いつも、面白い鞄ができないかと考えています。
数少ない引き出しをさぐりながら。
気をてらったもの、流されるもの、妥協した仕立てのもの、は作るまいと
思っているのですが。
少し前、お客様が定番のショルダーバッグをさげて来て下さいました。
革の、それ自体が本来的に持っている質感、経年変化した時の美しさに、
作った人間でもこれだけ愛おしさを感じるのですから、ご使用になっている方の中には
体の一部のような相棒とおっしゃる方が多いのも頷けます。
いろいろと想いはめぐらしますが、私達の仕事はそんな革のすごいところを邪魔をしないようにきちっと作る。そんなこと以上には出来ないのかも知れません。
今日の作業もすなおにキチッと。邪魔しないように。