2014年7月31日木曜日

3ねんめ

マダガスカルジャスミンが今年の夏もロウでできたみたいな不思議な花を元気に咲かせてくれました。2年と少し前、渋谷から要町に引っ越した際にお祝いにいただいた時は小さかった鉢植え。ニョキニョキ伸びるので、二回ほど植え替えし、最近、鉄の棒を曲げ立派な支柱を立てました。くれた友人の名前をとって、「ホッキョーさん」と呼んで可愛がっています。
時間的に、スペース的に、気持ち的に、いろんな意味で、アトリエで鉢植えの植物を面倒をみるなんていう余裕が生まれたことに幸せを感じる今日この頃です。





2014年7月27日日曜日

小物月間

去年ご注文いただいたものを中心に、梅雨明け前から今月は小物月間。
暑い日々がつづいていますが、だんだんかたちになってきました。
小物は、鞄と全く違う感覚で取り組みますし、革の厚みの調整も繊細なので、
なるべくまとめて、時間をとるようにしています。
ご注文頂いたものは革と形の組み合わせの同じものは一組もありません。
オーダーいただいたそれぞれのお客様のお顔を思い浮かべながら、ゆっくり制作をすすめていきます。


2014年7月26日土曜日

お知らせ

本日、7月26日(土曜日)都合により12時から夕方5時まで留守にいたします。
ご迷惑お掛け致しますがよろしくお願いいたします。




2014年7月22日火曜日

素敵な鞄をつくるには

いつも、面白い鞄ができないかと考えています。
数少ない引き出しをさぐりながら。
気をてらったもの、流されるもの、妥協した仕立てのもの、は作るまいと
思っているのですが。

少し前、お客様が定番のショルダーバッグをさげて来て下さいました。
革の、それ自体が本来的に持っている質感、経年変化した時の美しさに、
作った人間でもこれだけ愛おしさを感じるのですから、ご使用になっている方の中には
体の一部のような相棒とおっしゃる方が多いのも頷けます。

いろいろと想いはめぐらしますが、私達の仕事はそんな革のすごいところを邪魔をしないようにきちっと作る。そんなこと以上には出来ないのかも知れません。
今日の作業もすなおにキチッと。邪魔しないように。



2014年7月18日金曜日

ご存知の方もお出でかも知れませんが、姫路の白革です。
一般的に私達が目にしている革はタンニン鞣かクロム鞣、それらを合わせた
コンビ鞣しです。この革はそれらのどちらでもありません。
日本独特の鞣しの革です。
この革の鞣し屋さんのお話では菜種油と塩だけで鞣しているとの事。
もちろんこの革を晒すのに向いているの川の水は大切だそうですが。
今まで触れたことのあるどの革とも質感、風合いが違います。
この革を手に入れてから10年くらい経っているでしょうか。
作ったものはこの和装用の巾着だけです。
和がすきな金原がプロデュースしました。
白革、組紐、金具は四分一(胴と銀の合金)を切り出して
色上げし美しい灰色にしたもの、内張りは古い着物地。
持たれる方の好みの亀甲模様を選びました。
うっとりするようなものが出来ました。
でも洋のもの、つまり鞄を作ろうとするといつも前に進めない革です。
でもそろそろ作ってあげないとこの革にすまないと思っています。







2014年7月14日月曜日

革のポートフォリオ (4)

「大きめの書類とか図面、画用紙等を入れる鞄を革で作るとFugeeならどうなる」
というところから始まった鞄です。
全てに完璧なものが出来たならそれはそれで結構な事ですが、
それだけを追求するだけが物作りとは思いません。
ディテ−ルを突き詰めるだけでは良いものは生まれない事が多いのです。
目がディティールにばかり注がれて作られたものは往々にして
細部どうしの繋がりやバランスが悪く全体が間の抜けたものになることがあります。
鞄を作る上で大切なのは全体のバランスを常に考え感じ、細部は全体に対してどんな意味
を持つかを考えながら作業を進める事です。
もちろん作業の質を研ぎすます事も大切です。
なかなかうまくはいきませんが、面白い鞄ができました。









2014年7月9日水曜日

革のポートフォリオ (3)

この鞄の胴と襠を止めるステッチは入れ駒という縫い方です。
これは箱状のものを作る時によく使われます。
斜めに押される力に若干弱いところのある構造です。
この鞄の場合襠が狭いのでほとんどその弱さは感じられませんが
ちょっと過剰にしかもむき出しで補強の真鍮帯を取り付けました。
ハリネズミのような真鍮釘はこのあとカットしてきれいに先を処理します。
これも黒檀の底鋲と同じように構造的な必然性をデザインに組み入れた
私達の遊びです。






2014年7月4日金曜日

革のポートフォリオ(2)

鞄を置いた時、じかに床や地面に付かない様、底に取り付けるものが底鋲です。
一般的には錠前などの金具と底鋲は同じ素材にします。
この場合でしたら真鍮ですが、黒檀でブロックを作り底鋲に見立てて取り付けました。
この鞄は図面などの書類を入れる為だけの厚みのないものです。
底鋲が本来の意味で必要かどうかは疑問ですが、
装飾的な意味合いも含めて使用しました。
黒檀の重厚な質感はブライドルレザーによくあいます。
ちょっとチョコレートのタブレットにも見えますが。