2021年9月17日金曜日

お仕事づかいのトートバッグ

ご注文いただきましたのはキリッとした、同時に柔らかさ優しさを感じさせてくれる女性です。「書類と、時にはパソコンも入れて仕事に使うためのトート」というお題をいただき制作したものです。
柔らかい雰囲気をできるだけ残しつつも、ハードな荷物を入れても安心感のある質感にもっていくために、型紙の調整と質感のテストに時間をかけました。
同じような鞄でもどこに標準を当てて落としどころをどう掴むかでまったく違うものとなってしまうのが怖いところでもあり、おもしろいところでもあります。とくにトートバッグはそこが難しい鞄だといつも感じます。
コロナ渦のために鞄は発送することとなりお会いできなかったのはとても残念でしたが、お持ちになったお姿の写真を送っていただきました。鞄を持った素敵な笑顔の立ち姿を拝見できて幸せです。








 

2021年9月9日木曜日

もう秋!?

夏の小物制作はいまのところ予定どうりに進んでいるのに、妙に焦るのは、9月に入って急にぐっと涼しくなっていきなり「秋!」な日々になってしまったからでしょうか。
毎年の小物制作といえば、夏の日差しを浴びながら汗をかきかき・・・のイメージがからだに染み付いているので、だいぶ拍子抜けしています。
それにしてももう少し夏のなごりを感じていたかったなあ。。




 

2021年8月31日火曜日

籠型鞄 ディディール

 分厚いブライドルレザーをそのまま使った裏地のないざっくりした仕立てだけに、持ち手と真鍮のトグルが大きなアクセントになっています。
展示用につくったヌメはすぐに売約済みとなってしまいましたが、次につくる予定のときまではショウルームにございますので、ご興味のある方はどうぞお気軽に見にいらしてください。









2021年8月26日木曜日

籠型鞄 ふたたび

籠をモチーフにした大きなトートバッグです。
2014年のReal Bespoke 展の折につくった鞄で、もういちど見たいという声も多くいただいていましたがなかなか時間が取れず実現できずにおりました。
焦げ茶色でオーダーをいただいていたものをお仕立てする際に、展示用のものも一つ作ることができました。シンプルな仕立てですが、分厚い革を立体にしていく過程はとてもダイナミックでつくり手としてもドキドキ、テンションの上がる鞄です。
何かと暗い話題の多い昨今ですが、日々の生活を豊かにたのしむための日常づかいに、
こんな鞄はいかがでしょう。








 

2021年8月18日水曜日

断面がまんまる

 丸芯のまわりに表の革を巻いて縫い込む持ち手には大抵の場合、縫い目から先に縫い代部分のトサカがついているのが普通です。
でもこの持ち手には突起はなく断面がまんまるになるようにつくりが工夫してあります。
昔見せてもらったことのあるフランスの古い馬具の丸紐を再現しました。馬の身体に少しでも優しく当たるように考えられていたと思われます。
ゴツイ鞄に取り付けるための短く太い2本の持ち手はやっぱりツルッとしていたほうがしっくりきます。





2021年8月10日火曜日

気がつけば・・・

 気付けば8月もなんと半ばに入ろうというところ。
パソコンの調子がわるいこともあり、写真を取り込んだりちょっとした操作がなんとなくおっくうになりがちな夏をすごしています。
本業のほうは7月のフルオーダーの鞄に目処がつき、毎年恒例の小物制作にやっとシフトしつつあるところです。
写真は先月の鞄のボックスカーフを裁断中のもの。90年代にパリから担いでかえってきた革なので思い出深くて写真をとりました。なんともいえない落ち着いた赤。顔料が薄く透明感があってとても綺麗。綺麗なだけでなくむっちりした張りもあり革としての底力も感じられる。こういう質感の革は最近は見かけないなあ。最後の一枚を素敵な鞄に出来て幸せです。
ああ、裁断前の革の写真も撮っておくんだった〜。鞄の写真ももちろん撮り忘れないようにしないと!



