2012年9月1日土曜日

アタッシェの木枠

アタッシェケースは大ざっぱに言うとつくり方が2種類ある。
ひとつは、合成の芯材を革に貼付けてつくった部品どうしを縫い合わせ、要所に
フレームを入れる方法。
もうひとつは、木ですっかり枠(箱 を作り込み、その上に革を着せ
時には革を木と一緒に縫い込むこともある方法。
今回のフルオーダーは、木枠でつくるほうのアタッシェケース。


木の枠はこちらで図面を書き、木工の職人につくってもらう。もちろん我々鞄職人は
木のことはほとんど何も分からない。 それ故、ただ単にこちらの図面どうりに木枠が
出来上がればいいというものではない。どこにどういう力がかかり、どう耐久性を
もたせるかを私共鞄屋にフィードバックさせる職人でなくてはならない。
時として、私が書いた図面と板厚が変わったり、根本的なかたちが変わったりもする。
当然、彼の提案によるものである。大切な共同作業者である彼とはもう十数年の
付き合いである。共にひとつの仕事に対して「腹を切る」くらいの覚悟で臨んでいる。
鞄の一部を自分でない人にゆだねるのであるから当然なのだろうが、本当に信頼できる
いい相棒である。





今回の枠が出来上がってきた。素材は検討の結果、ポプラになった。
これから、Fugeeでの加工となる。