2026年5月25日月曜日

墨色の濃淡 2

シュリンクレザー黒とグレイのカーフの組み合わせでボストンバッグができました。
色々あるシュリンクの中でもぽってりとした柔らかさを持った質感がなんともいえない革で、以前気に入って手に入れておいたものです。
艶を抑えたグレイのカーフ型押しとの組み合わせは色っぽいという第一印象です。
ところが型取りの時この革の裏面があまりにも美しかったので
スエード使いでももう一つ作ってみる事に。
こちらは茶利八方との組み合わせにしました。
美しい大人のボストンバッグという雰囲気になりました。
シュリンクがMK44、ひと回り小さいスエードがMK42です。
お気にとまりましたらどうぞおいで頂き質感をご覧ください。
久しぶりの展示販売用の鞄作成でした。










 

2026年5月10日日曜日

墨色の濃淡

革それぞれが持つ質感と色。
艶があったりマットだったり、動物の違いによるシボの出かたもいろいろ。
鞣しによる張りや硬さ、厚みもいろいろ。
それぞれの魅力がより引き立つ組み合わせを探るのはドキドキする作業です。
そしてそれぞれの革の魅力が最大限引き出せるよう細かい仕立ての微調整をするのは
もっとワクワクする作業です。
何十年も続けてきた効率を求めないFugeeの鞄づくりの自由度は無限大です。





2026年4月30日木曜日

真鍮口枠の鞄の里帰り

お作り納品させていただいてもう6年もたったとは。
それほど頻繁にご使用ではないとのお話でしたが
革の艶などに使用感が現れて素晴らしい状態です。
スペインの革鞣の街イグアラーダに旅した時に手に入れた革でした。
アンティークの風合いさえ見せ始めた真鍮無垢のフレームと錠前。
いい組み合わせです。
ご使用いただいているお客様のお陰なので偉そうに言ってはいけないことですが
密かにそうなればと思っておりました。
ねらったとうりの質感、使用感にしていただきました。
ありがとうございます、嬉しいです。
これからもよろしくお願いいたします。
やっぱり革は美しい、そして長い期間の少しずつ朽ち果てていく過程がまた美しいのです。
うまくいく時、いかない時必ずありますが、
作る者は一歩先を思い描き、目指す作りができたらと思います。






2026年4月23日木曜日

翻訳本「脱成長の方法」

 
この本は哲学書とか教育書の分野に入るものだと思いますが、一鞄屋の私にとっても
「君のもの作りはそれでいいのか?」と突き付けられるような本でした。
考えさせられる点はたくさんありましたが
今の世の中のもの作りがお金を基準に動いてしまう不毛にも問題提起をしています。
そしてそれが全て著者の実際の経験をもとに書かれています。
私の理解を超えた部分もありましたが、嬉しいことにデザインという言葉の考え方
が私と全く一致したものでした。又「Maggie」という少女とのエピソードでは
彼が考える「ものを作る喜びというのはどういうものなのか」という
本質を見せられ涙が出るくらい感動しました。
素晴らしい本です。著者のカパスワイトさんと日本語訳をした林さんには
尊敬の念を禁じ得ません。
これからこの本は私の横にいて時々励まし叱ってくれるものと思います。








2026年4月15日水曜日

4月のアトリエから

やっと 春になったと思ったら一気に夏に向かいそうで怖いですが、気持ちの良い気候を楽しみながらモリモリ(?)シゴトもしております。
へへへ、、何でもやるから面白い。






2026年3月28日土曜日

カジュアルだけどゴージャス

少し大きめのショルダーバッグ。
シンプルな持ち物の方なら2泊くらいの小旅行にもお使いいただけそうなものです。
全体に軽さを目指して作りましたが全て革で、又耐久性などを考慮に入れて作ると
Fugeeではまあまあの目方の仕立て上がりでした。
象革にシュリンクレザーの組み合わせです。
前方の二つのポケットの襠は一つの部品でできており途中で二つに分かれる面白い
形をしています。
昔からご購入いただいているお客様からの、カジュアルで贅沢という素敵なご注文でした。

















