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2026年8月27日木曜日

夏のしごと

 今年の夏も小物の制作に勤しんでおります。
一年間、ご希望の色やご希望の革でご注文いただいていた小物達をおつくりしています。
同じ革で同じものというのはほとんどないので、ひとつひとつ仕立ての管理をしながら
表現の方法を変化させます。
鞄とはまた違う、愉しい小さなワールドに突き進みます。
小物は、オーダー以外に、展示してそのままお売りするための物も作ります。
その時の革はFugeeの皆が選んだモノを使います。










2026年7月16日木曜日

アーチフレームのダレスバッグ

 鞄にはそれぞれ形状の美しさがあって、素材の革もそれぞれに美しい質感だったり
経年変化の可能性をを持っています。
作り手は革の性格やクオリティを知ることが必要だと思いますが、
作業をする時のエネルギーはこれから作っていく鞄に対する思いです。
ひとりよがりな事をせず素直に丁寧に、なんとか革の質感を壊さないよう
作業ができたらいいのにな。と切実に思います。
フレームがアーチになったダレスバッグを革はブライドルレザー、
金具はスターリングシルバーでご注文いただきました。












2026年5月10日日曜日

墨色の濃淡

革それぞれが持つ質感と色。
艶があったりマットだったり、動物の違いによるシボの出かたもいろいろ。
鞣しによる張りや硬さ、厚みもいろいろ。
それぞれの魅力がより引き立つ組み合わせを探るのはドキドキする作業です。
そしてそれぞれの革の魅力が最大限引き出せるよう細かい仕立ての微調整をするのは
もっとワクワクする作業です。
何十年も続けてきた効率を求めないFugeeの鞄づくりの自由度は無限大です。





2026年4月23日木曜日

翻訳本「脱成長の方法」

 
この本は哲学書とか教育書の分野に入るものだと思いますが、一鞄屋の私にとっても
「君のもの作りはそれでいいのか?」と突き付けられるような本でした。
考えさせられる点はたくさんありましたが
今の世の中のもの作りがお金を基準に動いてしまう不毛にも問題提起をしています。
そしてそれが全て著者の実際の経験をもとに書かれています。
私の理解を超えた部分もありましたが、嬉しいことにデザインという言葉の考え方
が私と全く一致したものでした。又「Maggie」という少女とのエピソードでは
彼が考える「ものを作る喜びというのはどういうものなのか」という
本質を見せられ涙が出るくらい感動しました。
素晴らしい本です。著者のカパスワイトさんと日本語訳をした林さんには
尊敬の念を禁じ得ません。
これからこの本は私の横にいて時々励まし叱ってくれるものと思います。








2026年4月15日水曜日

4月のアトリエから

やっと 春になったと思ったら一気に夏に向かいそうで怖いですが、気持ちの良い気候を楽しみながらモリモリ(?)シゴトもしております。
へへへ、、何でもやるから面白い。






2026年1月22日木曜日

懐かしのスクラップブック

もう40年以上も前に捨てられていたスクラップブックです。
その写真に魅せられて拾い取っておいたものが久しぶりに出てきました。
今でも胸がときめく写真です。
鞄を作りはじめて半世紀にもうすぐなりますが今思うことは
「恐れることは全くないどんな鞄も必ずできる。
でも出来上がった鞄にしがみ付いちゃいけない、できることなら捨てる」
ということです。
「しがみ付くものづくりが多すぎる」
と感じます。
何年もやった人は今、全部ゼロにして初めて素材に触れた時に戻ってやったことのない物、やったことのないやり方だけを探ってつくるのがいいと思う。
その先に広がる未知のもの、ドキドキしませんか。
本当にクオリティーの高いものを作ろうと思ったら毎回そうですけどね。




2026年1月8日木曜日

早すぎる開花

 2026年を迎え、七草の日も過ぎてしまいましたが元気に仕事をしております。
遅ればせながら、今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
12月半ばからほころび始めた庭の梅の花が年末からチラホラ咲き始め、
2階にあるFugeeのアトリエから見える木のてっぺんの方はもうすぐ満開になりそうな気配です。アトリエをここに引っ越してから、こんなに早い開花は初めてのことでびっくりしています。温暖化が進んでいるということでしょうか。いずれにせよ、この老木の梅の健康を祈るばかりです。
イギリスの鞄屋の友人が一昨年訪ねてくれた時にお土産でくださった花瓶(彼らの友人のイギリスの陶芸家さん作)にひと枝差して鞄の隣に置いたとたんパワフルなオーラが。






2025年11月30日日曜日

師走の楽しみ

早いもので明日から師走。
そんなことをする時間があったら鞄を作れと言われそうですが
柿大好きFugeeが作る百目ガキを使った干し柿です。
いつ取りこむかで毎年一揉めありますが、今朝で完成としました。
大きな渋柿が凝縮してねっとりした甘い甘いお菓子になります。





