2018年7月28日土曜日

ふたつめの FN44型

前回に引き続き、新型FN44型のご紹介。
FM42型のオーダーをいただいておりましたが、多くのファイルをお入れになるということで新型に変更になったお客様の鞄です。
ゆったりとした力強いカーブが特徴のFM42、FL46 に比べて、折りたたまれて内側に入り込む部分をできるだけ少なくなるよう型紙や仕立て方を工夫することで鞄の内側のスペースを大きく確保することを可能としました。硬いファイルをたくさん入れても鞄の真ん中にすんなり入ってズレないようにするための取り外し可能な器具(3枚目の写真)もつくりました。入れたファイルは底にある左右のパッドのあいだに収まり、鞄を動かしても内側に入り込んだ部分の革に当たって擦れることを防ぎます。

ペーパーレス化が進む現代。それによって生まれる新しい鞄の発想もたのしみではありますが、そもそもモノを入れて持ち運ぶ道具としての鞄。働くビジネスマンたちに心地よく寄り添うアイテムとしてご要望がある限り、つくり続けていきたい鞄らしい鞄です。

錠前はお客様のご希望により、お持ち込みになった鞄に付いていたものを使用しています。錠前本体部分はバラして磨き直し、ベロに付く方の金具はこの鞄の雰囲気に合うようなものを自作しました。
ダークネイビーの艶やかな本体にさり気なく主張するメカニカルな錠前。
オーダーならではの鞄となりました。