2026年3月9日月曜日

棒屋根鞄の検討

客観的に見ればカオスですね。
これはアンティークの棒屋根鞄の錠前をバラシているところです。
とうの昔に無くなってしまった鍵を新たに作るためにバラして検討。
以前にも書きましたがこういう時間が大好きなんです。
このあまり綺麗とは言いがたい真鍮の部品たちが磨きなおされ改修されて
美しく使用に堪えるものとなり、新しい鞄が生まれます。
昔の鞄の錠前はすごいです。
アイデアの宝庫なんです。
構造的に面白いだけではなく何十年も使用できるための工夫が盛りだくさん。
バラしているとこれを考えたおじさんと話をしているようでドキドキしてきます。









2026年2月28日土曜日

現在の展示鞄

ショウルームの展示用として去年つくった籠型鞄です。
ブライドルレザーにピッグの型押しが施された馬具用の革で、最近気に入っている素材です。
通常のブライドルより少し厚く、オイルも入っているので重いのですがとても質感が良いです。ラケットがのぞいていても、野菜がはみ出しているのも素敵。カジュアルな場面で自由に楽しくお使いいただいているシーンを想像しながらつくっています。
最近、気に留めてくださる方も現れたのでお嫁に旅立つ日が近いかもしれません。








 

2026年2月18日水曜日

深緑色のショルダーバッグ

フラップ(ふた)のある柔らかい雰囲気のショルダーバッグを考える時に
必ずつき当たる問題、詳しくは回りくどくなるのであえて説明を避けますが、
それに正面から挑んでみたらこんな鞄になりました。
地味ですがとてもユニークなマチの形はその問題を解決するためのもので、
多くの工夫と手数が詰まった仕立てです。
小さいわりに厚みのあるフランス製の山羊革の表情が映える大きさです。
おそらくFugee史上最も軽く、狙ったとうり軽快にお使いいただける
ショルダーバッグになりました。
























 









2026年2月2日月曜日

あたらしい試み

こんな不思議な形のもの達が縫い合わさったショルダーバッグなんて想像できないですよね。
でもこれらには大きな意味があって、当然ですがオリジナルな美しい形と素晴らしい機能
の鞄になるんです。機能といってもどこかに隠れたポケットがあるとかではなくこの鞄が美しいまま長い間使用できるためのものです。一般的なショルダーバッグの陥っている弱点をこの鞄では美しいままなんとかしようと何度かの試作を繰り返しそれなりの答えを出したものです。









2026年1月22日木曜日

懐かしのスクラップブック

もう40年以上も前に捨てられていたスクラップブックです。
その写真に魅せられて拾い取っておいたものが久しぶりに出てきました。
今でも胸がときめく写真です。
鞄を作りはじめて半世紀にもうすぐなりますが今思うことは
「恐れることは全くないどんな鞄も必ずできる。
でも出来上がった鞄にしがみ付いちゃいけない、できることなら捨てる」
ということです。
「しがみ付くものづくりが多すぎる」
と感じます。
何年もやった人は今、全部ゼロにして初めて素材に触れた時に戻ってやったことのない物、やったことのないやり方だけを探ってつくるのがいいと思う。
その先に広がる未知のもの、ドキドキしませんか。
本当にクオリティーの高いものを作ろうと思ったら毎回そうですけどね。




2026年1月8日木曜日

早すぎる開花

 2026年を迎え、七草の日も過ぎてしまいましたが元気に仕事をしております。
遅ればせながら、今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
12月半ばからほころび始めた庭の梅の花が年末からチラホラ咲き始め、
2階にあるFugeeのアトリエから見える木のてっぺんの方はもうすぐ満開になりそうな気配です。アトリエをここに引っ越してから、こんなに早い開花は初めてのことでびっくりしています。温暖化が進んでいるということでしょうか。いずれにせよ、この老木の梅の健康を祈るばかりです。
イギリスの鞄屋の友人が一昨年訪ねてくれた時にお土産でくださった花瓶(彼らの友人のイギリスの陶芸家さん作)にひと枝差して鞄の隣に置いたとたんパワフルなオーラが。