2012年12月30日日曜日

しごと納め

         今年も1年間お世話になった「ネン」
         丈夫で美しいコバをつくる上で大切な道具。
         真鍮や銅、鉄といった身近な素材曲げて削り
         好みのかたちにします。
         こびりついたロウを落とし、細かい傷を研磨して
         しごと納めとしました。
         年明けは、5日から営業いたします。
         2013年もどうぞよろしくお願い申し上げます。




2012年12月28日金曜日

クロコダイルの時計ベルト

       時計ベルトは6月と11月にお客様にお作りしている。
       あまりギラっとしていないのが最近のクロコダイル。
       時計につけるとそれぞれとてもシックです。




2012年12月24日月曜日

メリークリスマス

あっという間に今年もクリスマス。
中毒のように鞄を作り続ける毎日、30年以上になる。
昨日靴づくりを目指す若者達に会った。
胸の奥が少しキュンとなるような彼らとの話。
皆、未熟な自分がどうなるのだろうと言う不安と希望とが入り混じる。
何より好きな事を仕事にしたいという控えめだが各人なりの
熱い想いを感じるとても良い時間だった。
30年経ってみると不安の外側だか内側だかに肉のような物がついて
不安があたりまえになってしまった自分を感じる。
物作りは毎瞬間ジャッジをして拾うもの捨てるものを決めていく。
嬉しい反面これでいいのかという不安との戦いでもある。
昨日の若者達と10年後どんな話ができるだろう。
ドキドキしてしまう。




2012年12月23日日曜日

お知らせ

12月23日(土)は都合により1時よりお休みいたします。
24日(月)よりのご来店お待ち致しております。

2012年12月19日水曜日

銀の手かん・その後




持ち手は、鞄のイメージに合う硬さや太さ、
根本のかたちをよく検討してから
本作をする。












2012年12月15日土曜日

銀の手かん

     フルオーダーいただいたカバ革の鞄。
     革の質感に負けない雰囲気の持ち手の金具を銀でつくることに。








2012年12月12日水曜日

ブライドルレザーのカカエ鞄

もう20年以上Fugeeの定番であるブライドルレザーを使ったBK41型。
この形の鞄は今でもイギリスあたりではポピュラーだったりします。
両側の二本のベルトは中身をしっかりホールドするためのもの。
バックルの付いたベルトは後ろの胴の一番下から出て底を通って前に立ち上がっています。中身の量により鞄の襠が膨れるとバックルを下げて止め、やせるとバックルをうえの方で止めるようになっています。
その形式だけが意味なく残ったのが日本の学生鞄であり、昔のお父さんの鞄です。
サザエさんのお父さん、波平さんも会社の行き帰りに帽子をかぶり、ベルトが二本の鞄を持っていたと記憶しています。
この鞄は基本的に裏地を付けない物が多くBK41も裏地は付けない仕立てです。
しかしこのBK41、形はイギリスあたりの物と同じでも中身はずいぶんちがいます。
厚いブライドルレザーを薄く加工したりせず、その圧倒的な質感をそのまま出そうと言う仕立てです。たぶんこれほどハードなものはイギリスにもなかなか無いと思います。
そしてそれを実現させてくれるのが手縫いです。
今回久しぶりに店に置く為のグリーンを一つ作りました。





2012年12月10日月曜日

お知らせ

本日12 月10日(月曜日)は仕入れのためお休みいたします。

2012年12月7日金曜日

二本手のいろいろ

   持ち手は、全ての加重が最終的に集中するハードな状況である事が多い部品。
   持ち手をしっかり作るのはFugeeの得意技です。
   難しいのは美しく、鞄本体とバランスよく作ること。
   そして何より持ちやすいこと。
   今回は鞄から二本出ているタイプの持ち手を集めてみました。













2012年11月29日木曜日

チャリ革のボストンバッグの製作行程

毎度なかなか毎月にならない、HPのマンスリーワークショップを更新いたしました。
6月のブログでご紹介させていただいた、チャリ革のファスナーボストンが出来るまで
の一部です。
チャリ革とボックスカーフという個性の強い革どうしが、うまくお互いを引き立てあって
迫力ある仕上がりになったと思っております。

2012年11月28日水曜日

こころ躍る時間

     フルオーダーいただいたカジュアルな雰囲気の鞄をつくるところ。
     足したり引いたり、どんな味付けをするかを思案し、
     テストをしている時はこころ踊る。