2021年7月31日土曜日

クロコダイルの時計ケース(6)

ケースが完成して時計をセットさせていただきました。
奥の蓋のついた箱のようなものはリング等小物を収納しておく為のものです。
又、時計のベルトも同じクロコで作らせて頂きました。
(時計ベルトは現在はご注文をお受けしておりません)
立体を美しく表現できる手縫いという方法に改めて感謝したい思いです。


 


2021年7月24日土曜日

クロコダイルの時計ケース (5)

本体のステッチは手縫い独特の入れ駒という縫い方をしておりますが
入れ駒でも特別ストロークの長いものでまとめています。
金具はスターリングシルバーを使用しました。
蓋の上は角材を折り曲げロウ付け、つまみ部分は平板を曲げてカット穴あけ、
つまみを差し込む球状のギボシは特別にお願いして旋盤で挽いて頂きました。
クロコのベルトのテンションで蓋がロックされます。
もちろんベルトは伸びていかない工夫をしてあります。
ロックのつまみ部分にふっくら膨らましたクロコを縫い付け完成です。









2021年7月14日水曜日

クロコダイルの時計ケース (4)

外側が完成に近づいてきました。
作業過程の面白いところを少ない写真でわかりやすく正確にお知らせするのは難しいです
どんなものもそうだと思いますが、緻密で美しくて、耐久性や外的な力から耐えるよう
作るのは大変です。
あれこれ山のような問題をあーだこーだとさんざん考え、絵を描いたり部分のあり方を
いろいろな方法で試し、絵にして又試し、さらに又悩みます。
大筋が決まったら図面を描き試作、テストピースを作り微調整、、。
本作が始まりじわじわと形になって全体の形を表してきます。
胸のドキドキもじょじょに激しくなっていきます。
うまくいく部分もダメな部分もまあまあな部分も悔しい部分も色々現れます。
楽しいですね。
出来上がるまでは自分の手の中でなんでもありの作業、
表に出すまでは途中がどんなものであろうと自分だけの世界です。 






 
       
          







 

2021年7月7日水曜日

クロコダイルの時計ケース (3)

よく「仕事は段取りが9割」と言われますがこれは特にその傾向がつよいケースです。
図面検討から始まって、外からの力に耐えるよう仕立てをどう工夫するか。
クロコの斑をどんな具合に合わせるか。
ぐるっと輪になったケースの胴部をどう処理するか。
それらを綿密に決めてから作業に入ります。


 

2021年6月27日日曜日

クロコダイルの時計ケース (2)

 骨董品でもたまに馬蹄形のケースを見る事があります。
丸い形は力の配分がバランス良く安定して蓋と胴とのハメ合いに最適です。
難点は開閉のための蝶番を曲面では作りづらい事です。
ですから前の方が丸い形で後ろは直線であることががこの種類のケースに
最適な形状になります。







2021年6月20日日曜日

クロコダイルの時計ケース (1)

以前展覧会のおり展示品の一つとしてクロコの馬蹄型小物ケースをつくりました。
それをご覧になられたお客様からそのケースをベースにした
ご自分の大切な時計を入れるケースをというご注文をいただきました。
革はダークグリーンのクロコを使います。




         

                                 





2021年6月11日金曜日

憧れのカバン(2)

鞄が開くところをお見せいたします。
どうも金具に書いてある文字からドイツのもののようです。
こういう面白いものは色々な分野で見られるものなのでしょうが
思わずニヤっとするような機構を鞄にもつくった昔の人に敬意を評したいです。







2021年6月5日土曜日

憧れのカバン(1)

40年以上鞄作りにたずさわっていると色々なことがおきるものです。
鞄を始めたころエース(大手の鞄の会社)の「鞄の博物館」に毎週のように通っていて、
持ち手もその周辺の金具も美しい鞄を見つけ、憧れるように毎回見入っておりました。
ところが先日何気なしにインターネットを開くと本体の部分は博物館のものとは
違いこそすれまさに同じ金具を使用した鞄を見つけました。
手に入れられるとのことでさっそく購入し数日前に届きました。
もちろんアンティークのめずらしいものです。
あまりに嬉しいので皆様にもお見せしたいと思います。
持ち手の真ん中に鍵穴があります。
アット驚く開き方をする鞄なんです。



 


2021年5月27日木曜日

なんて自由

 イギリスのアンティーク鞄の持ち手と持ち手の座です。
持ち手を長めに作って取り付け金具を少し離し気味に付けるようになると
鞄を持ち上げた時の引っ張る力は金枠の真上にではなく持ち手の中心に向かって
ななめに掛かっていきます。
この鞄の場合はそういう持ち手が取り付けやすいように金具が
面白い形で作られています。
回転軸にはこじる力が掛かるので合理的かどうかはわかりませんが
なんとも気持ちがわかる作りなのです。
ちょっと愛おしさ感じるアンティークです。



2021年5月18日火曜日

新緑の季節

緑が美しい季節です。
人間界はコロナ渦でたいへんですが、自然のいとなみや動物たちのようすはなにも変わってないようにおもいます。
あまり外に出ない鞄屋のくらしも、世間とはすこしかけ離れているかもしれません。
写真は現在の展示用鞄 きれいなグリーンのPNBX型のショルダーバッグ、椿の若葉と咲きはじめのどくだみの花。









