2021年8月26日木曜日

籠型鞄 ふたたび

籠をモチーフにした大きなトートバッグです。
2014年のReal Bespoke 展の折につくった鞄で、もういちど見たいという声も多くいただいていましたがなかなか時間が取れず実現できずにおりました。
焦げ茶色でオーダーをいただいていたものをお仕立てする際に、展示用のものも一つ作ることができました。シンプルな仕立てですが、分厚い革を立体にしていく過程はとてもダイナミックでつくり手としてもドキドキ、テンションの上がる鞄です。
何かと暗い話題の多い昨今ですが、日々の生活を豊かにたのしむための日常づかいに、
こんな鞄はいかがでしょう。








 

2021年8月18日水曜日

断面がまんまる

 丸芯のまわりに表の革を巻いて縫い込む持ち手には大抵の場合、縫い目から先に縫い代部分のトサカがついているのが普通です。
でもこの持ち手には突起はなく断面がまんまるになるようにつくりが工夫してあります。
昔見せてもらったことのあるフランスの古い馬具の丸紐を再現しました。馬の身体に少しでも優しく当たるように考えられていたと思われます。
ゴツイ鞄に取り付けるための短く太い2本の持ち手はやっぱりツルッとしていたほうがしっくりきます。





2021年8月10日火曜日

気がつけば・・・

 気付けば8月もなんと半ばに入ろうというところ。
パソコンの調子がわるいこともあり、写真を取り込んだりちょっとした操作がなんとなくおっくうになりがちな夏をすごしています。
本業のほうは7月のフルオーダーの鞄に目処がつき、毎年恒例の小物制作にやっとシフトしつつあるところです。
写真は先月の鞄のボックスカーフを裁断中のもの。90年代にパリから担いでかえってきた革なので思い出深くて写真をとりました。なんともいえない落ち着いた赤。顔料が薄く透明感があってとても綺麗。綺麗なだけでなくむっちりした張りもあり革としての底力も感じられる。こういう質感の革は最近は見かけないなあ。最後の一枚を素敵な鞄に出来て幸せです。
ああ、裁断前の革の写真も撮っておくんだった〜。鞄の写真ももちろん撮り忘れないようにしないと!



2021年7月31日土曜日

クロコダイルの時計ケース(6)

ケースが完成して時計をセットさせていただきました。
奥の蓋のついた箱のようなものはリング等小物を収納しておく為のものです。
又、時計のベルトも同じクロコで作らせて頂きました。
(時計ベルトは現在はご注文をお受けしておりません)
立体を美しく表現できる手縫いという方法に改めて感謝したい思いです。


 


2021年7月24日土曜日

クロコダイルの時計ケース (5)

本体のステッチは手縫い独特の入れ駒という縫い方をしておりますが
入れ駒でも特別ストロークの長いものでまとめています。
金具はスターリングシルバーを使用しました。
蓋の上は角材を折り曲げロウ付け、つまみ部分は平板を曲げてカット穴あけ、
つまみを差し込む球状のギボシは特別にお願いして旋盤で挽いて頂きました。
クロコのベルトのテンションで蓋がロックされます。
もちろんベルトは伸びていかない工夫をしてあります。
ロックのつまみ部分にふっくら膨らましたクロコを縫い付け完成です。









2021年7月14日水曜日

クロコダイルの時計ケース (4)

外側が完成に近づいてきました。
作業過程の面白いところを少ない写真でわかりやすく正確にお知らせするのは難しいです
どんなものもそうだと思いますが、緻密で美しくて、耐久性や外的な力から耐えるよう
作るのは大変です。
あれこれ山のような問題をあーだこーだとさんざん考え、絵を描いたり部分のあり方を
いろいろな方法で試し、絵にして又試し、さらに又悩みます。
大筋が決まったら図面を描き試作、テストピースを作り微調整、、。
本作が始まりじわじわと形になって全体の形を表してきます。
胸のドキドキもじょじょに激しくなっていきます。
うまくいく部分もダメな部分もまあまあな部分も悔しい部分も色々現れます。
楽しいですね。
出来上がるまでは自分の手の中でなんでもありの作業、
表に出すまでは途中がどんなものであろうと自分だけの世界です。 






 
       
          







 

2021年7月7日水曜日

クロコダイルの時計ケース (3)

よく「仕事は段取りが9割」と言われますがこれは特にその傾向がつよいケースです。
図面検討から始まって、外からの力に耐えるよう仕立てをどう工夫するか。
クロコの斑をどんな具合に合わせるか。
ぐるっと輪になったケースの胴部をどう処理するか。
それらを綿密に決めてから作業に入ります。