2013年11月24日日曜日

名人のしごと

このしっかりした持ち手の美しく磨かれた切り口(コバ)は
三十年程前に手に入れた国産の鞄のものです。
鞄本体は劣化していましたが、作者の意図を強く感じられる仕立てで
勉強のため時間を掛けてゆっくり解体させてもらったのを思い出します。
当時すでに十分アンティークだったので何年経っているのかわかりません。
今でも感動を覚えるこのコバに、驚き魅了されたものでした。
鞄全体に凛とした気迫と繊細さを感じるもので、
特に持ち手の質素で気品のある風合いは偏見かも知れませんが、
ヨーロッパの物とは異質なものを感じます。
日本人の感性と技術の高さを目の当たりにする
私にとって目標となる鞄です。