお客様もいらっしゃいます。
写真の素材は奥からエレファント、ゴート、アリゲーター、ゴート、ロシアンカーフ(復刻)
ぞれぞれに味のあるものができました。





2019年9月14日土曜日

ボックスカーフのハンドバッグ3

黒いハンドバッグの完成図です。
あまり大きすぎない上品さがあり、でも「持ち物はそこそこ入るように」
という条件を満たす大きさとプロポーションを狙いました。
薄めに仕上げた裁ち目のコバや角を強調した形、開閉のときに折り込まれたように見えるマチの動きがシャープでキリリとした印象に一役かっています。
うっすらと水シボの型が押されたボックスカーフ の持つ高貴な質感を感じていただけるものができれば成功!です。






2019年9月8日日曜日

革小物ぞくぞくと

小物ができあがってくると夏の終わりを感じるのが恒例となりつつあります。
出来上がったばかりのたくさんの小物を両手いっぱいに抱えてみたりします。
色も形も違うもの達はそれぞれのテクスチャーの美しさを見せてくれます。
そんな時、一つずつをどう作ったか、作業がよみがえり愛しさはひとしおです。


2019年9月4日水曜日

ボックスカーフ のハンドバッグ 2

口枠はドイツ製の現代物を使用しています。
ずいぶん前に購入し、大切に保管していて時々使っているものです。
アンティークのものよりはすこし華奢ですがハンドバッグにはその軽さが
助かります。
というか、使える現代物はこれ以外見たことがありません。
胴体に襠が付いてこれから縫いとめるところです。
出来上がるとスッとした美しいハンドバッグになります。









2019年8月31日土曜日

ボックスカーフ のハンドバッグ

久しぶりのハンドバッグ制作。
女性らしいキリリと軽やかな上品さを目指して気合が入ります。
既製品の底鋲はサイズ、形状ともにあまり色っぽいとは言えず、
このハンドバッグに合うよう加工したものを使用しました。




2019年8月25日日曜日

細かいパーツの日々

考え方も手先の感じも鞄をつくっている時とは全く違うモードで進める小物づくり。
鞄とは別の面白さがあり大好きですが、そろそろ鞄づくりが恋しくなり始める頃となりました。
実は小物も作るときは鞄と同じで、出来上がった時の質感をどんな感じに持っていくか
を考えるところから始まります。
表の革と裏の革をどのくらいの厚さにして組み合わせるかを決定するのにかなりの時間をかけます。
写真のように部品になった革の種類はバラバラです。
それは同じ革の組み合わせで同じ品物を作ることがほとんどないからで、たいていの場合その革で作る品物はひとつしかありません。
やっぱり、まったく同じものを慣れで作りたくないと言うのが理由です。
さて、もうひとふんばり。








2019年8月11日日曜日

紺色の象革PM40型(2)

実物はそれほどでもないのに写真だと少し派手な鞄に見えます。
でもこの鞄のキリッとしたたたずまいは素敵です。
一つ前の展示販売用のMP40型は茶色のスエードでした。
同じ鞄でも革やその色で随分と雰囲気が変わります。




2019年8月2日金曜日

紺色の象革PM40型

展示販売用の鞄を年に何回か作っております。
今回は紺色の象とバーガンディーのブライドルレザーの組み合わせのPM40型です。
結構悩みどころもあったはずなのに制作途中の写真がほとんどないといういつもの
夢中になると忘れてしまう困ったパターンです。
ハッと気がついて最後のまとめの縫いの途中をかろうじて撮りました。


2019年7月25日木曜日

小物制作の夏

今年も小物の仕込みがはじまっております。
定番小物のご注文分とショウルームの在庫補充分を毎年夏に制作しています。
お客様のご注文分以外にどのくらいつくれるかまだわかりませんが秋口には
並べられると思うのでどうぞおたのしみに!





