2020年7月25日土曜日

2020 Fugee 夏

7月も後半というのに太陽のないジメジメした日々が続いています。
夏といえばFugeeでは毎年恒例の小物制作の季節です。
暑いアトリエで小さいパーツを汗を垂らしながらいじっているはずなのですが、
同じ暑さでもこの続く湿気にはそろそろ閉口しています。
同じ作品を数個作る時、革の種類によってハリやチョウシを変えることをします。
これからしばらくはノギスを片手に革の厚みの管理と細かいスキの作業が続きます。
この小さな革達が形を表してきてひと目でどういう部品かわかる頃には
梅雨が明けていればいいなと思います。
久しぶりに庭になったわずかな梅の土用干しも楽しみな梅雨の1日です。





2020年7月16日木曜日

4年目のFM42

予期せぬアクシデントに見舞われてできてしまった口枠の右肩部分の深めの傷を
たいへん気にされてH様がFugeeにいらしたのは、
この鞄を納品して1年経ってなかった頃だと記憶しております。
私どもに出来ることにはもちろん限界があり、もとどうりにする事は不可能なのですが、いろいろ手を尽くして傷が目立たなくなるように手当てをします。
持ち主も作り手も当然のように目はその部分に行きますが、
月日の経年変化や使用感が少しずつその傷にさえ
ある種の存在感を加える様になってきました。
革のエイジングは、言い換えれば朽ち果てていく過程の美しさとも言えます。
自分達の作品とそういう向き合い方が出来る幸せを感じています。
2年ほど前にお買い上げいただいたコードバンの黒いクラッチバッグとともにメンテナンスでお預かりしました。









2020年7月11日土曜日

棒屋根金具のハンドバッグ(4)

革の張りの美しさや金具の質感の美しさ。
開閉の時の巧みな動きの面白さ等が一つの鞄を作り出しています。
私たちが望むのはそれらをそのまま見せられるように。
削られたり不協和だったりするような邪魔をした仕立てをしていないか
いつも考え感じて慎重に作業を進めます。
それにしてもチャレンジに対する素材の許容範囲の大きさに助けられます。
棒屋根ボックスカーフハンドバッグができました。