2021年11月30日火曜日

ヌメブライドルのエイジング

かれこれ10年程お使いいただいているお客様のFugee定番 BK41型 ブライドルのカカエ鞄。
メンテナンスでお預かりしました。染色されていないタンニン材だけの色味のヌメ革の場合は特に、持ち主のキャラクターがエイジングに表われるようにかんじます。真鍮無垢の金具の変化も人それぞれで面白いものです。ヌメなので色を補正することはしませんが、丹念にクリームを入れ、コバをもういちどヤスリがけし、フノリで磨き直し、ネンをしっかり入れてメンテナンス完了です。













2021年11月15日月曜日

魅惑の白ステッチ

Fugeeの鞄は手縫いで仕立てています。
(ミシンの必要な特殊な部分はその限りではありませんが。)
手縫いにこだわるのはコントロールがきくステッチの美しさもありますが作品の耐久性や経年変化の美しさを求めてのことでもあります。ですから手縫いをこれ見よがしに強調するような事は基本的にいたしません。又手縫いでありさえすればクオリティーの高い鞄を作れるというのも間違いです。手縫いと同じようにあるいはそれ以上に高品質の鞄に欠かせない作業は幾つもあります。
しかし時にはステッチを際立たせた鞄を仕立てる事もあります。
そればかりというのはどうかと思いますが、きちっと縫えた白いステッチも魅力的なものです。








2021年11月8日月曜日

口枠鞄についての授業

数日前の教室は新しい鞄に入る最初の日でした。
写真手前の口枠の鞄を作ることを学びます。
口枠の鞄は開けたときと閉じたときの形が大きく変化するので革の使い方で美しさも
大きく変化しやすい鞄です。
さて、この日は4時間の授業のほとんどを口枠鞄の構造と制作上不可欠な大切なポイントや私達がどう考えてデッサン、図面から型紙、そして試作にもって行ったかの説明に費やしました。Fugeeがつくった見本の鞄だけでなく、似たような構造の古い鞄もたくさん見ていじってもらいます。つくり手の目線で見る事によって得られる発見はたくさんあります。
説明する方も受け取る方もかなりいっぱいいっぱいの4時間。
本質を知ることは自分で鞄が出来るようになるためには最も大切なことというのは当然です。
ただ単に作業の指示をするだけでは「知らないうちに何となく鞄が出来ていた」になってしまいます。これでは全く意味がなくその作業が何故そこで必要なのか、もっと良い方法は無いのかを考えることこそ、もの作りには大切なのです。
もちろん私達がわららない事もたくさんあります、それらは皆で考えたいのです。
そんなふうに進めていくとあっという間の4時間。
説明に夢中で皆さんを置き去りにした部分もありましたが、制作に入ってからもたくさん質問提案をして欲しいものです。
お疲れ様でした。