 

2025年11月25日火曜日

自分の制作方法に疑問を感じる

何度か書かせて頂きましたが、鞄は全体のバランスが大切なものです。しかしそれは形としてのバランスや色合いのバランスだけの事ではありません。革自体、他の素材とは比べものにならないくらいそれぞれたくさんの表情をもっています。その表情を壊さないようかつ耐久性を担保してバランスよく鞄を作らなければなりません。
ですから革によって毎回やり方を変えることは当然です。
ルーティーンで作業をするのはよくありません。
最先端の方法を見つけたと思っていても世間的に常識となっているやり方だと思っていても自分の制作方法はいつも疑ってベストを求めて進めていくべきだと思います。
写真は口枠書類鞄の裏の制作過程で、これも毎回方法を悩む工程です。






 

2025年10月31日金曜日

パーツパーツパーツテストテストテスト

たくさんのパーツと部分試作の数々・・・
プロポーション、型紙の良し悪し、革の質感、強度、全体のバランス・・・
なにをどこからクリアにしていけばいいか。
セオリーはありません。
イメージする鞄に向かって、モヤモヤはっきり見えない部分をただただ地道に解決していくだけ。近道より遠回りする事の方が多かったりもしますが、
目標に向かった地道な作業の結果に裏切られたことはありません。





2025年9月10日水曜日

美しいもの

美しいものを作りたい。
つくり手は常にそう思うのかもしれません。
一つの品物それぞれを必ず手塩にかけて作る。
それを何十年も緊張の糸を緩める事なく続けている。
さらに、今の自分の技術や方法に常に疑いを持ち続けている事も大切なこと。
そういう工房は少ないかもしれません。
Fugeeの品物にトッピなところはありません。
普通に当たり前のようにそこにあります。
しかしつくっている自分達がいうのも変ですが美しいです。
私たちは自分達の中の完成度を目指します。
昨日と今日とではやり方も、考え方も変わります。
どうってことのない美しいものをどうぞ見にいらしてください。




2025年8月30日土曜日

8月のおわり

気づけば8月もあと1日を残すばかり。
今年は早めに仕込みをはじめたこともあり、いつもは9月にずれ込むことの多い小物づくりがほぼ完成しほっとしているFugeeです。
でも作業に邁進しすぎたため(?)か、梅の土用干しのタイミングを逃してしまったのが心残り。昨日も今日も暑いので、干してもいいような気がしますが、気持ちはすっかり秋なので梅しごとのテンションではありません。来年干そうと心に誓っているところです。
暑くてもわっさわっさ元気に咲く庭の百日紅。
部屋に入れるとあまり綺麗に見えないけれどエネルギーをもらえます。



2025年8月12日火曜日

夏のしごと

チラッと写真を見ると雑然とカットされた革の部品が少し形になりかかったものになっていく様子がお分かりいただけると思います。
8月、9月は小物作りの時期にしております。
これからいよいよ組み立て、ステッチ、仕上げの工程をへて完成に向かうところです。
小物が全て完成した時には全員集合の写真を撮ろうと思います。





 

2025年6月19日木曜日

6月のしごと

 アトリエの窓から見える古い梅の木に付いた実の成長は春からとても楽しみでした。
今年の収穫は2日に渡り、トータルなんと20キロ超え!
梅仕事は増えますが、日々の暮らしに季節の風が吹くのは気持ちの良いことです。
そして日々アトリエにこもるFugeeの職人にも夏の遊びのお誘いなんかも
少しですが舞い込んできたりしています。大はしゃぎで遊ぶなんて疲れることはできませんがそれなりに夏を楽しもうと思っております。
もちろんですが、本業の鞄づくりのほうも頑張っております。            






2025年5月26日月曜日

こんな時代こそしっかりした革の出番

随分と大げさな見出しですが、、。
コロナ以降電車内では頭を下げて携帯に入り込む方が増えたと言うより
ほとんどの方が携帯に沈み込んでいると言ってもよいでしょう。
これはスーツを着る男性がパッタリと少なくなったのと同期しているように思えます。
ノーネクタイの装いがほとんどとなり靴はスニーカー鞄はトートバッグをお持ちで軽さを追求した柔らかい質感のものが主流になりました。
長い使用により美しい質感を出せるような丈夫な鞄を作ろうとして、
時には4mmもの厚さの革を使うこともある私どもは時代に逆行しているのかもしれません。
でも時代の流れと同じ方向を向いた画一的なものづくりは面白くありません。
Fugeeはこれからも共感していただける方がいらっしゃるかぎり
持ち味を出したものづくりをしていこうと思っております。




