アトリエの窓から見える古い梅の木に付いた実の成長は春からとても楽しみでした。
今年の収穫は2日に渡り、トータルなんと20キロ超え!
梅仕事は増えますが、日々の暮らしに季節の風が吹くのは気持ちの良いことです。
そして日々アトリエにこもるFugeeの職人にも夏の遊びのお誘いなんかも
少しですが舞い込んできたりしています。大はしゃぎで遊ぶなんて疲れることはできませんがそれなりに夏を楽しもうと思っております。
もちろんですが、本業の鞄づくりのほうも頑張っております。
30年ほど前に制作した女性のための小さい鞄です。持ち手の付く棒屋根金具部分の重さに対して、軽さ、柔らかさと繊細さをどこまで追い込めるかを悩んでつくっていたのをよく覚えています。
先日お客さまの S 様 が、中古品サイトで見つけてお買いになったこの鞄を、もしかしたらFugee製ではないでしょうかとお待ちになりました。ご縁があり、ものづくりの友人にかねてから誘って頂いていた掛川二の丸美術館にやっと行くことができました。
現在、特別展として「白の細密工芸ウニコール」が開催されています。鞣されて平面になった動物の革を立体にしていくプロセスをとてもドラマチックに感じられるのがこの仕立てではないかなと思います。よりふくよかに、より丸みを感じるように型紙を工夫し、パッチの下は切り込みを入れて寄せて縫い付けられています。縮ませたいところ、伸ばしたいところは革のほうにも最大限がんばってもらって、この鞄はショルダーバッグにできあがっていきます。