はるか昔、三十数年前にご注文いただいてお作りしたフライフィッシングのパックロッドケースです。2つお作りしてこちらは当時やっと手に入れたレギュラーで生産されている国産のタンニン鞣しの革で作成したものです。
蓋を開けた筒の内側はスエードです。
蓋の上とケースの下は入れ駒で縫い、表の革は上から下までスクイ縫いの合わせです。
今思い出してもドキドキするようなトライでした。
メンテナンスのために送っていただき30年ぶりの再会です。
ブライドルレザーやボックスカーフで仕立てることの多いこの万年筆ケースですが、今回はコードバンでというご注文でした。手染めのコードバンの艶はもちろん美しく独特ですが、この革ならではの難しい特徴をどうこなすかに神経をつかいました。そして、出来上がりの見た目からは何もわからないのですが、実は「モンブランの149を入れてもガタつかないように」というご要望に沿った仕掛けを仕込んであります。149を滑り込ませるとひゅるんときもちよく吸い込まれ、ピタッとフィットするようになっています。