最近何を見ても懐かしいのですが、これは又特別です。
今から30年以上前の国立市に店を出していた時代のオーダー鞄です。
フルートのケースが入る横に長い口枠の鞄です。
革は当時初めて仕入れたボックスカーフです。
ご存知の方はアッと言われるかもしれないカールフロイデンベルグのものでした。
世の中にこんな高い革があるんだ!と思いながら必死で仕入れたのを覚えております。
隠れた定番のひとつ、Fugeeスタイルのカートリッジバッグを本来なら冠(かぶせ)に付いたベロと美錠(バックル)で開閉するのがオーソドックスなスタイルですが、美錠ではなく錠前でというリクエストでお作りしました。錠前が付くとエレガントな雰囲気になります。お選びいただきました革もブライドルレザーよりも繊細な表情をもつ、デッドストックのベルギーのタンナーの厚手のタンニン鞣し。前回の投稿のショルダーベルトの根本部分もこの鞄の雰囲気にぴったりはまったと思っています。