2016年8月22日月曜日

オーソドックスなダレス(2)

長らく欠品していたピッグスキンのDB43型ダレスバッグ(定番型)ができ上がりました。
イレギュラーですが持ち手の形状を変え、錠前をスターリングシルバーの新作に変えて
制作してみました。美しい鞄になりました。
オブジェでしたら作った時のままですが、、モノを入れて運ぶ為の実用品である鞄は
ご主人が決まればその方との長いお付き合いがそこから始まります。
そして、曲げ伸ばしの繰り返しや引っぱり、圧縮等の外的な力によって
革の繊維がほぐれ、新しい時には無かった曲線が現れてきます。
表面にキズもつきます。
しかし、多くの場合それらをなだめるように汚れを拭きはらいクリームを塗る、
いわゆるメンテナンスをすることで、使用している方ならではの、
新しいときにはなかった風合いが出てくる、革はそういう素材なのです。
その種類、それを扱う職人の考え方による仕立ての方向によって、
経年変化の様子が全く違って来るのも又、革なのです。
それはそれは、面白い革の鞄の世界です。