チラッと写真を見ると雑然とカットされた革の部品が少し形になりかかったものになっていく様子がお分かりいただけると思います。
8月、9月は小物作りの時期にしております。
これからいよいよ組み立て、ステッチ、仕上げの工程をへて完成に向かうところです。
小物が全て完成した時には全員集合の写真を撮ろうと思います。
30年ほど前に制作した女性のための小さい鞄です。持ち手の付く棒屋根金具部分の重さに対して、軽さ、柔らかさと繊細さをどこまで追い込めるかを悩んでつくっていたのをよく覚えています。
先日お客さまの S 様 が、中古品サイトで見つけてお買いになったこの鞄を、もしかしたらFugee製ではないでしょうかとお待ちになりました。ご縁があり、ものづくりの友人にかねてから誘って頂いていた掛川二の丸美術館にやっと行くことができました。
現在、特別展として「白の細密工芸ウニコール」が開催されています。鞣されて平面になった動物の革を立体にしていくプロセスをとてもドラマチックに感じられるのがこの仕立てではないかなと思います。よりふくよかに、より丸みを感じるように型紙を工夫し、パッチの下は切り込みを入れて寄せて縫い付けられています。縮ませたいところ、伸ばしたいところは革のほうにも最大限がんばってもらって、この鞄はショルダーバッグにできあがっていきます。