     カバの革は絵画のよう。
     深く刻まれたシワや、傷がなんともいえない深い味わい。







2012年11月23日金曜日

FL46型

     タンニン鞣しの厚い革ならではの質感と緊張感がこの鞄の醍醐味。
     写真では伝えきれないかもしれませんが。
     出来上がった時は跳ね返りがあまりにも強く、錠前を外したとたん、
     バネのように「バン」と口を開けてしまう。
     出来上がってから一週間ほど枠を閉じたまま寝かせ、
     馴染ませてからお客様にお渡しします。





2012年11月19日月曜日

かたちが現れる瞬間

      口枠鞄FL46型の出来上がりの瞬間はかなりドラマチック。
      ただの筒状の革が枠を取り付け折り曲げた瞬間に、、
      美しく張りのある、緊張感たっぷりの顔が現れる。
      二人掛かりで鞄に乗るように押さえ込んで、
      強烈な跳ね返りの堅く厚い革をやっとの事で折りたたみ、形を出す。






2012年11月15日木曜日

持ち手が付きました

      持ち手は時として鞄の顔。
      鞄の大きさ質感に会わせて、又持つ方の手の大きさに合わせて
      太さ形を決めていきます。





2012年11月13日火曜日

お知らせ

本日11月13日(火)は都合によりお休み致します。
明日よりのお出でお待ち致しております。
Fugee

2012年11月12日月曜日

舞台裏は力技

     このタイプの持ち手のステッチは長めの菱ぎりを良く研いで
     2cm以上の厚みを力の限りに縫い進む。
     その前の、かんなを使って持ち手の芯に繊細なカーブを付けていくのとは
     全く対極的な作業である。







2012年11月9日金曜日

小物のエイジング3

F様のクロコの小物
Fugee定番の札入れと小銭入れをペアでお使い頂いております。
2年間毎日ご使用になって初めてメンテナンスをさせて頂きました。
常に鞄の中に入れて丁寧に扱って頂いていたようで、非常に美しい状態を
保っていました。


2012年11月6日火曜日

寒くなると思い出す

渋谷にお店があった時代に、毎日のように通ってくれていたこの猫。
寒くなると、膝の上に乗りたがり、さらに肩にまで登って来て寝るという技を
持っていました。12年程の間、空気のような存在でしたが、2009年の4月に
姿を消しました。 人間もゲンキンなもので、寒くなってくると、あの温もりが
恋しくなるのです。店に来る人にいつの間にか「社長」と呼ばれていたこの猫に
ずいぶん癒されたものです。

鞄の話ではなく失礼いたしました。




2012年10月31日水曜日

はしの厚みをゼロに

私たちが主に使う刃物は革包丁とよばれる片刃の刃物。
刃物を使う作業の80%以上はこの革包丁を使う。
革を裁断する時はもちろん、その他にこのように
革の厚みを調整するのにもよく使う。
これは、柔らかく薄い裏地用の革のはしの厚みがゼロになるようにする作業。
柔らかく薄い革が伸びてしまわないよう、丁寧に丁寧に研いだ包丁で
力を入れないよう作業をする。
よく切れる刺身包丁で、すーっとお刺身を引いている感覚に似ているとおもう。



2012年10月27日土曜日

T様の抱え鞄

本来は3層構造のBK41型を2層にしてセミオーダーいただき、
お渡ししてから2年ほど経過しています。
ベルトをきゅっと締めて、スリムにお使いいただいくことが多いようです。
すっかりT様の色に染まった鞄です。



          コバを丁寧に磨きなおし、ネンを引き直すと
全体の印象も再び、ぐっと引き締まります。





2012年10月22日月曜日

完成図 山羊革のアタッシェ3

アタッシェの全容図。
ぽったりした山羊革の肉感が損なわれないように革の厚みを検討し、
木枠の角のアールにも気をつかった。四隅は、あえて主張し過ぎないような
すくい縫いでまとめた。
木枠でつくるアタッシェは特に、フラットで直線的な平面が表に出過ぎると
貧相な印象のものになりがちである。直線と面で構成されているからこそ、
あえてそれを「革」でくるむ意味を考える。「革」をつかうからには、
無機質な印象の物をつくってはいけないと。






            




