2014年2月2日日曜日

いらいらボックス?

この古い薬箪笥を買って使いはじめたのはたかだか6、7年前のことなのだが、
えらくつかい勝手がよく、これがくる前の日々の作業はどうしていたのか
思い出せないくらい、われわれの鞄づくりに溶け込んでいる。
骨董好きの人からは怒られそうだが、小さい真鍮釘を二本打ち、プレートを付けた。
作業途中に必要な引き出しを出してきて、机の上に置いてつかうことも多いのだが、
机上でも気にならない大きさなのもすばらしい。
軽さと虫喰いの感じから、素材は桐ではないかとおもう。
もともと薬のための入れものだったのだから華奢ではあるので、
あまり重さのあるものは入れずに、丁寧な出し入れを心がけている。
どこになにが入っているんだか分からなくなるくらい
たくさんの引き出しがついたものを、いらいらボックスって言うんだよと
友人から言われたことがある。すぼらな我々が一度出した引き出しを
同じ場所に返すわけもなく、確かに作業途中にお目当ての引き出しを探す時、
いらっとすることもある。
でもそんなことは気にならないくらいこの箪笥と日々触れ合えることがしっくりくる
というか、ここちよいのだ。