30年ほど前に制作した女性のための小さい鞄です。持ち手の付く棒屋根金具部分の重さに対して、軽さ、柔らかさと繊細さをどこまで追い込めるかを悩んでつくっていたのをよく覚えています。
先日お客さまの S 様 が、中古品サイトで見つけてお買いになったこの鞄を、もしかしたらFugee製ではないでしょうかとお待ちになりました。Fugeeでは基本的につくったもの本体にネームは入れておりません。(オリジナル錠前にのみ刻印が押してありますが)
それに関して強いポリシーはないのですが、何故か言われるとたぶんネームを入れたとたん急に鞄が「プロダクト」然としてしまうことに抵抗があるのではないかとおもいます。もうひとつ、綺麗にネームを入れる行為に神経を使いたくないというか、そのエネルギーがあったらその時つくっている鞄の仕立てに全力を注ぎたいのがリアルな本音です。
写真の鞄も、当時の意思と情熱がたくさん詰まった鞄で手前みそながらなかなかの秀作だと
おもいます。ブランド名や作家名が有名になり、付加価値が付いてどんどん値段が上がっていくのが今の世の中の在り方なのでしょう。でもその「付加価値」や「世の中の評価」は肝心な実際の「モノ」や「作品」の本質とはまったくかけ離れたものと感じることが多くあります。
名のない鞄であったため、中古品サイトでは格安で出品されていたそうですが、逆にいえば、
名がなくても何らかの雰囲気を纏ったものであったからこそ売りに出され、そしてFugeeの鞄だと確信して購入してくださる方がいらっしゃることが本当に有り難く、なんだかとても誇らしい気持ちになるのです。
名のないたくさんの素敵なアンティークの鞄から、多くのことを教わってきました。
写真の鞄も、当時の意思と情熱がたくさん詰まった鞄で手前みそながらなかなかの秀作だと
おもいます。ブランド名や作家名が有名になり、付加価値が付いてどんどん値段が上がっていくのが今の世の中の在り方なのでしょう。でもその「付加価値」や「世の中の評価」は肝心な実際の「モノ」や「作品」の本質とはまったくかけ離れたものと感じることが多くあります。
名のない鞄であったため、中古品サイトでは格安で出品されていたそうですが、逆にいえば、
名がなくても何らかの雰囲気を纏ったものであったからこそ売りに出され、そしてFugeeの鞄だと確信して購入してくださる方がいらっしゃることが本当に有り難く、なんだかとても誇らしい気持ちになるのです。
名のないたくさんの素敵なアンティークの鞄から、多くのことを教わってきました。
つくり手の意思を感じるものたちの有りようは、名前の有る無しとは全く次元の違うものだと考えます。そしてFugeeはこれからも鞄にネームを入れることはしないのだとあらためておもうのです。