2012年10月18日木曜日

ステイ部分の制作 山羊革のアタッシェ2

ステイの製作は毎回図面検討が面白い。
特に今回のように細身のアタッシェの場合には、ふたを閉めたときだんだんもぐっていくステイの先端がすぐ底にあたってしまう。そうはさせじと取り付け位置、形状を考えなくてはいけない。
だいたい鞄は検討から金属、木の削り、もちろん革も全部自分達の手で考え、加工し、
作り上げていくことができる。
こんな面白いものってそうは無いんじゃなかろうか。










2012年10月16日火曜日

まずは革ありき 山羊革のアタッシェ

    ブルーともグレーとも言えないような微妙な色調が美しい山羊の革に
    惚れ込んでいただき、オーダーをいただいたF様のアタッシェケース。
    サイズやプロポーションの検討もいろいろあったが、最終的に、この革の
    美しさが最大限に生かされるサイズに決める事になった。




2012年10月12日金曜日

お休みのお知らせ

本日10月12日金曜日は都合によりお休みいたします。
明日のお出でお待ち申し上げております。

秋のある日

       使い込まれた真っ赤な鞄がメンテナンスに戻って来た。


もみじの紅葉を思わせるような色の濃淡にため息。 



2012年10月7日日曜日

無垢の金属

革で作った鞄は年月がたつと傷も付く、繰り返しの曲げで繊維が弛み柔らかくなり、
部分によって弛みの差も大きくなる。大きな意味では朽ち果てていく過程である。
しかし、その朽ち果てる過程が美しいのが革である。
繊維のほぐれはその革の持っているドレイプになり、傷は、程度はあるが、
メンテナンス によって味とも言える存在感を生じさせる。
Fugeeの金具はメッキをしていない。メッキをしてある市販品の金具を使う時は
一度バラバラにしてヤスリ、バフ等でメッキを落とし、研磨してから又組み立てて
鞄に取り付ける。
鞄が味が出る年の取り方をしているのに金具がピカピカ、はFugeeの好みではない。
鞄は新しい時はきりっとした美しさのあるように仕立てる。
でも大切なのはそれから先の長い年月。それをどのくらい作業の中に見越して、
落とし込む仕立てが出来るかが一番大切なこと。
新しい物とはまったく違う、持たれている方の色に染まっていくのが革の鞄。
金具も、持つ方の触れ方によって色も、風合いもそれぞれ違ってくる。
使っていって美しさがその方の色に変化していく鞄。
そういう物を作る努力をしている。

鞄が出来上がった時の金具の表情
使用後の表情
 別の錠前の使用後

2012年9月30日日曜日

FO44型

昨年、Fugee standard line に加わったばかりの新しい定番の形。
本の編集のお仕事柄、書籍を持ち歩くことの多いH様にセミオーダーいただきました。
鞄は趣味性の高いものなので一方向の視点だけで優劣は決して付けられません。
しかし、この鞄の形は、今回柔らかいカーフのシュリンクで作っていますが、
私共の定番の中でも最も型くずれの少ない仕立ての一つと言えます。
ですから、胴は比較的柔らかいのですが少々多めの荷物にも耐えます。
力が持ち手の根本で胴体の4カ所に分散され、胴のベルトがその重量を支える
構造になっています。負荷がどう掛かっていくかを考える事は大切な事です。
もちろん外見は同じでも重たい物を常に持たれるお客様とそうでないお客様とでは
仕立てる視線をだいぶ変えはしますが。
私たちにとってはセミオーダー、フルオーダーどちらも持たれるお客様を
イメージしながら作る楽しい作業です。







2012年9月27日木曜日

お休みのお知らせ

本日 9月27日 (木曜日) は、都合により工房を留守にいたします。
明日のお出でお待ち申し上げております。

2012年9月25日火曜日

Y様の鞄たち

長い海外出張の際に、メンテナンスをと、お預かりしていた鞄たち。
フルオーダーの鞄(前列の2点)は特にFugeeとしても印象に残るものなので、
使用後の状況をじっくりお見せいただけるのはありがたいことなのです。
繊細なボックスカーフならではの擦れ傷などを時間をかけて修正させて頂きました。
お客様それぞれの手に渡り長い時間を共にする鞄のことは、生み出した者として
当然気にかかるところです。
鞄はもちろんですが、納品後のお客様との関係も、じっくりゆっくり築いていけたらと願っております。