2021年5月9日日曜日

紳士のための小さな口枠鞄

鞄のプロポーションはお持ちになる方を想いながら基本的なところは図面の段階で
さらに試作の段階で詳細を決めていきます。
金具はご希望でスターリングシルバーを使用しました。
お客様がもたれる所を想像しただけでドキドキします。
男性が身の回りのものを入れて素敵に移動する時の鞄が流行を追ったトートバッグやブリーフケース、ファスナーのセカンドバッグだけということはないでしょう。
仕立ての良いキリッとした小ぶりの手提げの鞄は口枠物に限らず
いくつか思い浮かびますがどれもお勧めできる鞄です。
和装にも合います。




 

2021年4月30日金曜日

ちからしごと

 少しお見苦しい写真ですが3mm厚、15mm幅の口枠を曲げているところです。
原始的に見えますが曲げたときのアールの戻り、伸び、縮み等を幾度か同じ動作でテストをしてから本番の曲げです。
左右ともぴったり同じになるよう図面に金具を乗せて合いを確認しながら進めます。
今回の作業は比較的容易な枠作りでした。
Fugeeのものの作り方は「なんとかする」、そしてその方法をじぶんたちでできる最大限の範囲で徹底的に探るところから始まります。
ですから自分の手で作れるものは何でも作ります。
作ることが無理な金具は図面を描いて、口で説明して作っていただきます。
革に関しても毎回同じです。
つまり金具も含めてルーティーンで作業をしていくようなつまらないつくりかたはしないことにしています。
そして細部に目が届かなかったり、全体を見ないで細部しか見ていないような鞄にならないよう気をつけなくてはいけません。






2021年4月25日日曜日

よこ顔

お面のようですが鞄の横顔です。
素材によって、作る鞄によってこうしたクセ付けのようなものは
したりしなかったりです。
場合によりますが張りのある革が折り曲げられて自然にできたような形を
表したい時にはクセつけはあまりしません。
これはカバンを閉じた時に両サイドにできる刳り(クリ)の形の確認です。



2021年4月17日土曜日

もちて

鞄の顔をきめる重要な要素のひとつである持ち手。
つくるときはいつも緊張というか気合いをいれます。
フルオーダーなどのひとつしか制作しない鞄の場合、1分の1の図面に描いたものを見ながら型紙を起こし厚みを決め、テーパー具合をチェックしながら芯を削ります。芯である盛り上げはなめらかにフェイドアウトし、縫い絞ったときに不自然な凸凹ができないように細心の注意をはらいます。この持ち手のつく鞄はドレッシーで繊細な小さめの口枠鞄なので、あまり主張しすぎずに、すっと目になじむような上品なものができたら成功です。







2021年4月9日金曜日

シンプルな抱え鞄

普通の鞄ですが悩みになやんだプロポーションなんです。
お客様のご希望で定番のBK41型のベルトを外したものをお作りする事に
なりました。
しかしBK41型は鞄の両サイドにベルトがあるため少し横長に、
フラップも若干短く作ってあります。
図面での検討から形状のテストを経てなんとか本作にいたりました。
少しなにかを間違えると間抜けに見えます。
シンプルって奥が深いです。





2021年3月30日火曜日

山桜

一週間ほど前にこんな可愛い山桜をいただきました。
マンションの庭の大きな木が根腐れしてしまって切り倒されたようです。
友人の奥さんは長く咲いてくれた桜を名残惜しく思い、
現場の植木屋さんに枝を沢山いただき大きなバケツに水をはり
入り口に「ご自由にどうぞ」とかいたそうです。
それはあっというまになくなりもう1束いただきバケツに刺したということ。
桜もお話もほっこりさせられました。
仕事に追われ疲れぎみのFugeeは花を見ることも考えず3月を終えるところでした。


2021年3月17日水曜日

紳士のための小さな口枠鞄 2

昔のヨーロッパを描いた挿絵の中に身なりのいい紳士が汽車のステップに片足を掛け
今まさに乗り込むというのがありました。
その時紳士が持っていたのがこの鞄に似たようなイメージのものでした。
女性で言えばハンドバッグです。
こちらをご注文頂いたのはスーツをお召しにならないかたです。
体に合わせてハンドバッグよりは少し大きめのものですがこの鞄を持つということが
その方全体のイメージやスタイルを決める大切なアイテムになります。
とんがらずに上品でソフトそして大切なのはキリッと丁寧な仕立てです。