2024年10月6日日曜日

大好きな棒屋根鞄

大好きな棒屋根鞄の作成です。
今回はお客さまご希望の少々小振りのアンティークの枠を使用した棒屋根です。
上の写真が古い手に入れたままの鞄で、下はフレームや金具等をきれいにしてもう一度
デザイン、設計をやり直して完成した鞄です。
何回かで出来上がりまでの工程をお見せしたいと思います。







2024年9月20日金曜日

夏の終わり

もうすぐ秋分の日だというのに暑い日が続いておりますが、今週末からいよいよぐっと気温も下がるとか 。
Fugeeでも、毎年夏恒例の小物制作期間がなんとか終わります。
徐々にお渡しが終わった物もありますが、ご主人のお出でを待っているものが
束の間展示スペースを占領しております。
楽しかった細かいテクニックを考える時間は終わり次は大胆な考えや捉え方が要求される鞄が待っております。



2024年9月7日土曜日

籠型鞄

定番になりました。
ブライドルレザーで作られたカゴバッグは質感の良さに魅せられたお客様のご注文を
頂くようになりました。女性のお客様で持たれたいとのご要望がありその方用に少しだけサイズを小さくしたものも作るようにしました。
ブライドルの重厚感をそのままで、サイズを小振りにすれば軽量化もねらえるか、、。
少し軽くなりました。それでも世の中のトートバッグと比べたら重いのですが。








 

2024年8月24日土曜日

この持ち手の場合...

 鞄の持ち手にもいろいろありますが、
この持ち手の場合は特に、
中に入っている革の芯にできるだけ近く縫える限界の場所を狙って
パンパンにキツく、、、、糸をしぼる手の痛さを我慢しながらキツくキツく、、、、
そうやって出来上がるこのハンドルは当然ですがカチカチに硬くて真っ直ぐ。
とてもじゃないけど簡単に曲がるようなシロモノではありません。
タンニン鞣の革の特徴を生かし、水で濡らして紐で縛り1日以上寝かして
曲がるクセをつけます。というより水分を飛ばしつつ固める感覚に近いです。












2024年8月10日土曜日

好きな作り方

カードをたくさん入れる物を、、というご注文で以前つくらせていただいたものです。
使用の際の難点もありそうですが、私としては作っていて面白い物でした。
45年ほど前革をやり始めた頃小物の名人に手ほどきを受けた事があり、技術的なことは
何も覚えておりませんが名人が作り出す物のイメージは今も頭のどこかにこびり付いて
います。思わずニヤっとしてオーと声を上げたくなるような繊細さを忘れられません。
そんな名人には及びませんがニヤニヤしながら作った物です。

 






2024年7月31日水曜日

2024 夏、

なんと明日からもう8月!
暑くなって久しいのに、庭のサルスベリは何故か咲き始めたばかり。
今年は出だしが遅いようです。
Fugee の夏の恒例、小物制作のほうはいい感じに始まっております。





2024年7月20日土曜日

思わずご説明したくなる

ショウルームの現在のKM39の在庫です。
錠前はオリジナルの角錠前の小を使用。
柔らかめのトロッとした質感の革を使って持ち手をつけたカカエ鞄を作りたい。
そんな思いから20数年前に定番になりました。
その時に思ったのは全体の雰囲気から持ち手周りはいわゆるゴツいものにはしない。
それでも少なくとも20年くらいの期間は美しく使用できるものでなくてはならない。
そんなわけで私達が思いつく限りのアイデアを詰めました。
鞄は自分の子供のようなものですからできればそうして欲しくありませんがよっぽど荒い扱いをなさっても持ち手と持ち手周りは壊れません。
その他にもお伝えしたい事がたくさんある鞄です。
もしお立ち寄りいただける機会があるようでしたらぜひ御説明させて頂ければと思います。
(鞄は説明より実物を見て感じて頂く方が良いのはわかっているのですが私達がこだわって時間をかけてやっている事は鞄の表に具体的な形では現れないものが多いので思わずご説明したいと思ったりします。)




2024年7月13日土曜日

つくる者の責任

革にしろ布にしろ木にしろその他の色々な何かを作るための素材にはそれぞれの特質があるのは当然です。それは美しさだったり、しなやかさだったり、強さだったり。
作り手はそれらに魅了され形をつくり上げていきます。
しかしその素材の最も大切な本質として「弱さ」というものもそれらと同列にあります。
素材としての弱さを隠さない、隠せないもの、、私達が使う革はそういう素材です。
何年も使われた鞄に心打たれたり愛おしさを感じたりするのは、よく経年変化という
言葉でその様子をくくりますが、それは革の強さやしなやかさがますます見える部分と日々の引っ張りや繰り返しの曲げにより疲労が見えるものが共にあるという事だと思います。
仕立てをする者はただただ形にするだけなぞという事は決してするべきではありません。
日々使用されている鞄の革のいろいろな意味での美しさを「もし少しでも引き出せる事ができたら、、」という仕立てを工夫しなくてはいけないと考えます。





