革で作った鞄は年月がたつと傷も付く、繰り返しの曲げで繊維が弛み柔らかくなり、
部分によって弛みの差も大きくなる。大きな意味では朽ち果てていく過程である。
しかし、その朽ち果てる過程が美しいのが革である。
繊維のほぐれはその革の持っているドレイプになり、傷は、程度はあるが、
メンテナンス によって味とも言える存在感を生じさせる。
Fugeeの金具はメッキをしていない。メッキをしてある市販品の金具を使う時は
一度バラバラにしてヤスリ、バフ等でメッキを落とし、研磨してから又組み立てて
鞄に取り付ける。
鞄が味が出る年の取り方をしているのに金具がピカピカ、はFugeeの好みではない。
鞄は新しい時はきりっとした美しさのあるように仕立てる。
でも大切なのはそれから先の長い年月。それをどのくらい作業の中に見越して、
落とし込む仕立てが出来るかが一番大切なこと。
新しい物とはまったく違う、持たれている方の色に染まっていくのが革の鞄。
金具も、持つ方の触れ方によって色も、風合いもそれぞれ違ってくる。
使っていって美しさがその方の色に変化していく鞄。
そういう物を作る努力をしている。
鞄が出来上がった時の金具の表情
使用後の表情
別の錠前の使用後