2025年4月30日水曜日

鞄のクオリティー

鞄屋Fugeeは四十数年になります。
その間ほとんど外部の同業者との接触はありませんでした。
おかげでどなたの影響も受けること無く好き勝手なものつくりをすることが出来たのは
とても良かったと思っております。
あえて言えば師と言えるのはいくつかのアンティークの鞄、
初期の頃はバラすことが勉強でした。
そして心がけているのは、今作るものはその作制方法はどんなものでも良いので昨日作ったものより必ずクオリティの高いものであるということです。
私が思うには技術なぞという固定されたものを振り回していては自分のベストを作るのは無理で逆にそれを捨てて、できればマッサラになって新しい方法や見方を模索していないと出来たもののクオリティーは劣化こそすれ進歩はありえないのです。
写真は大好きなアタッシェケースの制作です。






















2025年4月8日火曜日

春爛漫

長いこと掛かりっきりだった大きな鞄の制作が終わり、ホッとしているFugeeです。
必死でつくっているものが出来上がると、つくり手側のわれわれは魂が抜け出たようにぐったりしてしまいますが、逆に鞄のほうは命を帯び、その鞄としての時を刻みはじめるのを感じます。
いつのまにか季節はどんどん進み、お庭も春爛漫。
アトリエから見える古い梅の木が付けた実、今年ほど量も大きさも立派なときはあっただろうか。このまま順調に育ちますように!!






2025年2月20日木曜日

掛川二の丸美術館

ご縁があり、ものづくりの友人にかねてから誘って頂いていた掛川二の丸美術館にやっと行くことができました。

現在、特別展として「白の細密工芸ウニコール」が開催されています。
もともと喫煙具のコレクションで有名な二の丸美術館ですが、特別展にもたくさんの秀逸な煙草入れの展示がされています。
煙草入れとは、江戸時代から明治時代に主につくられていたもので、キセルを入れるための筒、帯に引っかかるための根付け、煙草の葉を入れるための袋、などで構成されていますが、素材も専門技術も多岐にわたります。
我々は鞄の仕立て屋なので、どうしても革を使用した「袋」といわれる煙草入れの本体に目がいってしまいます。現代の我々がつくっている「鞄」というものは明治時代に西洋から入ってきた革鞣しをベースとした技術で生産される革で出来ており、西洋化された生活の中で洋服を着て持つためのアイテムです。明治以前の日本人の暮らしや感覚は、絵画、文献、小説や映画などから想像するしかありませんが、革の鞣しやそれらを使った仕立ての技術に関してはほとんど資料がないといってもいいのが現実です。
西洋ベースのいわゆる「鞄」はアンティークの素晴らしいものを見ても仕立てが予想もつかないということは正直あまりありません。しかし、革の煙草入れたちの中には、何十年も革を触ってきた我々の想像を超える摩訶不思議なつくりのものがたくさんあるのです。
どんな道具を使ってそこまで細かい細工が可能なのか。拡大鏡でも見えないほど小さいピッチで掬って切れない当時の革とはいったいどんなものなのか。そんなに細くて堅牢な針が存在したのか。。。疑問は尽きません。

それにしてもいちばんの刺激は、「効率」とか「つくりやすさ」などというものを微塵も感じさせない、というよりむしろその全く逆に向かいながら精緻な表現の高みを追求するものづくりの世界がビシビシと伝わってくることです。
脳みそのつかい方や時間の流れかたも現代とはまったく違うような気さえします。

革を扱う人以外にも、布を扱う人、金工をする人、漆を扱う人、竹を編む人、角を彫る人、、、、、
それぞれのものづくりに携わる多くのひとたちに感じていただける何かがあるはずです。

高級な品であったのは確かですが、神様や高貴な方に献上するような美術品とは違い、装身具のひとつである根付けや煙草入れといった、手の中で愛でられる身近なものであるからか、当時のつくりての息遣いも生々しく感じられるようにおもいました。

限界のない自由で厳しいものづくりの大宇宙は現代のわたしたちのまわりにも無限に広がっているはずなのだ!という想いを胸に、掛川城が美しく映える夕方の空を仰ぎ興奮しながら美術館をあとにしたのでした。













2025年1月3日金曜日

新春2025今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます

あけましておめでとうございます。
18年過ごした渋谷からここ要町に移ってあっという間に12年に、、。
お正月のお気に入りのお飾りを玄関のミシンの上に今年も飾りました。
ずうっと同じものでは、、と思い暮れに新たなものを求めて駒場東大前まで行ったのですが
やはりこれが一番素敵と感じ今年もこれです。
お飾りをそんなふうに選ぶなんてと叱られそうですが空を飛んでいるUFOのような
ゆるさがFugeeにはピッタリの気がします。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。



2024年10月6日日曜日

大好きな棒屋根鞄

大好きな棒屋根鞄の作成です。
今回はお客さまご希望の少々小振りのアンティークの枠を使用した棒屋根です。
上の写真が古い手に入れたままの鞄で、下はフレームや金具等をきれいにしてもう一度
デザイン、設計をやり直して完成した鞄です。
何回かで出来上がりまでの工程をお見せしたいと思います。