2024年7月20日土曜日

思わずご説明したくなる

ショウルームの現在のKM39の在庫です。
錠前はオリジナルの角錠前の小を使用。
柔らかめのトロッとした質感の革を使って持ち手をつけたカカエ鞄を作りたい。
そんな思いから20数年前に定番になりました。
その時に思ったのは全体の雰囲気から持ち手周りはいわゆるゴツいものにはしない。
それでも少なくとも20年くらいの期間は美しく使用できるものでなくてはならない。
そんなわけで私達が思いつく限りのアイデアを詰めました。
鞄は自分の子供のようなものですからできればそうして欲しくありませんがよっぽど荒い扱いをなさっても持ち手と持ち手周りは壊れません。
その他にもお伝えしたい事がたくさんある鞄です。
もしお立ち寄りいただける機会があるようでしたらぜひ御説明させて頂ければと思います。
(鞄は説明より実物を見て感じて頂く方が良いのはわかっているのですが私達がこだわって時間をかけてやっている事は鞄の表に具体的な形では現れないものが多いので思わずご説明したいと思ったりします。)




2024年7月13日土曜日

つくる者の責任

革にしろ布にしろ木にしろその他の色々な何かを作るための素材にはそれぞれの特質があるのは当然です。それは美しさだったり、しなやかさだったり、強さだったり。
作り手はそれらに魅了され形をつくり上げていきます。
しかしその素材の最も大切な本質として「弱さ」というものもそれらと同列にあります。
素材としての弱さを隠さない、隠せないもの、、私達が使う革はそういう素材です。
何年も使われた鞄に心打たれたり愛おしさを感じたりするのは、よく経年変化という
言葉でその様子をくくりますが、それは革の強さやしなやかさがますます見える部分と日々の引っ張りや繰り返しの曲げにより疲労が見えるものが共にあるという事だと思います。
仕立てをする者はただただ形にするだけなぞという事は決してするべきではありません。
日々使用されている鞄の革のいろいろな意味での美しさを「もし少しでも引き出せる事ができたら、、」という仕立てを工夫しなくてはいけないと考えます。





2024年6月30日日曜日

女性のための小さめのハンドバッグ

女性のための小ぶりなハンドバッグです。枠はオーダーごとに曲げてつくっています。
持ち手部分の金具、錠前は、これまでメンズ鞄に使用している物を削ったり、
その鞄用に一つだけ作ったりしてきたのですが、Fugeeが作るハンドバッグの質感を追ったらこうなりますという金具を作りました。
少し華奢めで上品な雰囲気に仕上がったと思います。









 

2024年6月22日土曜日

ピッグスキンのテクスチャー2

 こちらの鞄に使用している革はピッグスキンの型押しをしたイギリスのブライドルレザーです。馬の鞍用の革なので、通常のブライドルよりもロウが多めで張りがあります。少し重めですが、一枚で仕立てるこちらの鞄にはぴったりです。つるっとした通常のブライドルも好きですが、ちょっとした凹凸のあるテクスチャーがあることにより曲面の表情に変化が生まれて魅力的です。定番になりつつあるこの鞄ですが、少しだけ小さいバージョンを只今製作中です。






2024年6月5日水曜日

ピッグスキンのテクスチャー

 魅力的なキリッとした豚は最近なかなか目にしません。
スターリングシルバーと合わせたこのKM39はシュリンクレザーで作るそれとは
全く違う表情を見せてくれました。
うっとりする美しい鞄です。
鞄の質感はある程度は思いを込めて狙うものですがやはり何と言っても
その革の持っている本質的な表情は素晴らしく、
その範囲を超えるなぞということはしないし出来ないし良くはならないものです。
やっている事は恐る恐る革に尋ねるという方が正しいかもしれません。






2024年5月26日日曜日

最近の仕事から

今ではもうほとんど残っていない昔の日本の山羊革、茶利八方で本体を、
金具をスターリングシルバーでダレスバッグを作らせていただきました。
迫力のある表情を持った革ですが仕上がったものは非常に上品な鞄になります。
今の時代の柔らかくて軽く何でも入れられるトートバッグをビジネスに使うというのと
真逆をいく鞄です。




2024年5月13日月曜日

最近の仕事から

定番のFL46、ブライドルレザーの二色使いです。
一つは黒の胴にグリーンの付属部品で金具はスターリングシルバー。
もう一つはネイビーの胴に黒の付属、金具はブラスです。
それぞれ、ご注文頂いたお客様の個性がひかる鞄です。