まだ私が子供のころ友だちと迷い込んだ秋葉原電気街。細い通路の両側に
斜めに手前に少し傾いた棚の向こうにおじさんおばさん、色付きのほそいでんきの線の
先になにか小さな部品が付いているものだの、大きなダイヤルの付いたずんぐりした
黒い鉄のかたまりだのがその棚にびっしり。
どの品物にも必ず細かったり太かったりの電気の線が付いていた。
おじさんおばさん、に目を合わさないように興味深さと驚きと、
迷い込んだという少しの恐怖を感じながら早足で、
でもそのなんともいえない魅力にその場を離れられず
グルグルと歩き回った思い出があります。
外に出た時に深呼吸をしたりしたものでした。
久しぶりに何度目かの細い通路。
大人になってお話を伺うと皆さん、当然かも知れませんが不慣れな質問に的確な答えが帰って来る。プロです。「何したいの? それだったらあそこの人に言ってごらん」と
教えて頂きその方にお話すると「そんならこれがいいんじゃない。これで十分」と勧めてくれた。長年悩んだものがあっというまに解決した。
こんな所が無くなるのか。寂しいと言うより、まずいんじゃないですかね。