2023年3月10日金曜日

鞄屋のお付き合い

 定番のFM42、お客様の手に渡ってから12年目の顔です
有り難い事です、つくったものを(自分の作業を)時間を経てから目の前にできるとは。
同じ形の鞄でも、使い手であるお客様によって表情はさまざまに変化します。
実用品であり嗜好品であり経年変化をするものでありそれぞれの変化はご使用になる方によって異なる「物」です。
当然ですが革も長い年月を経て徐々に朽ち果てて行くのです、そしてその過程が美しいのが私達のつくる革の鞄なのです。
私はもう少しこの業界が、つくり手が、その事を真剣に考えるべきじゃないかと思います。
残念ながら今の世の中がつくり出す品物のほとんどは資本主義だからかは知りませんが
お金の計算から作るものを決めているように見えます。
自然素材である革を使用した鞄も例外ではないでしょう。
情報が溢れ出しているSNSを見てもつくり手の想い、意志よりブランド、流行りなどが中心の世界になっているのは良くわかります。
若いつくり手が本当に育ちづらい状況も気になりますが、
自分のつくった物にとことんお付き合いをするつくり手でいようと思います。