2023年4月29日土曜日

ボックスカーフの茶箱 1

 時々ではありますが夢中になれる我を忘れる仕事が入ることがあります。
今回のこの黒い箱は一言で言えば茶箱です。
パーソナルな茶道具を納め運ぶ為の革の箱になります。
写真は上から図面、内箱ありの時の蓋、内箱なしの時の蓋を閉めた様子です。
制作の一年弱前から検討に入り図面を描き始めました。
あるメゾンに検討を依頼したと言うお話をお聞きして俄然「これよりいいものは何処にもない」と言うものを作ることにしました。
制作工程はいつもと同じ図面検討(いつもより時間がかかりました)、木部打ち合わせ発注、試作検討(これも長期にわたる作業でした)、本作(神経を研ぎ澄ましたほとんど進まない作業の日々が延々と続きます)。
でもできるんですね。
面白い仕事でした。
仕事の内容等を少しずつご紹介していこうと思います。







2023年4月16日日曜日

出番を待つ

写真は出番を待つパーツや素材。
ひとつの鞄にかかりっきりで取り組みたい。。。
でも水面下で進めなくてはならない計画、書かなくてはならない図面、教室の準備などが重なってなかなかままならないことも多々あります。それがお仕事というものなのかもしれません。それでもやっぱり、まとまって時間を取れて一気に集中して作り上げることができるのがいちばん気持ちの良いものです。



2023年4月9日日曜日

定番のショルダーバッグ

定番のショルダーバッグPNBX、現在の展示用鞄です。
ブライドルのバーガンディにセピア色のステッチ。
金具はデッドストックの日本の古い錠前をばらし、形を気に入ったように削り直したものを使用しています。
この鞄は、あるアンティークのカメラのケースの胴と駒(マチ部)の繋がりが非常に美しく完成度のある仕立てだったのに動かされて発想し、出来たかたちです。
参考になったカメラケースはかなり小さなもので糸も切れかかり革も反り返ったりしていましたが、その仕立てのあり方は革をいじっている人ならではの発想だろうと思わせるもので、革をよく知った人ならではのシンプルで機能的な作り方をしています。こういうものはデザイナーと言う部門が全てを決める現代のもの作りではとても出来ないものだろうと思います。