2015年2月9日月曜日

実は定番の柔らかいボストンバッグ

ホームページにはのっていないのですが、4年ほど前から定番化したかたちです。
今は亡き、俳優の三國連太郎さんが最後に頼んでくださった鞄がベースになっています。
持つのが苦にならない、なるべく軽い旅行用のバッグが欲しいとのご依頼でした。
三國さんには、「軽さ」を最重要視し、柔らかく質感の良いカーフでたためるくらいソフトなものをおつくりしました。
軽く柔らかい鞄といっても、力のかかる部分(持ち手とその取り付け部分、底)は
しっかり強度を持たせてあります。ソフトな胴体部分と強度を持たせる硬い部分を違和感なく共存させることにいちばん気を使いました。

口枠や厚い革をつかったクラシックな、「鞄らしい鞄」が好きでつくり続けておりますが、現代ならではのニーズの、軽さを意識したソフトなものに挑戦するきっかけになった
鞄です。
写真の鞄は何年か前の春に、店頭に置くためにつくったものですが、一目惚れされたお客様がいらっしゃって、すぐに嫁いでいきました。