2015年7月14日火曜日

力強さと繊細さ

FL46型を二つ並べてみました。
4ミリ厚のブライドルの圧倒的な質感を何処まで繊細に表現できるか。
この鞄を作る時にはいつもそう考えます。
舞踏家が自分の体を極限まで使って表現するのと少し似ているかも知れません。
大胆で力強いが決して荒くはない、むしろ繊細に。
いろいろな部分で悩みの多い鞄です。
基本的に平板になった非常に硬い革を金属の枠や平らな底に支障無く
曲面でまとめるなぞというのは大きな矛盾をはらんでいることなのです。
紙のような伸び縮みの無い素材では不可能です。
ブライドルの場合この矛盾にこそ革ならではの、特に厚く硬い革であるからこその
美しい張りや緊張感が生まれます。