2015年2月28日土曜日

大好きな鞄達 (1)

忘れられない大好きな鞄達を時々ご紹介しようと思います。
この鞄は日本語では「棒屋根」と言います。
英語では「Gladstone-bag」と言うようです。
日本で「大割れ」という鞄もこのGladstoneの名がついている事もあります。
この鞄はイギリス製のボロボロのアンティークバッグからフレーム、錠前をはずし
手入れをして長いこと保存しておいたものを使って作らせて頂きました。
革はカールフロイデンベルグのボックスカーフを使用しています。
イギリスのほとんどのこの鞄はタンニン鞣しの硬い革で作られる事が多く、
それがいい所だったりもしますが、少し荒い感じのものが多い様です
ボックスカーフで繊細に作ることへの挑戦だった私にとっては
難しくやりがいのある鞄の一つでした。
注文主は万年質の専門店フルハルターの森山さんです。
棒屋根鞄への思いを共有させて頂き、この革をお見せしたときの
森山さんの目の輝きを忘れられません。



2015年2月20日金曜日

アイデア出し

毎日革と鞄の作りばかり考えていると当然その動きとか詳細は瞬時に
頭に浮かぶようになります。
先日お客様でもあり友人でもある画家のT氏がお出でになり、
「約束の時間までの暇つぶしに次の鞄の構想を考えていた。」
と見せて頂いたのがこの写真の絵です。
ものを観察するのがお仕事のようなT氏は、当然かも知れませんが
達が日々悩んでいるからわかるような鞄の部分を当たり前のように描きます。
まったく異なる視点の方とのアイデア出しは今までに自分たちの中に無かった
広がりも感じさせてくれる楽しいものでした。

さあてっと、どう作りましょうか、、、。


2015年2月15日日曜日

小さな鞄

お財布の機能もついた「小さな鞄」という認識でつくらせていただきました。
めずらしいフルオーダー品です。


2015年2月9日月曜日

実は定番の柔らかいボストンバッグ

ホームページにはのっていないのですが、4年ほど前から定番化したかたちです。
今は亡き、俳優の三國連太郎さんが最後に頼んでくださった鞄がベースになっています。
持つのが苦にならない、なるべく軽い旅行用のバッグが欲しいとのご依頼でした。
三國さんには、「軽さ」を最重要視し、柔らかく質感の良いカーフでたためるくらいソフトなものをおつくりしました。
軽く柔らかい鞄といっても、力のかかる部分(持ち手とその取り付け部分、底)は
しっかり強度を持たせてあります。ソフトな胴体部分と強度を持たせる硬い部分を違和感なく共存させることにいちばん気を使いました。

口枠や厚い革をつかったクラシックな、「鞄らしい鞄」が好きでつくり続けておりますが、現代ならではのニーズの、軽さを意識したソフトなものに挑戦するきっかけになった
鞄です。
写真の鞄は何年か前の春に、店頭に置くためにつくったものですが、一目惚れされたお客様がいらっしゃって、すぐに嫁いでいきました。


2015年2月4日水曜日

立春大吉

今日は立春。まだ小さいですが、梅の実もしっかり膨らんできました。

以前、お客様から「立春大吉」という言葉から始まる素敵なお葉書をいただいたことを
おもいだします。
清々しいキッパリした響きの四文字は、明るい未来を感じさせ、
何故か、派手にではなく、密かに胸が躍ります。




2015年2月2日月曜日

試してみないと、、

これもある意味手縫いの可能性でしょうか。
1cmほどの厚さをそっと手縫いします。
いろいろな事が微妙に影響しあいます。
なかなかベストは見つかりませんが
いくつかを試してこの方法になりました。