2019年7月12日金曜日

現在の展示鞄

半年ほど展示販売用がなかった KM39型ですが、やっとショウルームに並びました。
今回は、焦げ茶色のシュリンクカーフに黄色いステッチが映えるスポーティーな印象の鞄となっております。金具はFugeeオリジナル真鍮の角型錠前です。
ご興味をお持ちの方はぜひご覧になってください。
お待ち申し上げております。





2019年7月7日日曜日

雨の季節

「じめじめしたお天気が続いておりますが 7月に入ってはや一週間。」
とか、「今作業しているこの同じ革で以前あれを作ったな」とか、
目の前のことは色々感じ考えることはできるのですが、、。
「今年の初め、どう寒かったのか、、。何を作っていたのか。」
もう何かのきっかけがなくては悲しいかなスッとは思い出すなんてできません。
色々なものが欠落していく自分をつくづく感じるこのごろです。
でも紫陽花を見て綺麗だなと感じ、少し優しい気持ちになれる自分に
ちょっとだけホッとします。



2019年6月23日日曜日

ボックスカーフ のKM39

こちらも最近納品させていただいたKM39型。
ボックスカーフ にFugeeオリジナル真鍮丸錠前です。
そもそもKM39型は「柔らかいシュリンクカーフでハード過ぎないブリーフケースをつくりたい」というコンセプトではじまった形です。
もちろんたびたびボックスカーフ でも作らせていただいております。
革というものはありがたいものできちっとそれに合う仕立てが出来るとその革ごとに独特の表情、質感を見せてくれます。
シボのあるカーフでつくるカジュアルな雰囲気の KM39とはひと味違う
スッキリ、キリッとした仕立ての上品な鞄です。




2019年6月16日日曜日

KM39型と錠前

定番KM39型のシュリンクカーフです。
Fugeeにとってはこの革でこの形でこの鞄を作ったらこうにしかならない、
と言えるほどデザインと仕立てのバランスが絶妙なものです。
ただ、現行のオリジナルの錠前より少し小ぶりなものを取り付けたいと
おっしゃるお客様も多く、なんとかしたいと模索しておりましたがスターリングシルバ製のものが出来上がりました。
落ち着きのあるデザインでKM39にはえる錠前と自負しております。


2019年6月9日日曜日

ちいさな遊び

スタンダードモデルにもかかわらず、長らくショウルームになかったのPNBX型をつくりました。展示用の鞄はつくる時の思いも入れて、ある意味自由に制作します。
錠前はデッドストックの四角い錠前を使いましたが、
素敵なアンティック風になるようにいじることにしました。
先ず、金具のエッジの強かった四隅を削り、柔らかいレトロな印象にしました。
円柱だったツマミの形も丸くなり、鋲の穴も増やし、角張ってイカつい印象だった錠前が形を一新しました。錠前が変わるだけでちょっと違う個性の顔になります。
ちいさな「遊びたい欲求」が満たされてちょっと満足。
実はあるお客様にすぐに見初められて嫁ぎ先が決まってしまいましたが、来年の11月まではショウルームに展示させていただきます。気になる方はどうぞお気軽にご覧になりにいらしてくださいね。






2019年6月2日日曜日

鞄にまつわるストーリー

Fugeeの歴史の中で、一番と言っていい若い方からのご注文の鞄です。
お受けしたのは4年前の春でした。お客さまの方は納期の長さに驚き、私共は彼の年齢にびっくりした覚えがあります。最初にいらした時からこの形の鞄(PNBX型)が欲しいという明確な意思をお持ちで、いろいろお話を伺ううちに彼の人となりにも感銘を受け、お互いの理解が深まるのに時間はかかりませんでした。鞄の色も「赤が好きだから」と、個性の強い色を迷わずスパッと決められるような方はそう多くはいらっしゃらないような気がします。
4年のあいだ、時々訪ねてきてくれては近況をお話してくれるのが楽しみでした。
大人の世代にとってはあっという間の月日も、若い方たちのそれとは時の流れの質が全く違うことと思います。でも納品のとき、嬉しそうに鞄をながめながら、「好みの色が変わらなくてよかった」とつぶやいていたのが印象的でした。
これから社会に出る彼の長い人生に寄り添うもののひとつとして、Fugeeの鞄を選んでくださったことをこころから嬉しく感じるとともに、これからも彼とこの鞄の歩みを陰ながら見つづけることができれば幸せです。