こちらは前回とは別のT様がお持ちのアイテム。
とても丁寧にお使いになっていただいております。
ご注文頂きお作りしたのが8年前、その後カバンとお揃いの革で小物2点をご注文いただきました。
鞄を作っていておもしろくて難しいのは10年、20年経てご使用いただいた時どんな変化をするかを予測しながら革の状態を見極め仕立てる事です。
新しい革はどれも繊維がしっかりしてキリッとしています。
あっという間に繊維がほぐれる革、柳腰で繰り返しの曲げや受ける荷重に耐える革。
あっという間にほぐれてから使用感のある美しさが続く革、続かない革。
新しい時と全く違う、美しく化ける革、化けない革。
そしてそれを助ける仕立て。
私達にできる事はのそのくらいです。
Fugeeは40年数年毎回そういう事を考えながら、と言うより悩みながら鞄を作ってきました。
今から10年ごが楽しみなこの鞄の場合も張りのないシュリンクレザーに何をどういうふうに裏打ちをするか悩んだのを覚えています。