2024年6月30日日曜日

女性のための小さめのハンドバッグ

女性のための小ぶりなハンドバッグです。枠はオーダーごとに曲げてつくっています。
持ち手部分の金具、錠前は、これまでメンズ鞄に使用している物を削ったり、
その鞄用に一つだけ作ったりしてきたのですが、Fugeeが作るハンドバッグの質感を追ったらこうなりますという金具を作りました。
少し華奢めで上品な雰囲気に仕上がったと思います。









 

2024年6月22日土曜日

ピッグスキンのテクスチャー2

 こちらの鞄に使用している革はピッグスキンの型押しをしたイギリスのブライドルレザーです。馬の鞍用の革なので、通常のブライドルよりもロウが多めで張りがあります。少し重めですが、一枚で仕立てるこちらの鞄にはぴったりです。つるっとした通常のブライドルも好きですが、ちょっとした凹凸のあるテクスチャーがあることにより曲面の表情に変化が生まれて魅力的です。定番になりつつあるこの鞄ですが、少しだけ小さいバージョンを只今製作中です。






2024年6月5日水曜日

ピッグスキンのテクスチャー

 魅力的なキリッとした豚は最近なかなか目にしません。
スターリングシルバーと合わせたこのKM39はシュリンクレザーで作るそれとは
全く違う表情を見せてくれました。
うっとりする美しい鞄です。
鞄の質感はある程度は思いを込めて狙うものですがやはり何と言っても
その革の持っている本質的な表情は素晴らしく、
その範囲を超えるなぞということはしないし出来ないし良くはならないものです。
やっている事は恐る恐る革に尋ねるという方が正しいかもしれません。






2024年5月26日日曜日

最近の仕事から

今ではもうほとんど残っていない昔の日本の山羊革、茶利八方で本体を、
金具をスターリングシルバーでダレスバッグを作らせていただきました。
迫力のある表情を持った革ですが仕上がったものは非常に上品な鞄になります。
今の時代の柔らかくて軽く何でも入れられるトートバッグをビジネスに使うというのと
真逆をいく鞄です。




2024年5月13日月曜日

最近の仕事から

定番のFL46、ブライドルレザーの二色使いです。
一つは黒の胴にグリーンの付属部品で金具はスターリングシルバー。
もう一つはネイビーの胴に黒の付属、金具はブラスです。
それぞれ、ご注文頂いたお客様の個性がひかる鞄です。













2024年4月30日火曜日

魅了されます。

鞄を作る時それに合う素敵な金具をつけたいと毎回思います。
既製の金具を思い浮かべて合うものがあればいいのですが
なかなか思ったものがないこともあります。
そんな時は簡単なものなら自作することにします。
ただそれは本当に簡単なものに限られ、錠前のように複雑なものはなかなかできません。
アンティークーの錠前をバラしてみるとファンタジーを現実のものにした先人の知恵とロマンを感じます。魅力的な動きをする部品に毎回驚きの声をあげそうになります。
軽い、何万という繰り返しに誤動作がない、壊れない。
そんなもの、1週間とか1ヶ月間その時だけ急に考えてたどりつけるものではないのです。 












2024年4月11日木曜日

4年半ぶりの息抜き半分の旅

 3月後半から先週にかけて、4年半ぶりにフランスに行ってきました。以前は毎年恒例のようになっていた仕入れを兼ねた息抜きの旅。コロナや戦争や円安などあり、なんとなく尻込みしていましたが重い腰がやっと上がりました。
いつもはたいていゆっくり滞在することが多いパリですが、あまりのホテル代高騰のため2泊のみにし、以前から行ってみたかったフランス中南部の鞣し屋さんのある田舎町へ電車で向かいました。鞣し屋さんとの約束の日の朝、宿のカーテンを開けるとなんと雪が積もっていました。バスで向かいましたが、何故か途中でUターン(!?)慌てて降りてまだ雪の溶けてない歩道を2キロ以上歩いてやっと到着しました。
2枚目の写真は同じ日の午後。春の天気は目まぐるしく、キリッとした気持ちの良い1日でした。
旅のおたのしみであるごはん。地元のお肉屋さん、地元の酒屋でその地方のワインをえらび、スーパーの地元コーナーでチーズや野菜を買って簡単調理で幸せな夕食。 世界はどこでも都会を離れるとみんな驚くほど親切でやさしい。その余裕はゆったりした生活があるからなのだろうか。。。
ハードスケジュールな割には帰国後、時差ボケもほとんど感じず、満たされた気もちで仕事に復帰できました。
やっぱり息抜きは大事!!









2024年4月7日日曜日

真っ赤なアタッシェケース 4

ショッキングな赤いアタッシェケース。
そして同じくらいショックな蓋を開けた時の黒と赤のコントラスト。
この鞄の場合の私たちのこだわりはとにかく仕立てをキリッと。
ドロッとしたところ締まりの無いところを絶対に作らないという事です。
ポケットの物を押さえる為、上からホックのベルトはどうだろうと相談されましたが、
よくないと力説。
入れるものが決まっていれば飛び出さないくらいのゆったりした締まりでポケットを作るからと説明し、使っていない時のブラブラの美しく無い状況をご説明させていただいた。
納品前の状態でご来店いただけるというのでお待ちしているとなんとシャンパンを
片手にお出でになりました。
初めての嬉しい経験でしたが鞄の展示室からあわてて隣の作業室に移動。
美味しい乾杯をさせて頂きました。




 

2024年3月21日木曜日

真っ赤なアタッシェケース 3

持ち手はトサカの部分をすくい縫いした手にして小ぶりなアタッシェに合わせて
優しいイメージにしました。
この手は長い期間使用しても芯の革がズレたりしないよう工夫がしてあり、
綺麗に作るのは少し難しい持ち手です。
錠前は一度全てバラバラにして研磨し、再度組み立てる。
表の革は接着作業をしながらのカットやスキを一切しないようハメころしの寸法で作るため
前段階での部分シュミレーションと型紙作りは神経を使います。
以上はいつものやり方ですがやっぱり進行具合は遅いです。







2024年2月29日木曜日

真っ赤なアタッシェケース 2

ごちゃごちゃっとした作業風景です。
お叱りを受けるかもしれませんがこういう状況が大好きなんです。
頭の中は、新しい何か、アイデア、想い、出来上がった時のイメージ、色々なもので
まさに湯気がたっています。
夢中です。
それらを前に進め具現化することに比べたら他のことは全て些細です。
途中で、絵を描いたり計算したり、、。
組織の中でこういう事は無理ですよね。
個人店でよかった。
ちなみにこれらはアタッシェの蓋オープンのストッパーの設計と取り付けです。









 

2024年2月22日木曜日

真っ赤なアタッシェケース 1

スペインの映画監督にご注文いただいたアタッシェケースです。
革はイタリア、タンニン鞣しの鮮やかな赤。
大変気に入って頂き完成を祝ってシャンパンで乾杯までして頂きました。
さすが情熱の国です。
出来上がりは派手で美しいですが作業はいつものとうり地味な作業の積み重ねです。


 

2024年2月8日木曜日

月初めのFugee

 その月につくる鞄の材料を切り出しているところです。
ものにもよりますが、ひとつの鞄に使う材料は出来上がった鞄からは想像つかないほど多い時がほとんどです。目に見える表地と裏地になる革、全体の裏打ちにつかう革、部分的に補強につかう革、持ち手の芯などに使う革、などなど。もちろん全て厚みの調整は行うので切り出した時の革の質量は無くなるのですが。当然ながら毎回違う革の個性と向き合いながら、この鞄のこの革にはどうしようああしようと、何かと議論のたえない月初めの風景です。






2024年1月31日水曜日

少しだけ

FN44型を少しだけモデルチェンジしました。
フレームは同じ物で、プロポーションを若干細めに変えました。
書類の量は大量に入る今までのものより減りますが
お持ちになられる時のスッキリ感を増しました。
もちろんブライドルの重厚感はそのままです。




 

2024年1月18日木曜日

オリジナルの金具たち

オリジナルの金具たちです。
革にキリッとした金属の質感は映えます。
そして使い込んだ革の経年変化には、やはり使い込まれた色に変化した真鍮、銀
がよく合います。
又骨董品で見かける、手入れされた古い革と共にある、使用感はあるけれど研磨された金具。
これも美しいです。
この写真の金具たちは10年後、20年後どんな夢を見せてくれるでしょう。



2024年1月1日月曜日

楽しい仕事

元々時間の事はあまり考えず興味に引きずられて仕事をしているのですが、「大晦日」のようなはっきりした時間の区切りがあると「あれまあ!」と思うくらい時間が読めていないことを痛感します。
12月の仕事が31日にずれ込み、素敵な鞄の本体だけは出来上がりました。
でもキーケース等が新年にさらにずれ込みました。
申し訳ないことですがお客さまにはもう少しお待ち願おうと思います。

写真は今年の秋にお作りしたアッタッシェケースとケースの木枠を発注する為の図面です。
比較的単純な形のものですが、あーしたいこーしたいという思いだけは沢山あり
いつものようにこの時も時間が掛かりました。
でも自分なりに丁寧に思いを持って作るというのは何十年やっても楽しいものです。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。